加害者の少年。
俺は河野真也。
どこにでもいる暴力団員sa☆
似合わないって?知ってる。
少しくらい現実逃避させてくれたっていいじゃないか。
現在他の団員に殺されかけている。
組にもそこそこ貢献して、問題なんて起こしたことはなかった。
なかったはずなのに、ピョンに嵌められたせいで……こんなところにいる。
俺の証言は誰も信じてくれない。
話は大体一週間ほど遡る。
地元を歩いていたら別に人通りも多くない道で人とぶつかった。
「どこ見て歩いてんじゃあ!」
「……」
ぶつかって来たのに謝りもせず無言で通り過ぎようとした男の肩をつかんでこっちを向ける。
……どっかで見た顔だな。そうか。
「……お前ピョンか?」
「……河野?」
生気のない顔をした男は俺の中学時代のクラスメイトだった。
本名は……あだ名で呼びすぎて忘れた。
確か兎って入ってたからピョンだったはず。
根暗なのは変わっていない。でも、ここまで狂喜を孕んだ目をしていただろうか。
「……なぁ、河野。この女犯したくないか?」
そういって見せてきたのはかなり美人な女の画像。
普通クラスメイトだったとはいえ再会したばかりの、しかも不良と優等生という接点のなかった人間にそんなことを聞くだろうか。
そこで俺は察したね。この女にフラれたか遊ばれたのだと。
元クラスメイトの仇は取らないとな。
決してあまりの美貌に目がくらんだわけではない。
あの時何故俺はピョンの笑みに疑問を抱かなかったのだろうか。
気付けば首を縦に振ってしまっていた。
指定された日時、時間にとある廃屋に向かうとピョンが笑って待っていた。
傍らに女が寝かされているが、写真の女ではない。
そこまで可愛くもない。
「まさか本当に美香とヤれると思ったの?馬鹿じゃねーの?」
相変わらず頭がイってるとしか思えない表情で馬鹿にしてくる。
「ざけんなオラァ!」
気が付いた時には殴っていた。
ボコボコになるまで。
何故か隣にいる女は起きなかったが、微動だにしないので殴る気にはならなかった。
ピョンを殴っているうちに骨が折れた音がした。
それでもあいつは笑っていた。
「タイムリミットだよバーカ!」
あらかじめ呼んでおいたのだろう。パトカーのサイレンの音が聞こえる。
「死ね」
持っていたバタフライナイフで突き刺す。
うちの組で支給されているものだ。
心臓に突き刺して完全に息の根を止めてやった。
ははっ!ざまーみやがれ!
刃物の痕跡からうちの組が調べられた。
特にヤバいものが警察にばれることはなかったけれども、すぐに俺のせいだということがばれて拷問されている。
結局あいつが何をしたかったのかは分からない。
だが、もうすぐ粛清される俺にはもう知りえる機会などないのだろう。




