巨大な巨大なライスクラッカー
「そして俺が今日ここに来た目的は!」
「目的は?」
「マキ先生愛用のデスクに頬ずりをし、今後の俺達二人の愛の計画を練るのだ!!」
「ユ、ユイちゃん……」
「は、はい、シン様」
僕とユイちゃんは互いに耳打ちをして、合図を取りあった。
両手を掲げ、自分の妄想に取り付かれた先輩から僕たちは後ずさった。なるべく音を出さずに。
そしてある程度に距離をとった僕たちは急いで踵を返して走り去った。
「おい、君たち! まだ私の美談はまだ終わっていないぞ!!」
「すいません! 僕たち用の途中なんで!!」
「失礼します!」
そして知らない間に僕はユイちゃんの手を握って走っていた。絶対に作者の陰謀に違いないと思いつつも握っていて悪い気はしなかった。というよりユイちゃんの手はとっても柔らかくて心地いい暖かさを秘めていた。
はっ! 僕は何を考えてるんだ! と、とにかく学校から離れよう。またあの人に纏わり付かれたら厄介だ。
気付いてみると、いや、最初から判っていたのかもしれないけどユイちゃんは走っている間中もずっと頬を赤らめていた。
そして、学校の校門も抜け出してたどり着いたのは小さな公園だった。
「はぁ、はぁ、はぁ……。だ、大丈夫、ユイちゃん?」
「は、はい……、できればもう少しこのままシン様と走っていたかったりしたのですが」
「え、な、なに?」
「な、なんでもありません」
「はぁ、それじゃどうしよっか? それより、ユイちゃんの用ってなんだったの?」
「あ、いえ、もう大丈夫です。シ、シン様と手を結ぶことができたし。ぇへへ」
なんか〈小〉狂喜乱舞しているユイちゃんはそっとしておいて、公園を見渡してみる。
あ、今時珍しい屋台がある。でもその屋台がなぜか煎餅屋なのかはあえて突っ込まないことにしよう。
「ユイちゃん、煎餅食べる?」
「………//////」
「ユイちゃん?」
「あ、はい! 食べます! 絶対食べたいです! 食べさせてください! あ、あぁーん」
「ちょっ、ユ、ユイちゃんいくらなんでも早すぎ、早すぎ!」
「はっ、す、すみません……」
僕たちはなんだかんだやりあいながらなんとか煎餅屋台で伊勢海老煎餅を購入した。
なんで伊勢海老? こんな山ばっかりの県で……。それに、土地柄的に伊勢海老は無理なんじゃ……? あ、またツッコんじゃった。
「おいしいですね」
「う、うん。だね」
「どうかしたんですか?」
心配そうにユイちゃんが覗き込んできてくれた。
「う、うん、いやなんかこんなところで伊勢海老が食べれるとは思わなかったから」
「そうですか? これもこれでおいしかったりしますよ」
「いや、僕まだ伊勢海老を食べたことないんだ」
「えっ、そうなんですか!?」
ユ、ユイちゃん、そんなに驚かなくても……。余計惨めになる………。
そんなこんなで、よくわからず僕は巨大な伊勢海老煎餅をほおばり続けたのでした。
え、終わり?
あの、続きはあるんですか?
作>その予定です。
よ、予定って!?




