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死後世界触手譚  作者: 青風
国家誕生
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第87話     人員整備 と 区画整理

人員が多くなってきたので、改めて運営していく幹部を決める会議が開かれた。

現状、自国防衛すらアムドゥス達に手を借りてる状態だからなぁ~・・・


「進行は・・・そうだな、アブドラが勤めろ。」

「ハッ!」


勢いよく立ち上がる。

敬礼しなくなっているが、今ひとつ堅いんだよな。


「それでは、進めさせていただきます。」


つか、俺はトップになれる人間じゃないと思うんだけどなぁ~・・・

以前決めた軍事関係はあれでいいとして、軍事関係以外を決める必要があった。

いきあたりばったりなのだが、そういうの全然判らんしなぁ~タマが代表やってくれればいいのに・・・


最初に話合ったのは解放したモンスター達や、庇護を求めてやってきた者達を受け入れた事により住む家や田畑の増強など、エクレラントの区画整理についてだった。

これからも増える事を見越して作った方がいい、という意見を元に一気に改造しようという物である。

と言っても、全員に一軒家とかどれだけ時間が掛かるんだ?という事でアパートメントを主流にするようだ。

幹部や家庭を持った奴に一軒家を与えていくという感じになった。

話の途中俺の家を城にするかとか言い出したが却下した。

王様とか・・・そんな柄じゃないし、縁側で溶ける事が出来ないのは嫌だ。


住宅街を広くする為に、カツの工場は川向こうに建て直し工業地帯にする事になった。

田畑も至急増やさなければならないだろう。

そこへ街道整備や防壁増築なども入ってくる。

問題は誰を頭にするかだ。

今まで建設関係で意欲的に手伝ってくれていた人の名前を挙げてもらったが正直ピンとこなかった。


(なぁアイ、お前がチャチャっと決める事って出来ない?)


冗談半分で言ってみたら『良いのですか?』と返ってきた。

出来るのかよ・・・もっと早く聞いておけばよかった。

アイの意見を取り入れ決めていく、ネコ族の長老衆を主体としており、かなり合理的だ。

新たに役職へ付く事になる人物を呼んで行く。


「セン殿、何用ですかな?」


最初に入ってきたのはトラだ。


「うん、まぁトラには住居建築関係の長になってもらおうと思ってな。」

「我が長ですか。」

「うん、今まで色々作ってくれただろ?

 その経験を生かしてこれからの住居全般を任せたい。」


トラは少し思案した後、快く応じてくれた。

そこへ後ろからコテツが入ってくる。


「邪魔するぜ。」

「コテツ、お前も呼ばれたのか。」

「なんだ?トラも来てたのか。」


二人は元長老衆だからなのか、気が合うからなのか結構仲が良い。

生真面目なトラとざっくバランなコテツだが、こと勝負においては2人とも潔い。


「コテツには、道路関係を頼みたい。」

「ん?俺様が仕切るのか?」

「そうだ、不服か?」

「いや、ありがたいな。」

「それと、最初はトラに建築関係全般のまとめ役になってもらう。」

「「何!?」」


トラもコテツもビックリしているがアイの考えなので適当に理由をつける。


「何故、俺様じゃないんだ?」


コテツは自分じゃない事が不服なようだ。


「我に勤まるでしょうか?」


トラは不安なようだ。


「ん~あれだ、トラの方が先に俺に恭順したから。かな?

 でもま、トラよりコテツの方が適任だと思ったら変えるぞ?」

「そういう事なら仕方ないな、まあ直ぐに変わる事になるだろうがな。」

「ヌウ・・・我もコテツ’には’負けないように頑張らせていただく。」


なんというか良いライバル関係って奴なのだろうか。

憎まれ口を叩きあって笑っている。


「セン殿、建築関係と言う事は我ら以外の部門もあるのですかな?」

「おう、あるぞ?っと来たようだ。」

「センの大将、何か用・・・」


ダンが入って来たが目の前にトラとコテツが居たので固まる。


「ダンには農地関係を担当してもらう。」

「なるほど、ダンならば納得です。」

「ほお・・・ダンか、こいつならまあいいだろう。」

「えっと・・・いったい何の話ですかい?」


ダンに事情を説明する。


「この御二方と肩を並べるなどとんでもない!」


ダンは元長老衆の2人を前に恐縮しまくっている。


「ダン、我らはもう長老衆では無いんだぞ?」

「今は・・・そうだな、ライバルって奴か?

 俺様達より成果を出せたのならお前が建築関係のトップになる事もありえるぞ?勝たすつもりは無いがな。」

「俺が御二方を従えるとか心臓に悪すぎやすぜ・・・」


話を聞く限りやっていけそうだな、と確信し次を呼んできて貰う。

3人は壁際に備え付けられた椅子に座りどういう風に自分達の作業を進めて行くのか連携を話し合っている。

さすが元長老衆、皆を引っ張っていただけあるな。

そこへ次の人物が入ってくる。


「セン殿、我らに何用だ?」


入ってきたのはクロとコタだ。

クロは入ってくると辺りを見回す。


「この町の顔役ばかりだな・・・」


クロがそう呟く。


「うむ、そこに加わって欲しい。」

「どう言う事だ?」

「クロとコタにはこの町の守備隊の長と補佐についてもらおうと思ってな。」

「何?」

「ほほっ、この老人をまだ使おうと?」


クロはキョトンとしたが、コタは笑いながらそんな事を口にした。


「まあ、老人といえば老人なのだろう、だが闘争心まで燃え尽きたわけではあるまい?」


前にアブドラの部下が攻めて来た時に加勢してくれていたし、戦う意思が有るのは明白だった。


「嫌か?」


クロをみて短く聞く。


「やるよ、やれというならね。」

「んじゃ、やれ。」


まったく素直じゃないというかなんというか。

クロは不貞腐れながらコタと共にトラの隣へ座る。

そして入れ替わるようにチビとトムが入ってきた。


「判ってると思うが、2人には交渉全般を頼みたい。」

「ええ、毎日色々と交渉させてもらって居るよ。」

「そうだな。」


先日の鬼ごっこで交渉担当に付いたのだが、その日から色々と忙しい思いをしているようだ。

元々人間があまり好きじゃない2人だが、チビは人となりを見抜く眼力を持っていて、トムは匂いで直感的に人を嗅ぎ分ける事が出来るらしい。

そんな2人だからこそ今までも長老衆の時にも交渉を担当していたのだろうが。


「ご苦労さん、それで今はどんな感じだ?」

「そうだな・・・コロポックルはこちらに移住してくるみたいだ、あと野良モンスターが噂を聞きつけちょろちょろ来てるな。」

「そうか、何か有ったら言ってくれ。それと野良モンスターだが・・・」

「わかっとるよ、皮膚か毛かを取っておけば良いんだろ?」

「うむ、よろしく頼む。」


2人はそれぞれ報告した後、クロの隣へ座る。

さて、長老衆の主だったのはこんな感じか。

タマにはエクレラントを国にした時に街の長に任命する予定だ。

そこへ1人の女性が入ってくる。


「「ほお~」」


と皆が感嘆の溜息を漏らす。

その女性は入ってくると俺に一礼して周りに対しても一礼した。


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