表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【究極のチート】だよ。あなた方の誰か(読者の中の誰か)のチカラで、主人公がスーパーヒーローになった物語  作者: 風風風


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/10

述懐? 見納め?

「はあ~~~。お天道様の下で吸う空気は、美味いなぁ~」と、太田黒の声。

「俺? もう、出てきたよ。微罪だったしな」

 続けて、彼は言う。

「あの金庫が開けられなきゃ、まだまだ大丈夫」

 とうそぶく。

「無理にこじ開けようとすれば、金庫もろとも吹っ飛ぶ仕掛けになってるしな。刑事にも伝えてあるから、奴らもバカな真似はしまい」

 ヒロシの部屋を望む街角の一隅に佇み、太田黒は迎えの車を待つ。

「金庫のカギを探し当ててから、もう一度、俺を拘留する腹だろうが、まず、無理だろうなぁ」

 と、自信たっぷりだ。

「牛舎だけでも、何か所あると思う? しかも警察は、堆肥たいひを作るために牛糞を貯めてる所を、徹底的に探さなきゃならん。ワッハハハハ~~~」

 いかにも愉快げに笑う。

 太田黒の待つ車が来た。

「こんな所で、何をなさってたんですか?」

 ハンドルを握るアツシが、バックミラー越しに聞く。

「うむ。あのな」

「……」

「俺の遺志を継ぐ者が、そろそろ現れそうなのだ」

「それは、私どもが、……」

 アツシが続けるのを、抑えるように、

「お前たちは、もう十分だ。あの人たちの生活が立ちゆくように、ただ見守ってやってくれてればいい」

「……。それは、相沢に任せました」

「うむ。それでいい」

 満足そうに、太田黒がうなずいた。

 太田黒が言う「あの人たち」とは、言わずと知れた「あのアパートで、つつましく暮らす人々」のことだ。

「こうしてると、昔に戻ったようだな。アツシ」

「はい。……」

「でもな、」

「……」

「もう、十分だ」

「……」

「お前は、お前の人生を生きろ」

「……」

「俺も、さっきのあの場所を、見納みおさめに寄っただけだ」

「……。これから、どう、なされるお積りで?」

「うむ。……」

 以後太田黒は、黙して語らなかった。


©2026 [風風風]. All rights reserved.

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ