第二十三話 「4人でパトロール」
俺は神代レン。
普通の高校生――だったが。
スキル《神核生成》で炎の擬神ソレイナが現れ、
自然の擬神ユシルも加わり、
そして生徒会に入ることになった。
『異能学園高等学校』校門前。
「おまたせ、」
月影詩乃が静かに現れる。
「お、やっと来たか」
神代レンが軽く手を振る。
「遅かったですね、なにしてたんです?」
ソレイナが首をかしげる。
「ちょっとあのあと、先生に呼ばれて仕事を頼まれちゃって……」
「それなら〜仕方ないねぇ〜〜」
ユシルがふわふわ浮きながら、眠そうに言う。
「まぁ、いい、行くぞ」
レンが歩き出す。
「うん……」
月影も静かに続いた。
◇◇◇
町中。
人通りはそこそこあり、車も行き交っている。
一見すれば、ただの平和な日常。
「こうしてみると、平和だな」
レンがぽつりと呟く。
「だねぇ〜〜〜」
ユシルが空中でくるくる回る。
「平和が一番いいですが、そううまくは行きません」
ソレイナが静かに言う。
「うん……」
月影は小さく頷くと、抱えていた本をぎゅっと強く抱きしめた。
「その本、なんですか?」
ソレイナが問いかける。
「……ただのノート」
月影は少しだけ視線を落とす。
「これにいろいろ書くの」
「大事そうだな」
レンが言うと、月影は小さく頷いた。
「うん……大事……」
「勉強するのにも使うし……便利……」
その言葉は淡々としているが、どこか強い“こだわり”を感じさせた。
「へぇ」
レンは少しだけ興味を持つ。
「何書いてるんだ?」
「……いろいろ」
「いろいろってなんだよ」
「いろいろは、いろいろ」
「説明になってねぇ」
ユシルがふわ〜っと横から覗き込む。
「ノート〜……いっぱい書くの〜?」
「うん……忘れないように……」
「へぇ〜……えら〜い……」
「お前は覚えろ」
レンが即ツッコミ。
その時だった。
――ピリッ。
空気が、わずかに変わる。
「……?」
ソレイナの目が鋭くなる。
「主様」
「わかってる」
レンも足を止める。
「今の、なんだ?」
ユシルがふわりと浮かびながら、空を見上げる。
「……ちょっと、いやなかんじ……」
月影も本を抱えたまま、周囲を見回す。
「……いる」
「どこだ?」
レンが問いかけた、その瞬間――
遠くの路地裏で、何かが“揺れた”。
「……あそこか」
ソレイナが一歩前に出る。
「主様」
「行くぞ」
レンは即答した。
「4人でパトロールって言ったろ」
「なら、対応も4人でだ」
月影は静かにノートを閉じる。
「……行く」
ユシルは眠そうにしながらも、ほんの少しだけ目を開けた。
「……おしごと〜……?」
「そうだ」
そして4人は、ゆっくりと路地裏へ向かう。
平和に見えた町の裏側で。
確実に、“何か”が動き始めていた――。
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