表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

82/129

第八十一話 暴走する重力



旧校舎の空気が軋む。


黒い霧。


浮き上がる机。


砕ける床。


そして――異常なまでに膨れ上がる異能反応。


男子生徒は頭を抱えながら絶叫していた。


「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


ドゴォォン!!


重力の波が教室全体へ叩きつけられる。


壁がひしゃげ、窓ガラスが一斉に砕け散った。


「くっ……!」


レンは腕で顔を庇う。


咲夜が雷を纏いながら踏ん張った。


「威力上がってるんだけど!?」


詩乃の長い髪が揺れる。


「……普通じゃない」


修也は剣を構えたまま黒コートの人物を睨む。


「何をした」


黒コートの人物は静かに笑う。


「少し、“刺激”しただけだ」


その瞬間。


男子生徒の足元が崩壊した。


床がまるで圧縮されたように沈み、コンクリートが砕けていく。


フリートが驚きの声を上げる。


「重力を操ってる……!?」


アヤネが周囲の瓦礫へ視線を向けた。


「危険です。このままでは建物ごと崩壊します」


ソレイナの炎が大きく燃え上がる。


「主様、下がってください」


「いや、でも――!」


「下がってください」


いつもより強い声だった。


レンは息を呑む。


その間にも男子生徒の暴走は続く。


浮いた机や瓦礫が弾丸のように飛び交う。


修也が剣を振るった。


「《天刃解放(てんじんかいほう)》」


瞬間。


黄金の光が迸る。


天へ届くかのような巨大なオーラの剣が形成された。


その圧力だけで空気が震える。


咲夜が目を丸くする。


「うわぁ……また派手なのきた……」


詩乃も静かに驚いていた。


「……大きい」


修也は一歩踏み込む。


「はぁぁぁぁっ!!」


振り下ろされた光刃が重力の波を切り裂いた。


ドゴォォォン!!


衝撃が校舎を揺らす。


しかし。


男子生徒の周囲に渦巻く黒い霧は消えない。


むしろ濃くなっていた。


「ぐっ……ぁ……!」


男子生徒の身体が浮く。


黒い重力球が周囲へ展開されていく。


ソレイナが炎を放った。


「《炎獄弾(えんごくだん)》!」


紅蓮の火球が一直線に飛ぶ。


だが。


重力場に触れた瞬間。


火球が潰された。


「なっ……!」


ユシルも両手を広げる。


「《樹縛領域(じゅばくりょういき)》〜!」


床を突き破り植物の蔦が伸びる。


だがそれも。


重力に押し潰され、地面へ叩きつけられた。


「うにゅ〜……」


フリートが前へ出る。


「私がやります!」


市女笠の下で海色の瞳が輝いた。


「《潜航機関(サブマリン)》!」


ゴォォォッ!!


彼女の背後に巨大な水流が現れる。


水が潜水艦の形を成し、そのまま男子生徒へ突撃した。


轟音。


水圧。


激流。


しかし――。


バキィ!!


見えない重力が水流そのものを圧縮した。


「きゃっ!?」


フリートが吹き飛ばされる。


レンが咄嗟に受け止めた。


「大丈夫か!?」


「は、はい……でも、押し返されました……」


アヤネが静かに呟く。


「能力の出力が異常です」


黒コートの人物が笑う。


「当然だ。これは“試作品”だからな」


修也の視線が鋭くなる。


「試作品……?」


「人為的異能強化。君たちも聞いたことくらいはあるだろう?」


レンの拳が強く握られた。


「トランセンド・ラボ……!」


「ご名答」


黒コートの人物は拍手する。


「実に素晴らしい。神核生成。そして擬神たち。観察対象として非常に興味深い」


ソレイナの殺気が膨れ上がる。


炎が揺らめいた。


「主様を、そのような目で見るな」


「おや怖い」


黒コートの人物は笑ったまま。


「だが、まだ完成には程遠い」


男子生徒が再び叫ぶ。


「あぁぁぁぁぁぁ!!」


ドゴォッ!!


重力波が炸裂した。


教室の天井が崩れ始める。


咲夜が叫んだ。


「崩れる!!」


修也が即座に判断する。


「全員避難を優先!」


だが。


男子生徒は苦しそうにレンを見た。


「……た、す……け……」


その声。


レンの足が止まる。


暴走している。


危険だ。


でも。


あれは敵じゃない。


苦しんでいるだけだ。


レンは歯を食いしばる。


「……助ける」


ソレイナが振り返る。


「主様?」


「こいつは被害者だろ!」


その言葉に。


四人の擬神が静かに目を見開いた。


レンは前へ出る。


「おい!聞こえるか!」


男子生徒の瞳が揺れる。


黒い霧の奥で、かすかに意識が反応した。


「俺たちは敵じゃない!」


重力が暴れる。


それでもレンは止まらない。


「だから戻ってこい!!」


その瞬間。


男子生徒の異能が一瞬だけ揺らいだ。


黒コートの人物が初めて表情を変える。


「……ほう?」


アヤネが小さく呟く。


「主様の声で……暴走が」


ユシルも目を丸くした。


「止まりかけてる〜……?」


詩乃が静かに言う。


「……共鳴してる」


修也もレンを見る。


「なるほど……それが」


黒コートの人物の笑みが深くなる。


「面白い。本当に面白いな、神代レン」


次の瞬間。


男子生徒の身体から、さらに巨大な黒い力が噴き出した。


「――ッ!?」


黒い重力球が教室全体を包み込む。


そして。


その中心で。


男子生徒の背後に、“巨大な黒い影”が浮かび上がった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ