表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

62/79

第六十一話 「夕凪の帰り道」


夕陽が海を赤く染めていた。


昼間の眩しい青とは違う、どこか静かな橙色の世界。波は穏やかに揺れ、海面には夕焼けが鏡のように映っている。


そんな景色の中。


「まだ帰りたくな〜〜〜い!」


フリートが海の中でじたばたしていた。


「子供かお前は」


レンが呆れた声を出すと、フリートはぷくっと頬を膨らませる。


「だって海楽しいんだもん〜〜〜!」


ユシルも同じように砂浜へ寝転がっていた。


「ん〜〜〜、わかる〜〜〜……ここ落ち着く〜〜〜」


「お前はどこでも落ち着いてるだろ」


「えへへ〜〜〜」


咲夜はそんな二人を見て笑っている。


「ほんと仲良いねぇ」


ソレイナは静かに周囲を警戒しながらも、どこか穏やかな表情を浮かべていた。


「……異常なし。問題なく一日を終えられそうですね」


アヤネも小さく頷く。


「はい。敵性反応なし」


レンは荷物をまとめながら海を見る。


「結局、普通に遊んで終わったな」


「平和でいいことです」


ソレイナの言葉に、レンは少し笑った。


「まぁ、たしかにな」


その時だった。


「主さ〜〜〜ん!」


海の方からフリートが大きく手を振る。


「最後に一緒に泳ご〜〜〜!」


「えぇ……」


レンが露骨に嫌そうな顔をすると、咲夜が楽しそうに肩を叩いた。


「いいじゃん!せっかく海来たんだし!」


「いやもう十分遊んだだろ……」


ユシルも起き上がる。


「主〜〜〜、いこ〜〜〜?」


「……はぁ」


結局押し切られる形で、レンは再び海へ向かうことになった。


波打ち際へ足を入れる。


夕方になった海水は少し冷たかった。


「うお、冷たっ」


「へへ〜〜〜!」


フリートは嬉しそうに周囲へ水を飛ばしている。


その横でユシルはぷかぷか浮いていた。


「きもち〜〜〜」


「お前ほんと自由だな」


咲夜はレンへ笑いかける。


「でも、なんかいいよね」


「何が?」


「こういう時間。戦ったりばっかじゃなくてさ」


レンは少しだけ黙る。


頭に浮かぶのは、トランセンド・ラボとの戦い。異能暴走状態。黒コートの男。


危険なことは増えている。


でも今は。


こうして笑っていられる。


「……そうだな」


その時だった。


ざばんっ!


突然、大きな水柱が上がる。


「うわっ!?」


見ると、フリートが海中から勢いよく飛び出してきた。


その周囲には魚の群れが渦のように集まっている。


「見て見て〜〜〜!集まってきた〜〜〜!」


「なんで!?」


「海洋の擬神だから〜〜〜?」


「疑問形で言うな!」


魚達はまるでフリートに懐いているかのようだった。


咲夜が目を輝かせる。


「すご〜い!」


ユシルもぱちぱち拍手している。


「フリート人気者〜〜〜」


ソレイナは小さくため息を吐いた。


「……海では特に力が強くなるのですね」


アヤネも分析するように呟く。


「周囲の水分支配率が上昇しています。通常時より出力増加」


「つまり?」


「テンションが高い」


「そこ分析なのか?」


そんなやり取りをしているうちに、空はさらに赤く染まっていく。


やがて太陽がゆっくりと水平線へ沈み始めた。


フリートが静かにその景色を見つめる。


「……綺麗」


いつもののんびりした声とは違う、少し落ち着いた声だった。


レンも空を見る。


「……ほんとだな」


海風が静かに吹き抜ける。


波の音だけが聞こえる穏やかな時間。


ソレイナはレンの隣へ立った。


「主様」


「ん?」


「……こういう時間を、守りたいですね」


レンは少し驚く。


ソレイナは海を見つめたまま続けた。


「貴方様の日常を。皆で笑っていられる時間を」


ユシルも頷く。


「うん〜〜〜、楽しいもんね〜〜〜」


アヤネも静かに口を開く。


「……悪くありません。この環境」


フリートは夕陽を背に笑った。


「だから守るんだよ〜〜〜!」


レンはそんな擬神達を見て、小さく笑う。


「……頼もしいな、お前ら」


その言葉に、四人はそれぞれ嬉しそうな表情を見せた。


帰り道。


海辺から駐車場へ向かう途中、咲夜が大きく伸びをする。


「楽しかった〜!」


「だな」


「またみんなで来たいね!」


フリートが勢いよく手を上げた。


「次は船乗りたい〜〜〜!」


ユシルも続く。


「山もいいよ〜〜〜」


アヤネは少し考える。


「鉱山も興味があります」


「お前だけ方向性違うな?」


ソレイナは静かにレンを見る。


「主様はどうしたいですか?」


突然聞かれ、レンは少し考えた。


そして。


「……またみんなで、どっか行けたらいいな」


その言葉に、擬神達の表情が柔らかくなる。


夕暮れの海。


穏やかな一日。


戦いとは無縁の、静かな時間。


それは確かに、レン達にとって大切な“日常”だった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ