第十一話 訓練開始
俺は神代レン。
普通の高校生――だったが。
スキル《神核生成》でソレイナという擬神を生み出し、
そして気づけば生徒会に入り、訓練をすることになった。
「……ほんとに来ちまったな」
生徒会指定の訓練施設。
校舎の地下に広がる、広大な空間だった。
壁は特殊な素材で覆われ、どれだけ力を使っても崩れないらしい。
「遅いわよ、新入り」
朝比奈咲夜の声が飛んでくる。
「時間通りだと思うんだが……」
「細かいことはいいの」
軽く流された。
「では始める」
天城修也が前に出る。
「今日の訓練は単純だ」
視線が俺とソレイナに向く。
「擬神の制御と連携。実戦形式で行う」
「実戦……って、また戦うのか?」
「安心しなさい」
氷室凛が淡々と言う。
「今回は“模擬戦”よ。殺し合いじゃない」
「それ聞くと逆に不安なんだが」
「主様」
隣でソレイナが静かに立つ。
「準備はできています」
「ああ……頼む」
正直、頼るしかない。
「では開始」
天城の声と同時に、空気が変わった。
――ゴォッ!!
ソレイナの周囲に炎が噴き上がる。
「《紅蓮纏剣》」
すでに戦闘態勢。
そして――
「行くわよ」
朝比奈が前に出る。
その手には、光の粒子が集まり始めていた。
「《雷速弾装》」
バチッ――!!
空間を裂くような速度で弾丸が放たれる。
「主様」
ソレイナが一歩踏み出す。
「下がっていてください」
「いや、見てるだけってわけにも……」
言いかけた瞬間。
――ズンッ!!
衝撃音。
氷室が地面に手を置いていた。
「《氷壁展開》」
瞬時に氷の壁が生成される。
雷撃と炎がぶつかり合い、空間が揺れる。
「……やっぱり、桁が違うな」
思わず呟く。
これが生徒会。
この学園の“上位層”。
「神代レン」
天城の声が響く。
「お前はまだ“使う側”に慣れていない」
「……ああ、分かってる」
「ならまずは理解しろ」
ゆっくりと続ける。
「お前のスキルは“呼び出す”だけじゃない」
「……?」
「“繋ぐ”力だ」
その言葉に、少しだけ違和感が残る。
「主様」
ソレイナが振り返る。
「私たちは、主様と共にあります」
「……ああ」
その言葉だけで、不思議と安心する。
「続けるわよ」
氷室の声。
訓練はさらに激しさを増していく。
炎と氷。
雷と風。
そして擬神と人間。
そのすべてがぶつかり合う空間で――
俺は確かに感じていた。
まだ知らない“力の片鱗”を。
そして、その先にある何かを。
こうして、訓練は続いていく。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




