デート? な日?
「ユ、ユイちゃん? 大丈夫?」
「は、はい……。だ、大丈夫です。で、でももう少しこのまま」
ユイちゃんの顔を覗き込んだ僕は正直びっくりした。
だって、天上天下唯我独尊我世界的中心まっしがらのユイちゃんが、超自己中心的思考の第一人者と思っていたユイちゃんが宿敵を前にして我慢をしていたんだから。
「う、うん、わかった。無理しないでね」
僕はただそれだけを言うのみだ。もしユイちゃんがここで《ねこ》を克服することができれば僕の日常から危険という項目から一つデンガル(danger)が消えるのだから!
それでもってちなみにただいまのユイちゃんの表情はものすごいことに……あれやこれやがピーでガーだからここはあえて言わないでおこう。
で、問題の宿敵は―あ、ちなみに僕はねこ大好き人間だから。といってもほとんどの動物は大丈夫だけど―白いつやの+なぜか首輪にダイアの埋め込まれた……って、うわー、絶対どこかの高級令夫人の愛ねこだよね、これ。
恐らくはペルシャネコだと思われますが、もしユイちゃんがいつもみたいにぶっ飛ばしちゃってくれると絶対マジやばくなるんだろうな。
と、そんなこと考えてるうちにネコさんは塀を飛び越え立ち去りました。平和到来。
「ユイちゃん、もう大丈夫?」
「は、はい。なんとか大丈夫です」
「でもすごいねユイちゃん、とうとう克服できたんだね」
「はい、あの×★◎↓□をぶっとばしてあのダイアを汚すことは私のポリシーに反しますので」
うわーっ、この子言っちゃった! 公衆の面前で! こんないけすかない言葉を! っていうか《ねこ》よりもダイアですかい、お嬢さん!!
ま、まあ一般論的に価値あるのはダイアだけど、ねこは生き物だし、うーん……。
僕があれやこれやと考えている最中にユイちゃんは僕の腕をとって、
「ほら、行きましょシン様!」
「あ、う、うん」
そして、ユイちゃんに千切れる程腕に力をこめられた僕は……これは幸せというべきなんだろうか? でも、痛いな……。
たどり着いたのは僕たちの教室。え、教室? 教室? きょ・う・し・つ? なんで?
「ねぇ、ユイちゃん」
「はい?」
「用があるってのはここ?」
「はい!」
「ホントに?」
「はい……」
「忘れ物」
「ははいい」
「へ?」
「はい、忘れ物をしました」
「何を?」
「愛を」
僕はドン引きするナノ5秒前……。
「冗談です」
「じゃ、もうちょっと真面目に答えてよユイちゃん」
「すみません」
ちょっと反省したのか、ユイちゃんは頭を垂れていた。というか、僕たちは何をやってるんだ?
「それで、用ってなんなの?」
「はい、それは、えっと、その、シ、シン様と……」
「ぼ、僕と……」
「シン様と、一緒に……」
「僕と一緒に?」
「だぁーーーーーー!!!!」
と、僕とユイちゃんの教室の前を雄叫びをあげながら一人の男が走り去っていった。なんか、見たくもないものを見てしまった気がする……。
「あ、あの方は以前保健室でマキ先生にぶっ殺されかけていたチャラチャラしたいけ好かないヤローでは?」
「ユ、ユイちゃん、言葉には気をつけようね」
「はい」
「んじゃ、帰ろうか」
「は、はい」
一体、今日はなんだったんだろう? でもまだ終わってないみたい。だってチャラ男が戻ってきたんだから。
「やぁ! 君たちはどうしたのかな? 二年生だよね?」
うわぁー、めっちゃくちゃテンション高いなこの先輩(だと思う)人。確かに今日は休日でいるべきじゃないけどそれはこの人にも言えることだよね。
「あのー、先輩は?」
「ん? 俺か?」
「はい、先輩はなんでここに?」
「それはお前、わかるだろ? 俺がマキさんに没頭していることを」
「は、はぁ、まあそれはなんとなく」
「だったら特別に教えてやろう、それはだな……」
「「それは……」」
先輩が口を開き、僕とユイちゃんは紡がれる言葉を待った。
ねえ、なんでこんな終わりかたなの? ねえ?
ちょっとありきたり+作者の怠惰さがでまくりなんだけど。ねぇ、なんでこうなの?
作》も、もう、なにも言わないでくれ……た、頼むから。




