図書館は本を借りるところです。それだけは見失わないでください。
今日は土曜日、学校は当然の如くない、ないはずだった……。
「な、なんで?」
僕の第一声はそれだった。
だって目の前には純白なレースのワンピースを着こなしたユイちゃんがいたから。
そう、ユイちゃんは僕の向いに住んでいるんだけど、僕の家に比べると五倍くらいもある大豪邸。
「はい、ですから今日はシン様とデートに行きたいと思いまして」
そ、そんなユイちゃん大胆な……。っていうか
「デ、デート??」
「ええ。いけませんか?」
「い、いや、いけないというわけじゃ……」
「じゃあ、行きましょうっ!」
「えっ?」
ユイちゃんはいきなり僕の袖を掴んで引っ張った。
それはマリみたいに強引じゃなかったけど僕はそれに逆らうことができなかった。
それぐらいユイちゃんの力はマリ並みであった。
僕は引きずられながら
「ユイちゃん、どこに行くの?」
「市立図書館です」
「え? 図書館?」
「はい」
「そんな所へ何しに?」
「行けばわかりますよ」
ユイちゃんは満面の笑みで僕に振り返った。か、かわいい……けど、この笑顔が出た後は必ずろくなことがないんだよね。
僕の体が、本能が教えてくれる。今日はいつも通りの厄日だろう。
徒歩で二十分、僕達はやっとこの町の市立図書館にたどり着いた。
なんとここの図書館は日本が誇る大図書館の一つで漫画もあればCDも映画も見れる大施設になっている。
でも、入場料があるところが辛い。といっても二百円だけど。
僕達は入場料を払って早速本が主に置かれているところに行った。そこは何列にもならぶ本棚が規則正しく並んでいた。
そこは辞典や辞書などが数多くならぶ図書の中でも重鎮な一列となっている。
「着きました」
ユイちゃんが言った。
「ここに用があるの?」
「ええ、少しの間私を一人にしていただけますか?」
「え? あ、うん。わかった。じゃ、ちょっとトイレ行って来るね」
「ありがとうございます」
僕はそういってトイレに向かった。実際出かける前(といっても拉致られた前)、ホントはトイレに行くときにユイちゃんがチャイムを鳴らしたのだ。
僕は用を足して、ユイちゃんが待つ、というよりもいる列に戻った。
すると………ユイちゃんは僕より三メートルも高い所にいた。
「ユ、ユイちゃん……!?」
「はい?」
なんとまあ愛くるしい顔で笑顔を返してくるんだろう。でもかわいさ余って驚き百倍。
ユイちゃんは辞書などを棚から取り出して、それを積み上げながらその頂点に立っていた。
そう、つまりは本の上に立ちながらどんどん積み重ねていってるのだ。
「危ないよ! っていうかなにやってるの!?」
僕は手を宙であたふたさせながらユイちゃんがいつでも落ちてきても捕れる体勢を取った。
「ええ、一度してみたかったのです。ほら良く言うではありませんか、学問を積んで人より高い視点からものごとを望み、見極めろと」
「い、いや、言うし、意味は間違ってないかもしれないけど。な、なんかそれは絶対違うって! それに危ないし!」
なんでユイちゃんは学年一の天才なのにこんなに天然なんだ!?
「まあ、シンさま。私の安否を気に掛けてくださるのですね。ユイは今ここで死しても天命です!」
ユイちゃんは思いっきり不安定な足場(辞書・辞典の山)の上で両手を広げて天を(天井を)仰いだ。
当然の如く、バランスを崩したユイちゃんは重力に逆らえずに僕のほうに運よく? ヘッドダウンダイブ(危険だから皆は真似しないようにね)。
僕はなんとかユイちゃんをキャッチ、でも重くて厚い本の山の下敷きになった。
それでもって図書館の人に説教をくらい(なぜか僕だけ)そして罰金を払わされることになった。
僕が図書館の外に出るとユイちゃんが待っててくれて、またまた天使の笑顔で言うのであった。
「また、来ましょうね」
「誰が行くかー!」なんて僕には言えず、そんな悪魔にしか見えない純真な天使のささやきに僕は、
「うん」
としか答えられないのであった……。
なんとか、理想の書き方に近づいてきたような気がします。
皆様の評価・感想お待ちしています。些細なことでも私の今後の活力となりますのでよろしくお願いいたします。




