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神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

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第八十五話 炎を握る者



翌日。


『異能学園高等学校』旧訓練場。


校舎裏よりさらに奥に存在するそこは、生徒会や一部の戦闘系異能者しか使用しない特別区画だった。


地面には無数の傷跡。


焼け焦げた跡。


切断された鉄板。


ここで何度も激しい戦闘訓練が行われてきた証だった。


レンはその中央に立っていた。


右腕の紅蓮の刻印を見つめながら、小さく息を吐く。


「……ここでやるのか」


天城修也が軽く笑う。


「あぁ、一般区画で君が炎を暴発させたら大変だからね」


「否定できねぇ……」


咲夜はやる気満々だった。


「修行編だ〜!!」


凛は呆れ顔で腕を組む。


「なんでそんなテンション高いのよ」


「だってこういうの好きだし!」


詩乃はいつも通り静かだった。


「……でも必要」


ソレイナはレンの隣へ立つ。


「主様、本日の目的は二つです」


「二つ?」


「炎を出すこと」


「そして制御することです」


ユシルがふわふわ漂いながら補足する。


「出せても〜暴走したら意味ないからね〜」


アヤネは地面へ触れる。


すると訓練場の一部が隆起し、石の壁が形成された。


「的は用意しました」


フリートも元気よく手を挙げる。


「私は消火担当です!」


「お前それ地味に重要だな……」


修也は少し離れた場所へ移動する。


「まずは単純な放出から始めよう」


「レン、右腕へ意識を集中してみて」


レンは頷く。


ゆっくり右腕を見る。


紅蓮の刻印。


脈打つ炎。


目を閉じると、あの熱が身体の奥にあるのがわかった。


ソレイナの力。


自分の中へ流れ込んだ炎。


レンは拳を握る。


「……来い」


ドクン――。


刻印が輝いた。


次の瞬間。


ボォッ!!


炎が右腕へ灯る。


咲夜が目を輝かせた。


「おぉ〜!」


しかし。


炎は一瞬で膨れ上がる。


「うおっ!?」


レンの腕から火柱が噴き出した。


轟音。


熱風。


訓練場の地面が焼ける。


「主様!」


ソレイナがすぐ前へ出る。


「《炎纏壁(えんてんへき)》」


赤い炎の壁が展開され、暴走した炎を包み込んだ。


数秒後。


炎は静かに消える。


レンは肩で息をしていた。


「はぁ……はぁ……」


凛が呆れたように言う。


「初手から大惨事じゃない」


「悪かったな……」


詩乃は地面の焼け跡を見る。


「威力だけならかなり高い」


修也も真面目な顔になっていた。


「普通の異能者なら訓練初日でここまで出力は出ない」


「やっぱり擬神の力は規格外か」


ソレイナはレンを見る。


「ですが制御が粗すぎます」


「今のままでは主様自身が焼かれます」


レンは右腕を見る。


確かに熱い。


少し赤くなっていた。


フリートが慌てて冷水を生成する。


「だ、大丈夫ですか主さん!?」


「あぁ、平気」


ユシルがレンの背中をぽんぽん叩く。


「焦らず〜焦らず〜」


アヤネは冷静に分析していた。


「力の流れを理解していませんね」


「流れ?」


「はい。主様は“出す”ことだけを考えています」


「ですが本来は違う」


アヤネは地面の石を浮かせた。


小石は彼女の周囲をゆっくり回る。


「力は流すもの」


「押し出すのではなく、循環させる」


レンはそれを見つめる。


ソレイナも続けた。


「炎は感情に反応します」


「焦り、怒り、恐怖」


「そういったものが暴走へ繋がるのです」


レンは少し考える。


つまり。


無理矢理使おうとしたせいで炎が荒れた。


修也が笑う。


「力任せはレンらしいけどね」


「うるせぇ」


咲夜がニヤニヤしていた。


「でも漫画の主人公っぽい!」


「それ褒めてんのか?」


「たぶん!」


凛がため息を吐く。


「たぶんって何よ……」


レンはもう一度右腕を見る。


そして深呼吸した。


「……よし」


「もう一回だ」


ソレイナが静かに頷く。


「はい」


レンは目を閉じる。


熱を感じる。


だが今度は無理に掴まない。


流れを意識する。


炎が身体を巡る感覚。


熱は怖くない。


むしろ温かい。


ドクン――。


刻印が淡く輝く。


レンはゆっくり右手を前へ出した。


「――っ」


ボッ。


小さな炎が掌へ灯る。


先ほどの暴発とは違う。


穏やかな火。


揺らめく紅。


咲夜が声を上げた。


「おぉぉ!」


フリートも嬉しそうに拍手する。


「成功です!」


ユシルがふにゃっと笑う。


「主〜やるじゃ〜ん」


アヤネも小さく頷いた。


「安定しています」


ソレイナはほんの少しだけ微笑んでいた。


「お見事です、主様」


レンは炎を見る。


不思議だった。


自分の炎なのに、どこかソレイナを感じる。


暖かく。


強く。


真っ直ぐな炎。


その時。


修也がふと真面目な顔になる。


「レン」


「ん?」


「試しに、その炎を身体へ纏えるかやってみて」


「纏う?」


「強化系に近い使い方だ」


「たぶん君ならできる」


レンは頷く。


炎を見つめる。


そして。


右腕から肩へ流すイメージを作った。


次の瞬間。


ボォッ!!


紅蓮の炎がレンの右腕を包み込む。


腕だけではない。


身体能力そのものが引き上がる感覚。


「……っ!?」


レンは軽く地面を蹴る。


ドンッ!!


その瞬間。


身体が一気に加速した。


「うおっ!?」


レンは数メートル先まで一瞬で飛び、慌てて止まる。


咲夜が目を丸くした。


「速っ!?」


凛も驚いていた。


「身体強化まで……」


詩乃は静かに呟く。


「……炎の推進力」


修也は笑っていた。


「なるほどね」


「これは面白い」


レンは自分の手を見る。


炎が揺らめいている。


すると。


脳裏に再び声が響いた。


『――もっと』


一瞬だった。


だが確かに聞こえた。


レンの表情が変わる。


ソレイナもそれに気づいた。


「主様?」


レンはゆっくり空を見上げる。


夕空。


燃えるような赤。


その奥。


ほんの一瞬だけ。


巨大な“炎の影”が見えた気がした。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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