表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神核生成とかいう意味不明スキルで擬神に守られてます  作者: れんP


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

57/89

第五十六話 「深海殲滅形態」


黒い球体が夜空を覆う。


巨大。


圧倒的。


まるで空そのものが落ちてくるような絶望感だった。


校舎。


グラウンド。


周囲の建物。


その全てを飲み込みかねない規模。


咲夜が青ざめた顔で空を見上げる。


「うそ……あんなの落ちてきたら……!」


凛も表情を険しくする。


「学園どころじゃ済まない……!」


修也は黄金の剣を握りしめた。


だが、斬れる規模ではない。


あまりにも巨大すぎる。


詩乃もノートを抱きしめながら呟く。


「……空が……消える……」


黒コートの男は両腕を広げ笑っていた。


「クククククッ!!絶望しろ!!これが《暗黒領域(ダークマター)》の極致!!《終焉黒星(エンドブラック)》だぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」


黒球がゆっくり降下を始める。


空気が歪む。


重力すら狂っているのか、周囲の瓦礫が浮かび始めた。


レンの喉が鳴る。


「やばいだろ……これ……!」


だが。


その隣で。


フリートだけは静かだった。


海色の髪が風に揺れる。


その瞳はまるで深海のように穏やかだった。


「問題ありません」


静かな声。


だが、その一言には不思議な安心感があった。


ソレイナが小さく頷く。


「来ますね」


ユシルも眠たそうに笑う。


「ふわぁ〜……派手なの来るよ〜」


アヤネは静かに後退した。


「主様、少し下がってください」


レンが頷く。


「あ、あぁ……!」


その瞬間。


《サブマリン》が唸りを上げた。


ゴゴゴゴゴゴゴ――!!


巨大潜水艦が変形を始める。


装甲が展開。


海水が渦巻く。


青白い光が内部から漏れ出した。


修也が目を細める。


「これは……!」


咲夜が目を輝かせた。


「変形してる!?」


潜水艦の船体が分裂する。


無数の装甲。


巨大砲台。


海水で構築された艦橋。


そして。


潜水艦の後部から、巨大な砲身が姿を現した。


空気が震える。


周囲の水が勝手に浮遊し始める。


フリートが静かに告げた。


「深海殲滅形態《ネプチここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみにューン・モード》移行完了」


瞬間。


海が生まれた。


屋上全体が海水で包まれる。


いや。


校舎上空そのものが海へ変わった。


魚の幻影が泳ぐ。


巨大なクジラの影が通り過ぎる。


深海。


そこはまさに“海洋神域”。


咲夜が口を開けたまま固まる。


「す、すご……」


凛も息を呑む。


「空間を書き換えた……?」


詩乃の瞳が静かに揺れる。


「……綺麗……」


黒コートの男ですら一瞬言葉を失った。


「なんだ……これは……!」


フリートは静かに砲身へ触れる。


「深海主砲、展開」


巨大砲身へ海水が集束していく。


圧縮。


圧縮。


さらに圧縮。


周囲の海水が消えていくほどの超密度。


レンは肌で感じていた。


危険だと。


あれは触れてはいけないものだと。


修也ですら額に汗を浮かべる。


「これは……凄まじいな……」


ソレイナが静かに口を開く。


「フリートの最大火力ですね」


ユシルもふわふわ浮きながら笑う。


「海全部ぶつける感じ〜」


アヤネが小さく頷いた。


「超高圧深海水流……直撃すれば跡形も残りません」


レンが引きつった顔になる。


「こ、怖ぇよ……」


その時だった。


黒コートの男が叫ぶ。


「ふざけるなぁぁぁぁぁっ!!!」


《終焉黒星》が急降下する。


巨大な闇。


圧倒的質量。


空間を潰しながら迫る終末。


だが。


フリートは静かに砲身を向けた。


「照準固定」


海色の瞳が輝く。


「撃ちます」


その瞬間。


世界が静止したように感じた。


次の瞬間――。


ドォォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!!


超高圧水流砲。


それはもはや“水”ではなかった。


極限まで圧縮された海そのもの。


青白い閃光が空を裂く。


《終焉黒星》へ直撃した。


衝突。


一秒。


二秒。


そして。


黒球へ亀裂が入る。


男の顔から笑みが消えた。


「なっ……!?」


亀裂。


崩壊。


圧壊。


黒球全体が砕け散った。


まるでガラスが割れるように。


夜空へ黒い破片が飛び散る。


咲夜が叫ぶ。


「砕いたぁぁぁぁっ!?」


凛も目を見開く。


「嘘でしょ……!」


修也が静かに息を吐いた。


「凄いな……」


だが。


フリートの攻撃は終わらない。


水流砲はそのまま黒コートの男へ直進する。


男が慌てて闇を展開した。


「《暗黒障壁(ダークシールド)》!!」


しかし。


無意味だった。


障壁が一瞬で蒸発する。


「馬鹿なぁぁぁぁぁぁっ!?」


直撃。


轟音。


超圧縮水流が男を飲み込んだ。


建物を突き抜ける。


地面を抉る。


遠方の山へまで一直線に貫いていった。


やがて。


静寂。


フリートは静かに砲身を下ろした。


《ネプチューン・モード》がゆっくり解除されていく。


空の海が消える。


巨大潜水艦も水へ還った。


そして。


フリートは何事もなかったようにレンへ振り返った。


「……終わりました、主さん」


レン達はしばらく言葉を失っていた。


そして最初に口を開いたのは咲夜だった。


「……海洋の擬神、怖くない?」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ