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神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP
第1章 神核の目覚め編

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第六十六話 執行官ネメシス


次の日の朝。


空は雲ひとつない青空だったが、神代レンの心は妙に重かった。


昨夜、黒コートの男から聞かされた言葉。


――“神核生成”。


あの男は、レンの能力について知っていた。


ただの異能ではないことも。


それが、頭から離れない。


住宅街を歩きながら、レンは黙ったまま前を見ていた。


隣を歩くソレイナが、小さく視線を向ける。


炎の擬神ソレイナ。


レンを守るために現れた存在。


その瞳には、わずかな警戒が宿っていた。


「主様?」


「ん?」


「先程から無言です。何か考え事でも?」


レンは少しだけ苦笑した。


「いや、昨日のことを考えててな」


その後ろを、ふわふわと浮かびながら移動しているユシルが、大きな欠伸をする。


「ど〜したの〜?」


自然の擬神ユシル。


眠たげな声のまま、レンの横へ近づいた。


「昨日の男のこと?」


「あぁ」


さらに後方。


静かに歩いていたアヤネも口を開く。


操りの擬神アヤネ。


褐色の小柄な少女は、相変わらず無表情だった。


「確かに、いろいろと気になりますね」


「だろ?」


レンは頭を掻いた。


「あいつ、“神核生成”を知ってた。偶然とは思えねぇ」


ソレイナの目が細くなる。


「主様の能力を調査している可能性があります」


「やっぱそう思うか」


「はい。危険です」


ユシルも珍しく真面目な顔になる。


「主〜、気をつけたほうがいいかも〜」


「わかってるよ」


その時だった。


遠くから元気な声が響いた。


「おーい!!」


レンが顔を上げる。


通学路の向こう側。


朝比奈咲夜(あさひな さくや)が大きく手を振っていた。


その隣には、いつものように静かな月影詩乃(つきかげ しの)の姿もある。


「ん?咲夜、詩乃」


咲夜は駆け寄ってくると、満面の笑みを浮かべた。


「おっはよ〜!」


「おはよ...」


「あぁ、おはよう」


だが、咲夜はすぐにレンの様子に気づいた。


「?どうかしたの?」


詩乃もレンをじっと見つめる。


「考え事?.....」


レンは少し迷ったあと、小さく息を吐いた。


「実はな――」



『異能学園高等学校』生徒会室。


レンの話を聞き終えた瞬間。


咲夜が勢いよく立ち上がった。


「えぇぇ!!!トランセンド・ラボと戦った!?」


「声が大きいわ」


氷室凛(ひむろ りん)が冷静にツッコミを入れる。


「あ、」


咲夜は慌てて座り直した。


詩乃は腕を組みながら呟く。


「でも確かに、これはおどろく」


天城修也(あまぎ しゅうや)も珍しく真剣な表情をしていた。


「ふむ……」


凛が視線を向ける。


「生徒会長?」


修也は静かに考え込んだあと、レンを見る。


「レンの能力がバレた以上、敵は積極的に動くか隠れて動くか、だ」


「ん、それしかないと思う」


詩乃が頷く。


「もっと警戒して、主さんを守らないとですね!」


フリートが拳を握る。


海洋の擬神フリート。


市女笠を揺らしながら、真剣な顔をしていた。


ソレイナも即座に同意する。


「えぇ」


しかし修也は、静かに首を横へ振った。


「だが、まだ動くときではない」


アヤネが不思議そうに聞く。


「どうして?」


「無理に動けば敵の思い通りになるかもしれない。それに、無駄な動きをして体力を減らすほうがだめだ」


「確かに~」


ユシルがふわふわ浮きながら頷く。


凛も納得したように腕を組んだ。


「じゃあ、どうするの?」


修也は椅子にもたれながら微笑む。


「気長に待とうじゃないか」


「まぁ、それしかないよね〜」


咲夜が肩を竦める。


「うん、手がかりが少なすぎる」


詩乃も静かに言った。


レンは大きく息を吐いた。


「だよな」


その時だった。


ユシルがぽつりと呟く。


「ねぇねぇ、3人とも〜、リーダーなら〜、解決してくれそうだね〜」


ソレイナの表情が少し変わる。


「しかし、リーダーを呼び出すには、皆が揃う必要が」


「じゃあ〜?主様に〜お願いする〜?」


ユシルが悪気なく言う。


だがアヤネが即座に否定した。


「いえ、連発は体力を奪う可能性があります」


「じゃあ、どうしましょう?」


フリートが困ったように首を傾げた。


四人の擬神たちは同時に唸る。


「う~ん....」


レンは不思議そうに眉をひそめた。


「ん?何話してるんだ?」


ソレイナは一瞬でいつもの表情に戻る。


「いえ、ただの会議です」


「そ〜だ~よ〜」


ユシルも笑いながら誤魔化した。


「そ、そうか」


レンは首を傾げながらも、それ以上は追及しなかった。


だが――。


その頃。


学園から遠く離れた地下施設。


冷たい金属音が響く暗闇の中。


巨大なモニターに、レンたちの姿が映し出されていた。


その前に立つ、一人の女。


黒い軍服。


長い銀髪。


片目を覆う黒い眼帯。


そして、圧倒的な威圧感。


彼女の周囲だけ空気が張り詰めている。


フードの研究員たちが、緊張した様子で報告を続ける。


「調査対象“神代レン”の監視を継続中です」


「擬神の数は現在四体」


「危険度は上昇しています」


女は静かにモニターを見つめていた。


やがて。


低く、美しい声が響く。


「……なるほど」


その瞬間。


研究員たちの背筋が凍りついた。


誰もが知っている。


彼女を怒らせれば終わりだと。


超越因子研究局。


トランセンド・ラボ。


その中でも最強の執行者。


“執行官”。


女は静かにレンの映像へ触れた。


「神核生成……」


口元が僅かに歪む。


「面白い」


研究員の一人が恐る恐る尋ねる。


「ネメシス様……どうされますか?」


女――執行官ネメシスは、静かに笑った。


その笑みは、美しく。


そして、底知れなく冷たかった。


「決まっているでしょう?」


ネメシスの背後。


黒い闇が揺らぐ。


まるで空間そのものが侵食されていくように。


「直接、見に行くのですよ」


その瞬間。


施設全体が震えた。


研究員たちは誰一人、声を出せない。


ただ恐怖だけが支配する。


ネメシスは静かに歩き出した。


「さぁ――」


「神代レン」


「あなたは、どこまで耐えられるのでしょうね?」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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