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神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

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第九十話 黒翼の奥に潜むもの



轟音。


空全体を揺らすような羽音が響いていた。


黒群。


それはもはや“群れ”という規模ではなかった。


空を埋め尽くす闇。


数百、いや数千にも見える黒い翼の怪物たちが、訓練場上空を旋回している。


その中心。


雲のさらに奥。


巨大な“何か”がゆっくりと動いていた。


神代レンは刀を握り締める。


右腕に浮かぶ紅蓮の紋様が脈動するたび、熱が身体中へ流れ込んでいた。


ソレイナが静かにレンの隣へ立つ。


その紅い瞳は、空の奥を見据えていた。


「主様……来ます。」


次の瞬間。


空から黒い影が急降下した。


爆音。


地面へ叩きつけられた怪物が咆哮を上げる。


人型。


だが全身は黒い羽毛に覆われ、腕は巨大な鉤爪へ変異していた。


眼球は赤黒く発光し、口元から黒煙が漏れている。


ユシルが顔をしかめた。


「うわぁ〜……自然じゃない感じ〜……」


アヤネが一歩前へ出る。


「侵食型……いえ、変異型ですね。」


フリートも周囲へ視線を走らせる。


「まだ来ます!」


その直後。


二体。


三体。


黒翼の怪物が次々と地面へ降下してきた。


ソレイナの足元から炎が広がる。


「主様、下がってください。」


レンは首を横へ振った。


「いや、俺もやる。」


ソレイナがわずかに目を見開く。


レンは刀を構えた。


右腕の紋様がさらに赤く発光する。


熱。


呼吸。


鼓動。


それら全てが噛み合っていく。


そして。


頭の奥で“何か”が聞こえた。


――燃やせ。


レンの右腕から炎が噴き上がる。


「っ……!」


刀身へ炎が纏わりついた。


ソレイナが静かに微笑む。


「成功です、主様。」


黒翼の怪物が突撃してくる。


レンは踏み込んだ。


炎を纏った刀が黒爪と激突する。


衝撃。


だが以前とは違う。


押し負けない。


レンはそのまま刀を振り抜いた。


紅蓮の軌跡。


黒翼の怪物の身体が真っ二つに裂け、炎に包まれる。


「ギャアアアアア!!」


燃えながら崩れ落ちる怪物。


レンは自分の手を見た。


「……やれた。」


ソレイナが嬉しそうに頷く。


「はい、主様。」


だが。


次の瞬間。


空気が変わった。


圧力。


重力のような威圧感が上空から降り注ぐ。


全員の視線が空へ向く。


黒雲。


その奥。


巨大な影がゆっくり姿を現した。


翼。


あまりにも巨大な黒翼。


まるで空そのものを覆う壁。


そしてその中心には――。


“眼”があった。


巨大な紅い単眼。


それがレンを見下ろしていた。


ゾクリ。


全身に悪寒が走る。


ユシルの表情から笑みが消える。


「……あれ、ヤバいよ〜……」


アヤネも珍しく緊張した顔をしていた。


「今までの敵とは格が違います。」


フリートが小さく息を呑む。


「戦艦級……いえ、それ以上……。」


ソレイナだけが静かだった。


だが、その炎は強く燃えている。


巨大な黒翼が咆哮を放つ。


瞬間。


空間そのものが震えた。


訓練場の壁へ亀裂が走る。


木々が吹き飛ぶ。


レンは思わず歯を食いしばった。


「なんなんだよ……あれ……!」


すると。


頭の奥で再び声が響いた。


――まだ足りない。


――もっと力を。


レンの右腕が熱を増していく。


紋様が肩まで広がり始めた。


ソレイナがレンの腕を見る。


「主様……!」


炎。


熱。


力。


身体の奥で何かが目覚めようとしていた。


黒翼の巨影がさらに降下する。


巨大な紅眼がレンを見据える。


まるで確認するように。


値踏みするように。


そして。


その口が開いた。


『――――神核保有個体、確認。』


低く。


不気味な声。


まるで人間ではない何か。


レンたち全員が硬直する。


だがその直後。


空を裂くような金色の光が走った。


轟音。


黒雲が一瞬だけ切り裂かれる。


そこに立っていたのは――。


巨大な光剣を持つ天城修也だった。


金色のオーラが天へ届くほど放出されている。


「やれやれ……これは想像以上だね。」


修也は空を見上げながら笑う。


だがその目は真剣だった。


氷室凛。


朝比奈咲夜。


月影詩乃。


三人も訓練場へ駆け込んでくる。


咲夜が空を見上げ、顔を引きつらせた。


「え、なにあれ!?でっか!?」


詩乃が静かに星図を展開する。


「……災害級。」


凛がレンを見る。


「レン、大丈夫?」


レンは刀を握り直した。


「あぁ……たぶんな。」


だが。


黒翼の巨影はさらに笑うように空を震わせた。


『適合率上昇確認。』


『対象、“覚醒段階”へ移行。』


ソレイナの炎が強く燃え上がる。


ユシルの周囲に木々が芽吹く。


アヤネの足元から岩が隆起する。


フリートの背後に巨大な水流が渦巻く。


四人の擬神。


その全員が、レンの前へ立った。


ソレイナが静かに言う。


「主様。」


ユシルが笑う。


「ここからだよ〜。」


アヤネが拳を握る。


「我らが道を切り開きます。」


フリートも頷いた。


「主さん、一緒に!」


レンはゆっくり息を吸う。


そして。


燃える右腕を握り締めた。


空の奥。


黒翼の巨影がさらに姿を現していく。


まるで――。


“世界そのもの”が降りてくるかのように。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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