風呂とハンバーグ
「もーしもーしかーめよ、かーめさんよ〜。あっなたーのコーラはなんぱいじゃ〜?」
「姉さん! 風呂場でそんな変な歌うたわないでよ!」
僕はキッチンで風呂に入っている姉さんに怒鳴る。なんだってんだよ、もう。久しぶりに早く帰ってきてと思ったら変な歌うたうし……。おとなしい姉さんの姿なんてろくにみたことないような……。
「ねー、シンー!!」
風呂場特有の個室で反響するくもった声が聞こえてくる。
「なーにー?」
僕は声を大きくして聞き返す。今せっかくハンバーグ焼いてるのに……。
「背中洗ってー」
「いーやー」
僕はハンバーグの片面をひっくり返す。じゅわーっという心地の良い食欲ゆすられる音がはじける。
「なんでー?」
ああ、もう。姉さんあんなに大きな声出したら近所迷惑だってのに!
「今ゴハン作ってるからー!!」
「あ、そうなんだー!」
「そうなんだよー!!」
「焦がしてもいいから背中洗ってー!!」
「ちょっ! ダメだよそれっ!」
「ケチーー」
はぁ、なんか疲れる。まったく、姉さんも少しはおとなしく……。
「ん? なんか、焦げ臭いような?」
手元のフライパンへと視線を向ける。
「あっ!!」
こ、焦げちゃった……。あぁー、もうイヤ!
フライパンのスイッチを切って僕は皿に盛る。ちゃんと焦げ目が裏にするようにする。
そして僕は風呂場へと向かう。
「姉さん」
「はっ、シン! そ、そんな大胆!!」
「ちょっ、変なこといわないでよ! 背中洗えって言ったの姉さんでしょ!」
「そうだっけ?」
「いや〜、そうだったかのー?」
「いや、変なボケいらない」
「相変わらず良いツッコミだのー」
「もういいよ。それじゃ」
僕は呆れて風呂場から出ようとする。
「ちょっと、待ったー!」
肩を思いっきりつかまれて引っ張られた。
「あっ」
風呂場の特徴その一。風呂場は良くすべるのである。
ゴツン
風呂場の特徴その二。すべるし、どこに頭が当たっても痛いのがヒドイ。
「グッたああぁぁぁぁっぁぁぁっぁぁああああ!!!!!」
そして姉さんから返ってきた言葉は
「シン、そんなに大声出したら近所迷惑よ! 私も負けてられないわ、わっはっはっはっはっはっは!!!!!」
な、なんなんだよ……。というより、いったいんですけど。
その後、一応バンソーコーを姉さんにしてもらった後、悲しい味のする焦げたハンバーグを食べ終わるのであった。
あ、なんか久しぶりの一話完結。でも、なんか違うような。
はい、シン……料理こんなにできたんですね。
と思ったり思わなかったり。ちなみに私は料理できません。恥ずかしながら……。




