放送委員とは……記憶力が悪い
僕は、一体全体、何をしてるんだろう……?
「はい、じゃ次いきますよー」
「うぎっ!」
「はーい、いたかったですかー?」
「い、いいえ……」
恐る恐る自分の右腕を見ると……大きな大きな注射器が、注射器が僕の静脈を!!
「せ、先生」
「なんですか?」
「な、なんでこんなに大きいんですか?」
「保険ですよ、保険」
「こんなに、たくさん?」
「ええ」
「死にませんか?」
「大丈夫よ」
「本当ですか?」
「ええ、死に掛けるだけだから」
「それって……!!」
「はい、いきますよ。っせーの!」
マキ先生は上のなんか押して射れるやつを勢い良く押して中の液体が一気に僕の……!!
「ぐっ! どわぁぁぁぁぁっっっ!!!」
僕は、失神した―――。
暫くして目を覚ますとまたまた保健室のベッドの中。嫌な予感を瞬時に感じて手足を動かしてみると……動いた。
僕のベッドの隣にはもう一つベッドがあって、そこはレースで仕切られてたけど誰かいるみたいだった。
「ほっ。今日は縛られてないみたい。なら、今すぐ逃げなきゃ」
僕はとっさにベッドから飛び起きて保健室を見渡すもマキ先生の姿は見当たらなかった。
「今のうちに」
僕は保健室の扉に手をかけて、開けた。すると―――!
そこには誰もいなかった。すいません、いつもなら絶対何かあるから今日もあるのかなとおもいまして……。
って、僕は誰に話してるんだ? まあ、いいや。でも今日は運がいいかもしれない。
きっと日頃の僕の哀れさを哀れんでくれたのかもしれない! でも、朝に受けた予防接種はありえなかったけど。
一応今日は学校があったりする日で、僕は制服を着ている。先日僕が突撃した廊下の突き当たりの壁はいつのまにか修復されていたりする……。
この学校って、学校自体が自己再生するのかな?
そう感じえずにいられない程の再生力だからだ。ま、いっか。早いとこ教室へと向かおう。
僕はベッドの横においてあった自分の鞄を持って教室へと向かった。
でも、なにか忘れているような……。
「すいません、遅れました」
言いながら教室へ入るものの、誰もいなかった。
「あれ?」
時計を見ると全然授業が行われているはずの時間帯。そして今の時間帯は数学だから教室でやる授業のはずだ。
僕はなにか嫌な予感がして、隣のクラスに顔を覗かせてもやっぱり誰もいなかった。
「な、なんで?」
僕は自分の教室へと戻って黒板を見た。すると日にちは今日になっている。それに日直も順番どおりだ。
「?」
僕は携帯を取り出して電源を入れてみた。でも、電池切れだった。
「あれ、昨日充電したんだけどな。でも、皆どこいっちゃったんだろう?」
というか、なんか逆に変な予感が……。というかなんでいきなりこんな展開なの? 昨日は確か姉さんの暴走を止めようとしてあの後……(汗
「ま、いっか」
それにしても皆一体どこへ? 職員室にいこっ。
僕は元来た廊下を歩いて職員室へと向かうとき、人影が見えた。
「あ、おぉーい!」
豆粒くらいの人影はどんどん大きくなってきて輪郭もはっきりしてきた。でもおかげではっきりと判った。アレは僕が関わるべきではないとわかったから。
無視しよう。うん、無視だ。
「止めてくぅれぇーーー!!!!」
「嫌です」
「そんなこと言わずに、マイステューデント!」
「絶対嫌です」
「ならば!」
そう、廊下を疾走してきたのは僕の担任。廊下をご愛用のスケボーで翔けてきた。でも多分止まらないんだと思う。
そして先生は僕のほうに手を伸ばしながら僕を使って止めるらしい。でも、させるものか!
僕は先生が伸ばしてきた腕をしゃがんで避けた。そして先生はそのまま滑走、壁に激突した。
「かはっ!」
僕はそのまま職員室へと向かった。
「皆どこいっちゃんたんだろう? 人っ子一人見えないし」
もう、いいや。今日は学校休もう。家かえってねよ、ねよ。
と、僕は職員室の前を通り過ぎて玄関からでたら、腕が見えた。
「バカシンー!」
「ぐわはっ!」
腕は、僕の顔にクリーンヒット! 目、目がぁ〜!
「マ、マリ!? そ、それに皆!?」
僕の目の前にはクラスの皆とマリがいた。
「なんで?」
「あんたが私たちをここに呼んだんでしょ?」
「へ?」
あ、マリの青筋がぴきぴきと脈動を……って、僕ピンチだけど、僕の思考もピンチだよ。僕が、皆を呼んだ? なんで?
僕は思考を脳をフル回転のかき回し。思い出せ、思い出せ、僕、思い出せ。
そして長考の末、答えが見つかった。
「あ、思い出した!」
「言ってみなさいよ」
「確か、校内アナウンスが壊れてて僕が放送委員だから各クラス回ってグラウンドで写真撮影があるという連絡をした気がする」
「そうよ」
「でも、あれ? 撮影は?」
「それを私たちは待ってるんだけど?」
「へ?」
またもマイブレインファンクション。えっと、確か僕が皆を呼んで、撮影家の人を呼びにいったら……。
撮影家の人と僕、ぶつかって倒れたんだったっけ。それで起きたらマキ先生が、注射を……!
「マキ先生!」
「なーに?」
「僕に何撃ったんですか!?」
「えっと、モルヒネ?」
「モ、モルヒネ!?」
「冗談よ」
「えっ、じゃあ何を!?」
「秘密」
といってマキ先生は学校に戻って、僕はマリと真正面に向き合った。
「あ、あれ? あははははは。マリ?」
「うん、そうね。そうよね。私たちが呼び出されて2時間もここでただ立たされているだけだなんて私の思い過ごしよね」
僕は恐る恐る携帯を取り出して時間を見ると、2時間以上経ってた。
「う、うん。そうかもね。あははははは」
「そうね、そうよね。あははははは。死ねっ、バカシン!!」
僕がその日最後に見たものは……マリの鉄拳を顔面に食らうまでの勢い余る拳だった……。
シンが放送委員だということが発覚! ただ、ただそれだけが重点であった今日のお話でした。ああ、シンかわいそうに……。




