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第3章 揃い踏み

「あの後ろの奴らの為に取っておきたがったが仕方ねえ。」


「「甦血」」


戦士たちの体に鱗が生え、爪、牙が大きく鋭利になる。

一族でも限られた者しかたどり着けない境地。龍の末裔と言われる所以。


「お前ら、さっさと終わらせんぞ。」


「こっちも負けてらんないよ。」


4番隊隊長ローヴも士気を上げていく。


龍尾

挿絵(By みてみん)

白炎で大きな龍の尾を出現させ、敵へと叩きつける。




前線の戦いが激しくなっていく中、後方でも戦いが始まろうとしていた。


ジェラードが睨みつけているのは、バンボ―に似た大量の敵。その最前列に立つ一際大きい者。


「お前か?バンボ―のところの本当の王は。」


「ああ。我が一族ゼネジェイ。王のクトーだ。」


「バンボ―からあっちの気持ち悪い奴の力を感じたが、あいつを差し出したのか?」


「仕方のなかったことだ。この戦争の貴重な、尊い犠牲だった。」


彼自身の性格か一族の伝統か

仲間を捨てるようなやり方にイラつき歯を食いしばる。


「そうか・・・・。」

マントを脱ぎ体全身に力を入れる


「「歸神」」


体に背びれが生え、皮膚の色が変わっていく。

海の一族、本来の姿。


「いくぞ。」


静かに、しかし力強く背後の仲間たちに言うと走り出した。


「はははははは。ずいぶんと機嫌が悪そうだな。お前たち・・かかれ。」


合図とともにゼネジェイの兵士たちが走り出す。


両軍がぶつかる数十メートル前でジェラードはスピードを落とし、拳を固め力を溜めおもいっきり前へ突き出す。


数秒後



兵士達の真ん中へ向け、爆発にも似た衝撃が走る。

何人もの兵士がはじけ飛んで、左右へと分けられた。

「クトーと言ったな。王ならばお前が来い。」


ジェラードの一撃は、クトーへ1本の道が通ったように兵士達がいなくなった。


(なんだ?今のは?)

「・・・・。何をしているお前たち。・・・さっさとかからんかー。」


動きが止まっていた兵士は王の声に反応すると再び動き出した。


「くそが。」






「ここら辺でいいか。」


戦場から少し離れ、草原へと移動したウェイドとザムー。

「なるほど。死ぬにはいいところだな」


「うるせえな。」


「「甦血」」


「ほう。魔力を扱えるのか」


ザムーが言い終えると同時にウェイドは、空中にいるザムーの背後へと移動し攻撃を仕掛けた。


(もらった)

完璧に捉えたと思ったが、なにかがウェイドの右手をつかむ。


「なに?」



ザムーの背中からマントを突き抜け触手が伸びていた。振り向いて、にやっと笑う。


「くく、そう慌てるなよ。」


慌てて触手を引きちぎろうとすると、ぐるぐると回され地面へと叩きつけられる。


「くそ。また気持ち悪くなりやがった。」


「なかなかやるようだな」

ウェイドに右手をかざす。そして、人の頭ほどの黒い塊を作り合図とともに放たれた。


早いが躱すのには苦労はしない程である。

数発放ち当たらないと判断すると、両手をかざす。手の周りにそれぞれ4つの黒い塊が現れる。


「これならどうだ?」

放たれた後も次々に現れ、無数の黒い塊が放たれていく。



挿絵(By みてみん)

「多すぎだろ・・。」


何発かは躱したがしばらくすると、顔に直撃する。そして、次々と襲い掛かり辺り一面に砂煙が舞い上がった。

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