第百四話 戦力の先にあるもの
俺は神代レン。普通の高校生、だったがスキル《神核生成》というスキルでソレイナと言う炎の擬神がでてきて俺の普通は終わった。そして、生徒会に入ることなりユシルと言う自然の擬神を召喚しそして次に操りの擬神アヤネが新たな仲間になった。そして、海洋の擬神フリートを召喚した。
異能学園高等学校。
朝のホームルームが終わり、一時間目、二時間目と授業は進んでいく。
窓の外では風が木々を揺らし、生徒たちの声が校庭から微かに聞こえてくる。
レンはノートへ視線を落としていた。
以前の自分なら居眠りしていたかもしれない。
しかし最近は違う。
戦い。
修行。
擬神たちとの生活。
そして生徒会。
様々な経験が少しずつ彼を変えていた。
授業が終わる。
休み時間。
クラスメイトたちが騒ぎ始める。
レンは窓際で軽く伸びをした。
その横にはソレイナ。
後ろにはユシル。
アヤネは本を読んでいる。
フリートは外を眺めていた。
「平和ですね」
フリートの言葉にレンは頷く。
「あぁ」
ソレイナも周囲を見回した。
「こういう時間は大切です」
「確かにな」
ユシルは机へ突っ伏している。
「ねむい〜」
「授業中も寝てただろ」
「ばれた〜?」
「ばればれだ」
アヤネが本を閉じる。
「主様、ユシルに常識を求めてはいけません」
「それもそうか」
「ひど〜い」
しかし全員が否定しなかった。
昼休み。
レンたちは生徒会室へ向かう。
いつものメンバーが揃っていた。
天城修也。
氷室凛。
朝比奈咲夜。
月影詩乃。
そしてレンたち。
すっかりいつもの光景になっている。
咲夜が大きく手を振った。
「おー!来た来た!」
「うるさい」
凛が即座に突っ込む。
「えぇ〜」
詩乃は静かに本を読んでいた。
修也は机に積まれた書類を見ながら苦笑する。
「今日も多いな」
「毎日言ってるわね」
「事実だからね」
レンも自分の席へ座った。
生徒会の仕事が始まる。
書類整理。
確認作業。
申請書の分類。
地味だが大切な仕事だった。
しばらく静かな時間が流れる。
ペンが走る音だけが響く。
そんな中。
ユシルがふと口を開いた。
「たいくつ〜」
「働け」
レンが即座に言う。
「えぇ〜」
「えぇじゃない」
アヤネも呆れている。
フリートは苦笑した。
ソレイナだけは微笑んでいる。
慣れているのだろう。
その様子を見ていた咲夜が笑う。
「なんか家族みたいだよね〜」
「家族……ですか」
ソレイナが少し考える。
フリートも小さく笑った。
「そうかもしれません」
「主さんのお家、すごく温かいですし」
レンは少し照れくさくなった。
「急に何言ってんだ」
「事実だよ〜」
咲夜は楽しそうだった。
午後も平和に過ぎていく。
大きな事件もない。
敵も現れない。
異能犯罪の報告も少ない。
生徒会としては理想的な一日だった。
やがて放課後。
生徒会室には夕日が差し込んでいた。
窓から入る橙色の光が部屋を染める。
仕事もほとんど終わっている。
全員が一息ついていた。
その時だった。
修也がふと窓の外を見ながら口を開く。
「なぁ」
全員の視線が集まる。
「どうしたの?」
凛が尋ねる。
修也は少し考えてから言った。
「最近思うんだ」
「何を?」
咲夜が首を傾げる。
修也はレンを見る。
そしてソレイナたちを見る。
「戦力についてさ」
その言葉に空気が少し変わった。
レンも真面目な表情になる。
「戦力?」
「あぁ」
修也は椅子へ座り直した。
「今は平和だ」
「そうね」
凛も頷く。
「だが敵が消えたわけじゃない」
誰も反論しなかった。
トランセンド・ラボ。
黒コートの男。
執行官。
まだ解決していない問題はいくつもある。
修也は続ける。
「レン自身も強くなっている」
「まぁな」
「ソレイナたちもいる」
四人の擬神が頷く。
「だが――」
修也は静かに言った。
「そろそろ戦力を増やした方が良いかもしれない」
生徒会室が静まり返る。
真っ先に反応したのは咲夜だった。
「おぉ〜!」
凛は額へ手を当てる。
「興奮しない」
「だって気になるじゃん!」
詩乃も視線を上げた。
「新しい擬神……」
ユシルは目を輝かせる。
「仲間増える〜?」
フリートも少し嬉しそうだった。
「どんな子でしょう」
アヤネは腕を組む。
「問題は主様への負担ですね」
ソレイナも頷く。
「神核生成は万能ではありません」
レンは頭を掻いた。
「簡単に言うけどな……」
修也は苦笑する。
「もちろん無理にとは言わないさ」
「だろうな」
「ただ、可能性の話だ」
夕日が差し込む。
長い影が床へ伸びる。
その時。
レンは気付かなかった。
右腕。
炎の紋様。
そこが一瞬だけ微かに光ったことを。
誰も気付かなかった。
だが。
遠く。
現実とは異なる静かな場所。
水面だけが広がる世界。
そこでは――。
暗闇の奥。
誰かが静かに目を開いていた。
そして。
小さく微笑む。
まるで。
その時が近付いていることを知っているかのように。
生徒会室ではまだ誰も知らない。
新たな出会いが。
すぐそこまで迫っていることを。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




