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神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP


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第五十七話 「静かな勝利のあと」



黒い空間が崩壊していく。


フリートの一撃によって粉砕された《終焉黒星》は、もはやただの残骸に過ぎなかった。


空に散った黒い粒子は、風に溶けるように消えていく。


校舎上空には、再び夜の空が戻っていた。


だがその静けさは、先ほどまでの戦闘が嘘のように感じられるほど異質だった。


咲夜が膝に手をつきながら息を吐く。


「……ほんとに終わったの?」


凛は周囲を見回しながら慎重に答えた。


「少なくとも、脅威反応は消えてるわ」


詩乃は小さくノートを閉じる。


「……記録、完了……」


修也は黄金の剣を静かに消した。


そして一言。


「助かったな」


その視線の先には、レンとフリートがいた。


レンはまだ信じられないといった表情で空を見上げている。


「……マジで勝ったのか?」


その隣でフリートは、いつもの穏やかな表情に戻っていた。


市女笠を軽く押さえ、海色の髪を揺らす。


「はい。対象は完全消滅を確認しました」


あまりにも冷静すぎる報告。


レンは苦笑するしかなかった。


「いや……さらっと言うなって……」


ユシルがふわふわと宙を漂いながら笑う。


「ふわぁ〜……すごかったねぇ〜」


ソレイナは静かに剣を納める。


「さすが海洋の擬神です」


アヤネは周囲の残留エネルギーを確認しながら言った。


「戦闘後の環境安定化も完了しています。問題なしです」


レンはその言葉に肩の力を抜いた。


「ほんとに全部終わったんだな……」


その瞬間。


修也が少しだけ真剣な顔になる。


「レン」


「ん?」


「今回の件、ただの襲撃じゃない可能性が高い」


その言葉に、空気が少しだけ重くなる。


咲夜も表情を引き締めた。


「トランセンド・ラボってやつ、まだいるってこと?」


修也は頷く。


「今回のは“試験運用”に近い動きだった」


凛が腕を組む。


「本命は別にいるってことね」


詩乃が静かに呟いた。


「……まだ、終わりじゃない」


レンはその言葉に拳を握る。


「……面倒なことになってきたな」


だがその隣で、フリートは静かに首を横に振った。


「主さん」


「あ?」


「問題ありません」


その一言は、妙に落ち着いた響きを持っていた。


レンは少しだけ目を丸くする。


「なんでそんなに落ち着いてんだよ」


フリートは微笑む。


「海は、深く沈むほど静かになります」


その言葉に、少しだけ空気が柔らかくなる。


ユシルが笑う。


「かっこいい〜」


ソレイナは小さく頷く。


「良い表現です」


アヤネは淡々と分析する。


「精神安定効果あり。評価:高」


レンはため息をついた。


「なんか、うちのメンバー全員濃すぎるんだけど……」


その時だった。


修也が軽く咳払いをする。


「さて、ここからは後処理だな」


凛が即座に続ける。


「結界修復と被害報告ね」


咲夜が手を上げる。


「私も手伝うよ!」


詩乃は静かに頷く。


「……データ整理」


フリートも一歩前に出る。


「海水残留の回収を行います」


ユシルがふわふわ浮きながらついていく。


「おてつだいする〜」


ソレイナも剣を肩に担ぐ。


「主様のために」


アヤネは周囲を見渡す。


「効率的に進行します」


レンはそれを見て小さく笑った。


「なんだこれ……戦い終わったのに、まだ忙しいのかよ」


修也が軽く肩を叩く。


「それが日常ってやつだ」


その言葉に、レンは少しだけ納得したように頷く。


空はすでに静けさを取り戻していた。


戦いの痕跡は残っている。


だがそれでも、夜は確かに平和へ戻りつつあった。


レンは空を見上げる。


「……次は、何が来るんだろうな」


その呟きは、誰にも届かないほど小さかった。


だが。


フリートだけが、それに静かに答えた。


「海は、まだ広いです」


レンはその言葉に、少しだけ苦笑する。


「……だよな」


そして、彼らはそれぞれの作業へと散っていった。


夜の学園に、再び日常の気配が戻り始める。


だがその静けさの裏で――


次の波は、すでにどこかで生まれつつあった。

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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