第四十八話 「文化祭準備と少し騒がしい日常」
俺は神代レン。普通の高校生――だったが、スキル《神核生成》で炎の擬神ソレイナが現れ、自然の擬神ユシル、操りの擬神アヤネも加わり、生徒会に入ることになった。
――翌日。
「主様、起床時間です」
「休日じゃなかったのか今日……」
「文化祭準備があります」
「そうだった……」
アヤネの冷静な声に現実へ引き戻される。
「主〜、がんばる日〜?」
「まぁな」
「にぎやかでいいね〜」
ユシルはすでに元気だ。
「主様、怠惰は非推奨です」
「分かってるって……」
――学校。
校門前からすでに慌ただしい。
「おーい神代!こっち手伝ってくれ!」
クラスメイトに呼ばれるまま教室へ。
中では装飾の準備が始まっていた。
「これ窓に貼るやつな!」
「そっちテープ足りない!」
「レン、こっち持って!」
「はいはい……」
気づけば完全に作業班に組み込まれている。
「主様、配置効率に改善余地あり」
「アヤネ、もうそれ運営側だろ」
「最適化です」
「真面目すぎる……」
ユシルはというと。
「ここキラキラしてる〜!」
「それ絶対関係ない飾りだろ」
「かわいいからいいよね〜」
完全に自由行動。
ソレイナは周囲を見渡しながら警戒している。
「異常なし」
「いや文化祭準備だっての」
「ですが油断は禁物です」
「真面目すぎるだろ」
そんなやりとりをしながら作業は進む。
昼休み。
「おつかれ〜!」
机に突っ伏す。
「文化祭ってこんな大変だったのか……」
「まだ序盤です」
アヤネが即答する。
「絶望させるなよ」
そこへ、見覚えのある声。
「おーい」
振り向くと朝比奈咲夜。
「手伝いに来たよー」
「またお前か」
「ひどいなぁ」
笑いながら段ボールを持ってくる。
「いや助かるけど」
「ねぇねぇ、これどこ貼るの?」
「そこは背景」
「おっけー!」
咲夜は手際よく動く。
「慣れてるな」
「まぁね」
少しだけ空気が軽くなる。
その様子を見てユシルが笑う。
「楽しそうだね〜」
「こういうのは平和だな」
午後。
作業も終盤に差し掛かる。
「だいぶ形になってきたな」
「完成率87%」
「数字で出すな」
そのとき、廊下から声。
「おーい、生徒会!」
天城修也が顔を出す。
「お疲れ」
「手伝いに来たよ」
「助かる」
「いや、見回りのついでだけどね」
軽く笑いながら中へ入る。
「順調そうだね」
「まぁな」
修也は装飾を見回す。
「いい感じだ」
「そうか?」
「うん、ちゃんと“学園っぽい”」
その言葉に少しだけ安心する。
夕方。
「今日はここまでだな」
「片付け終了」
「お疲れ〜」
クラスメイトたちが帰っていく。
レンも荷物をまとめる。
「主様」
ソレイナが静かに言う。
「本日の作業、問題なく完了しました」
「おう」
「平和ですね〜」
ユシルが伸びをする。
「こういう日が続けばいいのに」
「同意します」
アヤネも頷く。
校門を出ると、夕日が沈みかけていた。
「文化祭か……」
「楽しみですね、主様」
「まぁな」
でもどこかで分かっている。
この“準備期間”も、ただの穏やかな時間では終わらないことを。
それでも今は――
少しだけ笑って歩いた。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




