第七話 異能学園高等学校 生徒会
「俺は神代レン。普通の高校生――だったが」
スキル《神核生成》。
それによって現れた擬神・ソレイナ。
そして――
「氷室凛に、生徒会室に来るよう言われて」
――現在。
『異能学園高等学校』生徒会室前。
「ここか……」
重厚な扉を前に、思わず呟く。
「はい」
隣で氷室が静かに頷く。
「主様、安心してください」
ソレイナが一歩前に出る。
「敵意があるようなら、私が――」
「安心しなさい、擬神ソレイナ」
氷室が即座に遮る。
「そんな人いないから」
「……そうであることを願います」
ピリッとした空気。
「……まぁ、入るか」
覚悟を決めて、扉に手をかける。
――ガチャ。
扉を開けると。
そこには、三人の生徒がいた。
広い室内。
中央には大きな机。
その奥に座るのは――
「来たか」
落ち着いた声の男子生徒。
黒髪で整った顔立ち。
ただ座っているだけで分かる、“格の違い”。
「俺は生徒会長――」
ゆっくりと名乗る。
「天城 修也だ」
「……神代レンです」
自然と姿勢が正される。
そして、その左右には――
「ふーん、あんたが例の?」
軽い口調の少女。
短めの髪に、どこか勝気な雰囲気。
「私は朝比奈 咲夜。副会長よ」
腕を組みながらこちらを見る。
「……」
もう一人。
本を片手に、静かにこちらを見ている少女。
「……書記の、月影 詩乃です」
小さく、しかしはっきりとした声。
「以上が現在の生徒会メンバーだ」
天城がまとめる。
氷室もその横に立つ。
――つまり。
「……全員、異能持ちってことか」
「察しがいいな」
天城がわずかに笑う。
「さて、本題に入ろう」
空気が一変する。
「神代レン」
まっすぐに見据えられる。
「お前をここに呼んだ理由だが――」
一拍置いて。
「生徒会に、スカウトするためだ」
「……は?」
今日何回目かわからない間抜けな声が出る。
「いやいやいやいや待て」
「俺、つい昨日まで普通の一般人なんだけど!?」
「関係ない」
即答。
「むしろ、その“昨日まで普通”だったやつが問題なんだよ」
朝比奈が口を挟む。
「いきなり擬神持ちとか、どう考えてもイレギュラーでしょ」
「……それは、まあ」
否定できない。
「あなたのスキル《神核生成》」
月影が静かに言う。
「記録にも類例がありません」
「……マジかよ」
「だからこそだ」
天城が続ける。
「管理下に置く必要がある」
「監視、ではなく?」
思わず聞き返す。
「表向きはな」
ニヤリと笑う。
「だが、どうせなら――戦力として使う方が合理的だろう?」
「……」
言葉が出ない。
「安心しなさい」
氷室が横から言う。
「強制ではない」
「……断ったら?」
少しだけ探るように聞く。
「その場合は、今まで通り“監視対象”として扱う」
「どっちにしろ自由はないのかよ」
「違うわね」
朝比奈がニヤッと笑う。
「入れば“仲間”になるってだけ」
「主様」
ソレイナが静かに声をかける。
「私は、主様の判断に従います」
「……」
生徒会。
監視。
異能。
ぐちゃぐちゃになった現実の中で――
俺は、選択を迫られていた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




