第三十九話 「地下迷宮と操りの核」
俺は神代レン。
普通の高校生――だったが。
スキル《神核生成》で炎の擬神ソレイナが現れ、
自然の擬神ユシル、操りの擬神アヤネも加わり、
そして生徒会に入ることになった。
――地下。
アヤネが作り出した“階段状の地形”を降りていく。
「暗いな……」
レンが呟くと、ソレイナが小さく手を掲げる。
「――《紅蓮灯火》」
炎がふわりと浮かび、周囲を照らす。
「便利だな、それ」
「当然です、主様」
地下空間は、想像以上に広かった。
コンクリートでも岩盤でもない。
まるで“何かに作り替えられた空間”。
壁には無数の線が走り、脈動している。
「気持ち悪いね〜ここ〜」
ユシルが軽く身震いする。
「……生体反応のようなものを感じる」
アヤネが静かに言う。
「生体……?」
咲夜が眉をひそめる。
「はい。地面そのものが“制御対象”として扱われています」
「つまり……この地下全部が武器ってことか」
レンが呟く。
その時だった。
ゴゴゴゴゴ……
前方の壁が動く。
「来る!」
ドンッ!!
岩の腕が再び飛び出す。
「ソレイナ!」
「――《紅蓮斬・改》」
炎の斬撃が走る。
ズバァッ!!
腕が一瞬で焼き切れる。
だが――
「再生速度、上昇してる……!」
咲夜が声を上げる。
「キリがないぞこれ……!」
レンが舌打ちする。
「アヤネ!」
「はい」
アヤネが前に出る。
「構造解析――開始」
地面に触れる。
「……やはり」
「どうだ?」
「この地下全体に“核”があります」
「核……?」
「はい。制御中枢です」
ユシルがぽつりと呟く。
「それ壊せば終わり〜?」
「はい」
「なら話早いな」
レンは拳を握る。
「場所は?」
アヤネは少しだけ目を細めた。
「さらに下層」
「まだ下かよ……!」
その瞬間。
ドォン!!!
天井が崩れる。
「上から!?」
巨大な岩塊が落下してくる。
「ユシル!」
「はい〜……」
――《翠壁》!
植物の壁が展開し、岩を受け止める。
「ソレイナ!」
「了解です」
炎が壁を貫き、落下物を焼き払う。
「アヤネ、進路!」
「生成します」
地面が割れ、さらに下へ続く道が開く。
「ほんと便利だな……」
レンは苦笑しながら進む。
だが――
「主様」
アヤネの声がわずかに変わる。
「……何かいます」
空気が変わった。
温度ではない。
“意志”のようなもの。
そして――
暗闇の奥で、声がした。
「ようこそ」
低く、歪んだ声。
「ここが“管理区域”だ」
レンは目を細める。
「……いるな」
ソレイナが剣を構える。
ユシルの空気が変わる。
アヤネが一歩前へ。
「主様、危険度上昇」
「分かってる」
レンは前を見る。
暗闇の奥。
そこにあるのは――
“人の形をした影”。
そしてその背後には、無数の操られた地形。
「……トランセンド・ラボ」
レンが呟く。
影が笑った。
「正解だ」
「ここから先は――実験領域だ」
地下は、さらに深く牙を剥き始めていた。
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次回もお楽しみに




