ギルド対抗戦
動かざること山の如し。
武田信玄が有名だが、孫子に由来する戦の極意とされている。
後の先、後出しじゃんけん、あとから動いた方が相手の出方を見れるためマウントを取り返しやすいという考えは昔からある。
だからと言ってゲームの中で動かないでひたすら待つのはつらいものがある。
武器のメンテナンスや雑談をしつつ偵察に行ったプレイヤーを待つ。
ギルドで集まってのイベントは初めてなので初めて会うギルドメンバーも数人いる。
このゲームの初期からやっているプレイヤーも数人いてかなり古いギルドのようだ。
トップギルドと呼ばれていたころもあったようだが今はメンバーのイン率も下がってきてほぼ昔の仲間たちの帰る場所として残している場所になっているらしい。
だから僕みたいに新規で入ってくる人は歓迎してくれるらしい。
しばらく雑談をする。
このゲームの歴について聞いたり、おいしい狩場を聞いたり、装備の更新のシステムについて聞いたり。
なんだかんだ時間をつぶしていると、偵察チームが返ってきた。
一気に空気が引き締まる。
「敵の情報を地図に送る。
いつもみたいに、個人個人が臨機応変に対応する感じで。」
リーダーである彼の言葉に静かに皆がうなずいて解散になった。
は?
それならなぜこんなに待ったのだろうか。
状況は理解できないものの、地図を開きながら敵の情報を見る。
地図には味方の位置はリアルタイムで更新されるようになっており、敵の情報は観測結果と移動の予測位置が示されている。
確実に一番弱い僕は敵の一番弱いプレイヤーの集団を狙う。
確実に不意打ちできるように気を付けながら地図が示すとおりに、相手の後ろから奇襲をかける。
明らかに自分よりも強そうな武器や装備をしているプレイヤーでもしっかりと急所を狙って攻撃を入れることで、ダメージに補正がかかって難なく倒すことができた。
そのあとも何人かを倒したところでイベント終了となった。
途中味方に助けられることもあったが明らかに自分より上のプレイヤーを刈るのは楽しかった。
後から聞いた話だが、トップギルドと呼ばれていたころ、同じようなイベント形式で大量虐殺をした結果、運営側にチート容疑の通報が大量に届いたらしくそれ以来事前準備なしで地図作成をイベントが始まってから行うことにした結果時間がかかるようになったらしい。
今でも最初から全力を出すと、ゲームのインフレもあって一方的な展開になることが予想されるので残っている風習なんだとか。
この戦術の有用性は使った自分だからこそよくわかる。
こんなものを事前に準備して最初から使えるようになってたら実力の差が簡単にひっくり返ってしまう。
現に僕がそれをしていたわけだ。
どうやって作るのかを聞いてみたところ大量のコードが出てきてあきらめた。
戦略次第と準備次第で戦局が変わってしまう恐ろしさを味わった。
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