第三話保護猫二匹お迎えしよう!
どんな人にでも疲れた時は癒しがほしいと思うのが世の摂理!
保護猫二匹お迎えしよう?と首を傾げるノーネーム。説明を見ているとどうやら保護猫ちゃんたちは様々な多種多様な様子を見せてくれるとのこと。色んな様子を見て学ぶのかと納得したノーネームは奥の部屋へと入る。シロが入ると威嚇し合っていたり、距離を取ったり様々な様子を見せてくれた。
「(なるほど…もしかして縄張り意識が強い感じか?だから相性のいい保護猫を選べというクエストが出てきてもおかしくねぇ。)」
シロを観察すること三十分経過、するとシロに近寄る猫二匹がいた。まるでシロに甘えるように擦り寄っていた。どうやらシロは成猫たちの育ての親だったようで懐いてる様子。
「…一緒についてくるか?」
「にゃっ。」
「にぃ。」
こうして茶トラと三毛猫が仲間になった。名付けタイムの時間がやって来ました。
「トラとミケで。」
シンプルが一番。という訳で茶トラはトラ。三毛猫はミケちゃんと名付けられた。そして次のクエストが発注された。
「触れ合い部屋にシロ、ミケ、トラを連れていこう…なるほどクエストクリア報酬は保護猫たちのプロフィール張り紙を絵で描いてくれるのか。助かる。」
どういう保護猫なのかを書かれたプロフィール、文字ではなく絵でかいてあるので文字が読めなくても分かりやすい仕様のプロフィール張り紙。ノーネームは文字が読めるがお客さんの中に文字が読めなければ意味がないのだ。シロ、ミケ、トラの三匹はノーネームの後ろを着いていく。触れ合い部屋で自由に行動し始める。シロがキャットタワーを登ったり、ミケがトラと一緒になって寝床で眠っていた。
「…本当に張り紙が出てきた。不思議なもんだ。」
こうして開店準備は整い、摩訶不思議な保護猫カフェの誕生した瞬間である。店の名前はナナシのカフェである。分かりづらい。
「次のクエストは…お客さんを待とうか。」
お客さんを待つのが長いことを知らないノーネームはお店を開いたり閉めたりの繰り返しをしながらシロたちのお世話をしていたのだった。所持金:2000億Gだったのが1999億996万7000Gまで減ったのだった。
「まあ別に客が来なくても問題ねぇか。」
???side
な、なんですのこのお店は?!このわたくしが足止めを食らって暇つぶしに来てみれば見たこともない建物を発見、気になり覗き込んでいたら…
「か、可愛い…」
可愛らしい見た目の生き物。可愛らしい鳴き声がちょっと聞こえてくる。よく聞かないと聞けないだなんてと血涙を流すわたくし。リリナ・カーネリアは貴族でしてよ!…見知らぬ貴族からは悪役令嬢そっくりと言われていますが。ですがイラついても仕方がないと言い聞かせていたのに。
「肝心なところで馬車が止まってしまうだなんて…」
辺境の地で寝泊まりをすることになったわたくしは宿屋に泊まり、護衛をつけて探索してましたの。そしたらどうでしょう。ふと気になった建物の中を見たら見たこともない生き物が居ましてよ!あれは魔物じゃない!魔力自体感じられませんもの!
「あ、あの、お嬢様。」
「アリス、わたくし決めましたわここに入りますわ!」
「お、お嬢様?!」
「わ、我々が先に!」
「おっとわたくしとした事が。」
護衛が先に入るとそこにいたのは店員だった。ここはどういう店なのか…そして表から見えた可愛らしい生き物は何か…教えてほしいですわ。
「初めましてここの店長のノーネームっていいます。」
「わたくしリリナ・カーネリアといいますわ。」
「よろしくお願いします。」
「…さてこのお店はどういうものか教えて頂けますか?」
「保護猫カフェです。」
「なんて?」
「保護猫カフェです。」
…ほごねこカフェ?カフェなのは分かりますが…保護は保護よね?ねことは…まさか先程の可愛らしい生き物が猫?!なんて可愛らしい響き!
「名前はシロ、トラ、ミケで…」
「ど、どのようにすれば…」
「お嬢様危険では?」
「アリス、感じなかった?魔力を…」
「いいえ感じませんでしたが…まさかあの生き物は魔物ではない?」
「魔力のない生き物なんて居たか?」
「いいや。」
わたくしの専属使用人であるアリスと護衛も困惑するのも無理もありませんわ。この世界において魔力のない生き物などないに等しい…だというのに!
「…武器は出さないこと。」
「で、ですが。」
「カーネリアの名において安全かどうか確かめるのもご令嬢の役目でしてよ!」
「お嬢様!ついていきます!」
「アリスありがとう。」
店長は困惑していましたが気のせいだと思いたいですわ。そうしてわたくしリリナ・カーネリアは料金を事前に支払い、触れ合い部屋と呼ばれる部屋の扉を開けた…するとどうでしょう。
「にゃー!」
可愛らしい生き物が、座って、待ってましたの。まるでぬいぐるみのように可愛らしい生き物にわたくしときめいてしまいましたわ!
「お、お嬢様…ここは一体?!」
「アリス、油断はなさらないことよ。」
「はい!」
おやつ箱というものは別料金で支払うのね。別料金を入れるとおやつ箱が自動的に開きましたわ。魔道具かしら?と思っていたらにゃーと声が聞こえて下を向くと…茶色い猫が足にしがみついてましたわ。
「あ、こら!お嬢様の足に…お嬢様?」
「わたくし大敗北。」
「お、お嬢様!気を確かに!」
「なんだこれ。」
思わず店長が心配になって来る程だったそうでしてよ。わたくし恥ずかしいわ!
悪役令嬢モドキちゃんはいい子です。ただ単に勘違いされてるだけです。




