いろはにカルタ? それともかるた?
「犬も歩けば棒に当たる」
「はい、棒召喚! ぶっ飛べシン!!」
マイは「い」と書かれ、犬の絵が描かれている絵札を足で踏んだ。そしておもむろに木の棒を背中から取り出した。
「ぐはっ!」
僕はマイの取り出だした棒を脇腹にマトモに喰らって吹っ飛んだ。
そのままの勢いで僕の体は壁に激突。頭をぶつける。
「ぐっ、ぐぅぅぅ……」
自然とうめき声が出る。い、いたい………。
「さあユイ! 次よ次!!」
マイがガッツポーズを決めつつ雄叫びを上げた。
ちなみに僕たち三人は中学の茶道部の畳敷きの部室でなぜかカルタをしている。
「はい、それじゃ次行きますよ。目の上のこぶ」
「はい、とったぁぁぁーーー!!!」
「め」の絵札を雄雄しく踏みつけマイが右手に何かをハメタ……。はめた? はめたぁぁ!!?? 僕は床に転がりながらマイを見上げる。
「ちょっ、ちょっ、ね、マイ? や、やめない? ほんと、お願い!!」
「いつもながらに、問答無用ーーー!!!」
「ごふぁっ!!」
マイのアッパーブローが顔面、側頭部にかすった。かすったけど、かすっただけの威力ではなかった……。
そしてまた僕は転がりながら壁に二度目の頭ぶつけを味わった。
「う、うぅぅぅ」
はっきり言ってさっきのは目に星を見た。
僕はなんとか立ち上がって唯一、味方だと思っていたユイちゃんのあからさまなる陰湿な攻撃を受けていた。
かれこれカルタは十枚読み終わりそのすべてをマイが獲得、そして書かれている言葉を忠実に嫌味を込めて再現していた。しかも、僕に対してのみ……。
しかもユイちゃんが読み上げる絵札のすべてがなぜかみんな全部どれもマイのSっ気を倍増させるものばかり……。
「もしかしてユイちゃん、全部選んでる?」
恐る恐る聞いてみる。
「え、はい」
かわいらしい笑顔でユイちゃんが頷いてくれる。
「な、なんで?」
「それはシン様の打ちのめされる姿、打ちしがれる姿がとても、とっても神聖なんです」
「え? そ、それって……」
「次よ、ユイ!!」
「うん! 鬼に金棒!!」
「ほい、来たー!!」
「わーわー! ちょっと待ったー!!!」
僕は身を屈める。頭上を本物の金棒が通り抜ける。
「ちょっ、ちょっ、ストップ、ストップーー!!!」
「いつものことながら、問答、無用ーーーー!!!!!」
「がっはぁっ!!!」
はい、タイトルとまったく本文があってないような? それともそうでないような? そんな疑問を残しつつちょっと短かったですか? なんて失礼なことを言う作者を許してください……。
次話こそシンはHappy?な日を迎えることでしょう。




