マリにバットで打たれ、目覚めてみたら……
僕が目を覚ますと、そこは僕の中学校の保健室だった。
そして僕は多分保健室用のベッドで寝てるんだと思う。
いやに体が鈍く感じる……。なんだか、下半身の感覚がないような気がする……。
僕はとりあえず起き上がろうとして腕と腰に力を入れようとしたら、起き上がれなかった。
「え?」
自然とそんな声が漏れた。今思うと自分が声を発したことを大変悔やむ。
なぜって、それを聞いたマキ先生が現れたから。
別に、普通に保健の先生としてならいいんだけどそうはいかないみたい。
だって、マキ先生は片手にメス、もう片手にどでかい注射器を持ってるんだもん。
「あ、あの、先生?」
「あら、なぁーにシンくん?」
「なんでそんな猫なで声なんですか?」
「なんでってきまってるじゃない。シンくんを今から解剖。むふふふふふふっ」
「え? い、いや、やめて、僕は大丈夫ですから! ほんとに大丈夫! 健康第一中学生男子だから!」
「あら、それを今からたっぷり調べてあげるのよ?」
「で、でも授業がっ! ちょうど今ベルも鳴ったし!」
「え? そうなの? ごめんなさい、私気がつかなかったわ」
って、え〜〜〜!!! この人、マジだ! 本気って書いてマジだ! い、いや、今はそんなこと言ってる場合じゃ……っ!!
「はーい、おとなしくしててねー」
ずぶりっ!
「うっ、ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁっ〜〜〜〜〜!!!!」
ド太い注射器の針が僕の腕の静脈に、というよりもこんなにでっかい針だともうどこさしても一緒だし!
それになんでか僕の全身はロープで固定されてて全然動けないしっ!
それより以前にここって学校だよね!? 健全たる学び舎にして規則を守る公共の場だよね!?
内心騒ぎまくってかじょじょにどんどんと感覚が麻痺ってるような気が……。
「あら、そろそろ麻酔が効いてきたみたいね」
マキ先生はホント、心底うれしがってるよ……。
「せ、先生、もっ、勘弁……」
「あーら、なにいってるの? これからが本番だっていうのに。ま、シンくんが寝てる間に下半身のほうを少しだけいじっちゃったけどね」
「!?」
さっきの注射のせいで僕は声も出せなくなっていた。というのも口が開かない。
僕の目の前ではメスを普通に片手で持ってたんだけど、刃が水平じゃなかった……。マキ先生はメスを思いっきり握りながら垂直に僕の胸に振り下ろしてた!
「ふ、ふがほげーーーー!!!!」
や、ちょっと、冗談じゃないって!!
ぶすりっ!
な、なにか、絶対刺さったって! 僕の心臓に刺さった、メスがっ! で、でも、何も感じない! え? どうなったの!?
なにもわからない僕は益々不安に掻き立てられた。で、動く眼球で捉えたマキ先生はすごい形相で保健室の窓を睨んでいた。
マキ先生の手にはメス。どうやら血が付いてないということは、僕は安全らしい。
でもだったらさっきのは?
段々と麻痺も解消されつつある僕は首を起こしてなにが起こったのか見渡した。すると……。
「マーキせんせーい!」
窓から飛び込もうとしてきたチャラ男が、多分マキ先生オリジナルのブービートラップなんだろう。
チャラ男には幾重ものメスが刺さっていた。
それでも愛の前には痛みなど感じないのか、致命傷な刺さり方をされてもチャラ男は勢いとどまらずマキ先生に抱きつくため跳躍した。
「くるなー!!」
マキ先生はそれを華麗に避けた。そして空中ジャンプしたチャラ男はそのまま僕のベッドの上に!
当然僕は動けないから身構えるしかない。でも僕は仰向け状態だ。絶対痛いけど、多分大丈夫だろう!
でもチャラ男は全然僕のほうを、己の着地ポイントを見ずもせずに、足をベッドの上に着地させさらにはベッドのバネを利用してまたジャンプした!
キーン―――!!
「ぐあはっ!!!!!!」
運悪く、チャラ男の着地+跳躍地点(タッチアンドゴー地点)は僕の股間、ドンピシャリだった……。
そして僕は悶絶。あんな注射器を使わなくても僕の意識は冥界行き直前だったのだということを皆にはわかって欲しい。
最後に一つだけ。
●×☆〆※⇔◎!↓?!ぐあはっ!!
怖いです、マキ先生。それにしてもチャラ男も再び登場。ゆがんだ愛ってこわいですね。




