第十二話 訓練の終わり、日常の帰り道
俺は神代レン。
普通の高校生――だったが。
スキル《神核生成》でソレイナという擬神を生み出し、
そして生徒会に入り、今は訓練の真っ最中だ。
「はぁ……っ、はぁ……」
肩で息をする。
体が重い。
頭もぼんやりする。
「今日はここまでにする」
天城修也の声が響いた。
「……助かった……」
思わずその場にしゃがみ込む。
「情けないわねぇ」
朝比奈咲夜が呆れたように言う。
「初日なんだから勘弁してくれ……」
「まぁ、最初にしては上出来よ」
意外にもフォローが入る。
「……マジで?」
「ええ」
氷室凛が頷く。
「擬神との連携も、完全ではないけど形にはなっている」
「主様」
ソレイナが隣に立つ。
「お疲れ様です」
「……ありがとな」
その一言で、少しだけ疲れが軽くなる気がした。
「神代」
天城がこちらを見る。
「今日の訓練で分かったことは?」
「……」
少し考える。
「俺の力は……まだ全然使いこなせてないってこと」
「それだけじゃないだろう」
「……あと」
ソレイナを見る。
「一人じゃない、ってことかな」
小さく言う。
「……」
一瞬の沈黙。
「いい答えだ」
天城が静かに頷いた。
「今日は解散だ」
「また明日、同じ時間に来い」
「了解……」
正直、体が悲鳴を上げている。
更衣室で軽く整えてから、施設を出る。
外に出ると――
「……夕方か」
空がオレンジ色に染まっていた。
「お疲れ様」
隣に氷室が並ぶ。
「ありがと……って、まだ一緒に帰るのか?」
「監視対象……じゃなくて、仲間だから」
少しだけ言い直した。
「……そっか」
校門を出て、通学路を歩く。
昼間の騒がしさとは違って、静かな時間。
「主様」
ソレイナが一歩後ろからついてくる。
「本日の訓練、非常に有意義でした」
「そう言ってもらえると助かる」
「でもさ」
ふと、口にする。
「これ、毎日やるのか……?」
「当然よ」
氷室が即答した。
「強くならないと意味がないでしょ」
「……ですよねー」
空を見上げる。
夕焼けの向こうに、少しずつ夜が近づいている。
普通の高校生なら、部活帰りとか、友達と遊んだりとか。
でも俺は――
「……まぁ、悪くないか」
ぽつりと呟く。
「主様?」
「いや、なんでもない」
隣には仲間がいて。
後ろには、守ってくれる存在がいる。
それはきっと、普通じゃないけど。
――悪いものでもない。
こうして、訓練の一日は終わり。
俺は、少しだけ変わった日常へと帰っていくのだった。
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