不幸は二度続く。じゃなくて不幸は連続する。
私は何もしていない。何もしてないもん。なんか、変な口調になっちゃったけど、私はなにもしてない。
私の目の前、足元にはバットと蝙蝠とバッタ……。が入ったプールがあった。
でも水のプールじゃなくて血のプールが私の目の前に広がっていた。
これってコメディーだよね? ね? ホラーでもサスペンスじゃないよね? ね?
っていうか何か言え作者ーーーー!!! なぜ黙ってるーーー!!
こんなことしてちゃいけない。早く逃げなきゃ、じゃなきゃ、私は警察に捕まって、牢屋にぶち込まれて、無益労働させられて、きっとご飯はチューブから食べるんだ……。
そんなこんなで私は今現在なぜかいる路地裏(コンビニ裏)から逃げ出した。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
一応これは全速力時の息の仕方。前方に見えてきたのはシン。私の姿を捉えたのか、シンは日曜の夜の商店街を呑気に歩いている。ぶっ飛ばしてやりたいけど、いまは我慢!
「あ、マリ。どうしたの?」
私はシンの前を全力疾走した。
「そ、そんな……。僕、なんかした………?」
私が脇目でちらついてみたクズ、あ、まちがえたシンだ。
でも私はシンをクズに終わらせるだけの根性はない! だから!
私は急ターンで走り止まり、
「おーい、シーン!」
「あ、マリ! よかった! 何!?」
私とシンの間は十メートルちょい。私は携帯を取り出して警察に連絡してさっきのコンビニのところまで来てくれるよう頼み、シンに言った。
「シーン!」
「なにー?」
「あそこのコンビニの裏で待っててー!」
「え? わかったー!」
よし、これで万事オッケー!
私はそのまま自宅へゴーバックホーム!
というわけでマリに言われて近くのコンビニに向かった。すると、向こうからパトカーがこっちにやって来た。
事件でもあったのかな? ま、いいや、マリが言ったとおりにコンビニの裏へとっと。
そこで僕が見たものは…………「?」
「なに、これ?」
僕がそこでみたのはバット?? にへばりついてる蝙蝠? それにバッタ?
「って、なんの怪喜現象ーーー!? っていうか、なんでトマトジュース!? それになんでマリは僕をここに行けって言ったの?」
そして、呆れ果てて帰ろうとしたら、
「ちょっと君」
「はい?」
僕の目の前には警官さん二人。あちゃーって僕何もしてないよね?
「君、これはなんだね?」
とめちゃくちゃ怖いおっさん警官さんが僕を睨みながら見据えてきた。
こわいよ、夜だからすっごい怖いよ。
「い、いえ、僕はなにもしてませんよ?」
「なら、なんなんなのだね、これは?」
「僕も聞きたいです」
「君は私をからかっているのかね?」
「い、いえ! 滅相もありません!」
「じゃ、署まで来てもらおうか。おい、後輩! 連れてけっ!」
えええぇぇぇぇぇーーーーー!?
「はーい、わかりまっすたー」
なんか、この人の後輩とは思えないほど軽い人っぽいなー。って、このままじゃ僕捕まっちゃうって! 無実の罪で!
だ、誰か助けてっ!
そんな願いがかなったのか叶わなかったのか、その後輩の警官が僕の後ろを見て、
「おっ! このバット!」
「しっているのか後輩?」
「はい、俺んとこの妹が作っとった学級発表会の展示品っす」
「「って、ぅおおおおぉぉぉーーーーーい!!」」
僕と先輩警官さんとがハモった。
そして先輩にどつられながら後輩警官はパトカーに乗ってさっきの奇妙奇天烈バットを持っていってしまった。
呆然と立ち尽くす僕。
まさかユイちゃんの図書館騒動の後の日曜日の夜、ただ僕は夜食のおやつ買いにきただけなのにこんなのってひどい……。
もしかしなくてもマリの陰謀だよね? そうだよね? もう、いや………。
かわいそうですね、シン。というよりもなんだったんでしょう、あの出てきたバット? ま、今後一切お目にかかることはないでしょうが……。
夜食のおやつ、おいしいですよね。なぜかおいしく感じるのです。




