第百一話 願いを待つ者たち
俺は神代レン。普通の高校生、だったがスキル《神核生成》というスキルでソレイナと言う炎の擬神がでてきて俺の普通は終わった。そして、生徒会に入ることなりユシルと言う自然の擬神を召喚しそして次に操りの擬神アヤネが新たな仲間になったそして、海洋の擬神フリートを召喚した。
現実とは異なる静かな空間。
空もなく。
大地もなく。
ただどこまでも広がる水面。
揺らめく鏡のような世界。
そこには神代レンの姿が映っていた。
その姿を見つめる複数の影。
黒フードの少女が静かに呟く。
「マスター......召喚の時を待っています......」
氷のようなフードの少女が微笑んだ。
「あら、」
黒フードの少女が顔を上げる。
「リーダー......」
「願い続けるのは結構大変よ。願いはすぐ形になるものじゃないから」
「うん、わかってる......」
氷のようなフードの少女は優しく頷いた。
「ですが、いつかは皆召喚されますよ」
黒フードの少女の瞳が少しだけ明るくなる。
「......本当に?」
「えぇ」
静かな声だった。
だがそこには確かな確信があった。
水面に映るレンの姿。
その周囲には炎。
自然。
操り。
海洋。
すでに四柱の擬神たちが存在している。
まだ空いている場所。
まだ埋まっていない席。
それを見つめながら氷のようなフードの少女は静かに微笑んだ。
「時は流れています」
「......うん」
「焦る必要はありません」
「......待つ」
「それで良いのです」
水面に小さな波紋が広がった。
まるで遠くの世界で誰かが歩いたように。
そして。
景色は現実へと移る。
夕暮れ。
学校帰りの道。
異能学園高等学校からの帰り道だった。
神代レンは両手を頭の後ろに組みながら歩いていた。
その周囲には四人の擬神。
ソレイナ。
ユシル。
アヤネ。
フリート。
夕日が街を赤く染めている。
ユシルがふわふわと浮きながら空を見上げた。
「きれいだねぇ〜」
フリートも頷く。
「海みたいな色です!」
「確かに」
レンも空を見上げる。
雲は赤く染まり。
ゆっくりと流れている。
ソレイナが静かに歩きながら言う。
「平和ですね」
「そうだな」
レンは頷いた。
最近は大きな事件もない。
戦闘もない。
生徒会も平和。
学校も平和。
こんな日々が続くなら悪くない。
そう思えた。
アヤネが前方を見る。
「主様」
「ん?」
「コンビニがあります」
「あるな」
「アイスが売っています」
「売ってるな」
「食べたいです」
「お前かよ」
レンは思わず突っ込んだ。
フリートが驚く。
「アヤネさんってアイス好きなんですか?」
「好きです」
即答だった。
ソレイナも少し驚いている。
「初耳ですね」
「言ってませんでしたから」
ユシルが嬉しそうに笑う。
「じゃあ〜みんなで食べよ〜」
「それもいいですね!」
フリートも賛成する。
レンはため息を吐いた。
「仕方ないな」
四人の顔が明るくなる。
結局。
レンは四人分のアイスを買うことになった。
店の前。
ユシルはベンチに寝転がる。
「おいしい〜」
フリートは小さく頬を緩める。
「幸せです〜」
アヤネは無言で食べている。
しかし妙に機嫌が良さそうだった。
ソレイナは上品に食べていた。
レンはそんな様子を見ながら笑う。
「お前ら本当に仲良くなったよな」
四人は顔を見合わせた。
そして。
少しだけ笑った。
最初は違った。
それぞれ性格も違う。
考え方も違う。
だが今は違う。
同じ主を支える仲間。
同じ家で暮らす家族のような存在。
ソレイナが言う。
「皆、大切ですので」
フリートが頷く。
「はい!」
ユシルも笑う。
「仲間だも〜ん」
アヤネも静かに言った。
「その通りです」
レンは少し照れ臭くなった。
だから視線を逸らす。
「そうかよ」
四人はそんなレンを見て微笑む。
夕暮れの風が吹く。
街路樹が揺れる。
どこにでもある帰り道。
どこにでもある平和な時間。
だが。
その時間はレンにとって特別だった。
少し前までは想像もしなかった日々。
仲間がいて。
笑い合えて。
帰る場所がある。
それだけで十分だった。
フリートが空を見上げた。
「もうすぐ夜ですね」
「あぁ」
「今日は星が見えるでしょうか」
ユシルも空を見る。
「見えるといいねぇ〜」
ソレイナが頷く。
「そうですね」
アヤネも静かに空を見上げた。
レンもつられて見上げる。
夕日が沈んでいく。
空は少しずつ紫色へ変わっていた。
その光景を見ながら。
誰も急がなかった。
平和な時間を。
穏やかな帰り道を。
少しでも長く味わうように。
五人はゆっくりと神代家への道を歩いていくのだった。
ここまで読んでくれてありがとうございます。
次回もお楽しみに




