過去を思う
天使と彼が書類を終えて部屋から出てくる。
ねぎらいの言葉を掛けながら雑談をする。
「やっと書類が終わったよ。そうだ、彼女の名前が決まったんだ。」
天使の方を見る。
「そうですね。今日から、円になりました。」
円か、少し古風にも感じるがいい名前だ。
それにしても円か、まさかAndelからエンで円で円…いやさすがに違うだろう。
そう思ったが、彼が目線を外したのを見逃さなかった。
天使改め円さんはここで暮らすことになったようだ。
もう今日は遅いので明日改めて歓迎会を開くことになった。
ーーー次の日
円さんの歓迎会を開くことになった。
もちろん愉快な連中も集めて昼ご飯の時間に開かれた。
円さんは肌の色といいその整った容姿といいとても魅力的ではあるが少し話しづらい。
話しかければちゃんと返答してくれるし、社交性も高い。
どこか高嶺の花な彼女ではあるが、歓迎会ということで今ははっちゃけている。
彼らは声を掛けてはいるものの鼻の下を伸ばすような人がいない。
それでも盛り上がっているところを見ると対人関係に極端なまでに理性的になっているのだろう。
警備会社やそれに類するような仕事をしている人もいるだろうが、全員が訓練された傭兵のような態度である。
それを感じたのか、円さんが声をかけてきた。
「今日はパーティーを開いてくれてありがとう。君には本当に感謝をしてるよ。
もし、あそこで拾われなかったら今頃は死んでただろうね。」
出会ってから二日ほどなのに、前にも会ったような気がする。
それほどまでに話しやすい相手ということなのだろう。
「それにしても、あの人たちはすごいね。あそこまで統制が取れている軍隊はそうないよ。」
勘違いしているようなので、彼らは軍属ではなくあくまでも彼を慕う人であり、縁あってこの空間をよく使っているだけの人であるという旨を伝える。
「そうなんだ…精鋭部隊かと思ったけどそうじゃないんだ。
話してて視線がある意味では自然な動きをしないで、理性によって制御されているような動きをしてたしすごい人たちなのかと思ってた。」
彼らは彼らなりに努力を重ねていることを伝える。
元囚人である彼らにとって、再犯をしないために精一杯の努力をどれほどしたのかは僕にはわからない。
それでも普段から彼らの努力のすごさは身に染みて理解させられた。
あの出会いからもう半年になろうとしている。
この世界に来てからも半年になるのか…
名前を考えるのが一番大変
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