第四十話 「調査対象『神代レン』」
俺は神代レン。
普通の高校生――だったが。
スキル《神核生成》で炎の擬神ソレイナが現れ、
自然の擬神ユシル、操りの擬神アヤネも加わり、
そして生徒会に入ることになった。
――地下・実験領域。
「実験領域?」
レンが呟く。
闇の中に立つ“影”は、静かに笑った。
「あぁそうだ」
「それに、ちょうど調査対象も来たところだ」
「調査対象……?」
咲夜が眉をひそめる。
影は肩をすくめるように言った。
「そのままの意味だ」
「そこにいる幼女三人」
空気が一瞬で冷える。
「『異能学園高等学校』での戦い」
「我々は観測していた」
「凄まじい異能だ」
影の視線がレンへ向く。
「そちらも気になる」
「だが――上層は貴様に目をつけた」
レンの背中に、冷たいものが走る。
「神代レン」
「そして、その三人が主様と呼ぶ存在」
影の声が歪む。
「どんな力か」
「どんな異能か」
「気になってしょうがない」
そして――
「……クククッ」
「ククククククッ……!」
笑いが広がる。
「さぁ!」
「思う存分――殺し合おうではないか!」
空気が爆ぜる。
「下がって!」
咲夜が叫ぶ。
「《雷装展開》!」
バチィィッ!!
全身に雷光が走る。
「《閃雷駆》!!」
一瞬で距離を詰める。
ドンッ!!
「っ……!?」
だが――
影の体が“揺れない”。
まるで攻撃が通っていないかのように。
「やるではないか」
影がゆっくりと手を上げる。
「だが」
「闇の力は全てを取り込む」
「異能――《暗黒領域》」
その瞬間。
空間が“沈んだ”。
光が、音が、存在が――吸い込まれていくような感覚。
「全てを飲み込み」
「全てを侵す」
「究極の異能だ」
咲夜が後ろへ弾かれる。
「くっ……重い……!」
「おっと」
影が軽く笑う。
「自己紹介がまだだったな」
ゆっくりと、フードが揺れる。
「私は“研究局・実験監督官”」
「コードネームは必要ないが――」
「ここではこう呼ばれている」
影は、レンを見た。
「“調査員”と」
レンは拳を握る。
「……調査、ね」
ソレイナが炎を揺らす。
ユシルが地面に手を置く。
アヤネが静かに前に出る。
「主様」
「状況、劣勢」
「分かってる」
レンは影を睨む。
「でもな」
「調査される側ってのは――」
拳に力がこもる。
「嫌いなんだよ」
その瞬間――
ソレイナが炎を纏う。
ユシルが地面を活性化させる。
アヤネが空間構造へ干渉を始める。
三人の擬神が、同時に動いた。
そしてレンは一歩踏み出す。
「行くぞ」
地下の闇が、さらに深く揺れた。
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次回もお楽しみに




