第3章 戦闘開始
数日後、ガイヤルドに緊張が走る。
監視を行っていた海の一族の副士団長のマルシャラが必死の形相で帰ってきた。
「はあ、はあ、ジェラード、来たぞ。」
「わかった。」
間髪いれずに答えた。
そして、この情報は各一族の長から次々に伝わっていった。
ガイヤルド周辺に数百もの戦士達が立つ。
はじめての、大規模な戦い。それぞれ心境はさまざま。
「武者震いがとまらねえぜ。くるなら早く来い。」
オルガは唯一笑顔で待ち構えている。それを見た、ジェラード、ウェイドも少し笑う。
「ははっ、頼もしいな」
「本当にな。この状況を楽しんでやがる。」
数分もしないうちに奴らが来た。
青白い顔、それに頭の形も大小形も様々。お揃いの黒マント。
ゆらゆらと空中に浮いている。数は少なく数十人。
丸い頭でかなり小さい者が前に出る。
「初めまして、南の大地の諸君。」
「・・・・(気味が悪いな)。」
「くく。言葉もわからぬか。まあよかろう。我らは、カリエヌ。西の大地を支配している種族だ。急な話だがこの地を支配させてもらう。君たちはどうする?奴隷となるか死ぬか?」
「うおおおおおおおおおおお」
「行くぞおおおおお前らあああ」
オルガが吼える。
その鼓舞に瞬時に森の一族たちが反応する。
彼らが戦闘態勢に入る。全身の筋肉が盛り上がり、体毛が生える。
一気に彼らを中心に風が吹き出した。
「ククク。ここも愚かな種族なようだな。よろしい。開戦だ。」
その者は、両手を地面に向ける。すると、数か所の地面から黒い煙が溢れ出す。
「なんだ、あれは?」
煙の中から何かが動き出す。数メートルの岩の巨人。さらに、両腕が異様に発達し地面に接触しようかというぐらいだ。
「ぬはは。これは、北の大地で手に入れた奴隷でな。なかなかに強いぞ」
なにが起きたかわからぬ戦士は立ち尽くす。しかし、数人はすでに動き出していた。
もっとも早く動いたのはロドリゴダンカ-ク。右ストレートを腹に食らわせ吹き飛ばす。
「オラあああ。立ち止まるな、お前ら」
龍の一族、第3部隊ボルドーも負けずに叫ぶ。
「こっちも負けらんねえぞ。」
各戦士が叫び、戦う。そんな中、ウェイドは引っかかった事があった。
「ん~」
(北の大地で、奴隷?操れんのか?)
海の一族も数体の巨人に向け戦っていた。その戦況をジェラードは眺めていた。
「なぜ、奴ら自身でこないんだ」
(北の大地を支配できるほどの力があるはずなのに)
ひた、ひた、ひた
意思のないように、何かに取り憑かれたように動く者がいた。
ひた、ひた、ひた
「やっぱり、なにかおかしい。奴ら戦う気がないのか?」
ジェーラードもなにかおかしいと考えている。
「ん~」
立ち上がり、周辺を見渡す。いまだ数人は空中で浮遊しているカリエヌ。
そいつらに、話しかけようと息を吸い込むと
瓢箪を逆さにしたようなカリエヌの一人がこっちを向いて話しかけてきた
「なにかね?」
「うっ。お前らはなにを考えている?」
「ぬふ。馬鹿にはわからんよ。」
「なに?」
「例えば~~。う・し・ろ」
「!?」
「ジェラードさーん」
ジェラードと一緒に待機していたサモロアが強い口調で叫び、後ろから突き飛ばす。
「いて。どうしたサモロア?」
立ち上がり、後ろ振り返る。一気に血が引いていく。
口よりも先に体が動いた。全力でそいつを殴り飛ばす。それはなんバウンドもし転がっていった。
「なんのつもりだバンボ――」
サモロアは力なく倒れる。
「ジェラードさ・・ん」




