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死後世界触手譚  作者: 青風
帝国
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第78話     馬鹿 と レジスタンス

「今までよくも好き勝手やってくれたな!」

「魔物の分際で俺達に反抗するのか!」


そこかしこから怒声が聞こえる。

現状帝国内部は反乱の元奴隷達と俺達のモンスターの軍が帝国兵と入り乱れて戦っている。

元奴隷達は自分達の今まで受けた屈辱を晴らすかのように剣を振るう。


「いやー!助けてー!」


その声に振り向くとモンスター3人で1人の女性に暴行を加えようとしている所だった。


「は~・・・馬鹿は何処にでもいるもんだな。」


そう言ってそいつらに近づき何も言わずに女性を組み伏せているモンスターの頭を掴み握り潰す。


「何だてめぇ!」

「誰が暴行していいと言った?殺す事だけは許したはずだが?」

「うるせぇ!今まで散々虐げられてきたんだ!今度はこっちがやってやる番だろうが!」

「じゃあ、お前も要らん。」


指をパチンと鳴らすと粋がっていた男の後ろに黒い渦が発生する。

男はまだ粋がって俺に罵声を投げかけていて自分の状況に気づいてない。

隣の男が気づき腰を抜かして後ろに下がる。

次の瞬間中が針だらけの棺桶が飛び出し男を串刺しにする。

「ゴガッ!」という声を上げたがすぐに針のついた扉がバタンと閉まり闇へと消えていった。

魔法:ニュルンベルクの処女、通称アイアンメイデンを使ってみたのだ。


「なるほど、こんな感じなのか。」


残ったモンスター1人が怯え後ずさる。

助けたはずの乱暴されかけた女性も破れた衣服を直す事もせず這いずって逃げようとしている。

今度は触手を怯えたモンスターの方に伸ばす。

バシュッという音と共に水が発射され男の頭が無くなる。


「ヒィ・・・!」


乱暴されかけていた女は壁にへばりついて涙を流している。

助けたはずなのにかなり怯えられている。何故だ・・・

女にお礼言われたかった訳じゃないけど、助けたのに怯えられるのはなぁ・・・

考えながら踵を返す。

そこへ伝令が走ってくる。


「伝令!」

「俺の所に来るとか、何かあったのか?」


ネロルやアブドラの所への伝令なら判るのだが俺の所へ来るとは余程の事に違いない。


「ハッ!この帝国で現在活動中のレジスタンスが合流を求めてきております!」


レジスタンス・・・ねぇ・・・


「わかった、会おう。」


後ろの皆と一緒に近くの民家に招かれる。

そこには首輪をしていないモンスターと翼人や中にはエルフやドワーフも居た。

翼人の1人が俺に話しかけてきた。


「ようこそ、というのは変ですね。

 初めまして、私はレジスタンスの指揮をしているダークという者です。」

「センだ。それで合流したいというのはどう言う事だ?」

「はい、私達は奴隷制度の撤廃を求めて活動していたのですが、活動は思わしくありませんでした。

 仲間は捕らえられて殺さたりして現状ここに居るメンバーが最後です。

 これからの活動を考え途方に暮れていたのですが、そんな時この国が攻められ貴方がたが現れたのです。

 聞けば奴隷を解放して戦わせていると言う、お願いです、我々にも手伝わせてください。」


俺は考えた。


「いくつか質問しても良いか?」

「どうぞ!」

「お前達はこの国をどうしたいんだ?」

「奴隷制度を無くしモンスターの人達と手を取って共存したいと考えています。」

「それはお前がトップに立ってか?」

「いえ、トップは投票で決めたいと思っています。

 兎に角今はこの帝国の王家を滅ぼさないと話しになりません。」

「ふむ、それじゃあお前にメリットが無いじゃないか?

 人とは自分にメリットがあるからこそ動くものだぞ?

 本当の望みを言え。」


ダークは少し思案して


「実は、好きな女性が居まして・・・その子がモンスターなんです。」

「ほぅ・・・」

「助ける為に働いてお金を貯め、この国の腐った幹部に取り入って、やっとの思いで助ける事ができたのです。

 ですが、この国ではモンスターとの結婚は認められておりません。」

「なるほど、結婚する為にこの国を壊したいって事か。」

「極論を言えばそう言う事です。」


頬を赤らめ俯きながら照れるダーク。


「後ろの奴らはどうだ?」

「俺は同胞を解放したい。」


とリザードマンのようなモンスターが言った。


「そうじゃな、死んでまで奴隷になるなんぞ・・・」


とドワーフの男が言った。


「そうですよ、人を殺したと言っても色々な理由があるはずです。」


とエルフの女が言った。


「なるほどな。」


俺は考える振りをした。

答えはもう決まっている為だ。

愛の為に国を潰そうなんて馬鹿は面白すぎる。


「わかった、合流を認めよう。」

「え?!ありがとうございます!」

「但し!」

「はい」

「戦うのは許すが略奪、陵辱は許さん。

 そいつらはモンスターだとしても殺す。

 今来る途中にもそういう馬鹿は居たがな。」

「わかりました、出来るだけ徹底してもらうようにします。」

「よし、それじゃお前達は責任を持って奴隷だったモンスター共を束ねろ。」

「はい!」


レジスタンスの面々は手を取り喜んでいる。


「さて時間を食った、行こうか。」


後ろに控えていたコウ達にそう言って家を出るとそこかしこで火の手が上がっているのが見えた。

そんな中を高笑いをしながら浮遊する幼女(魔王)を見つけため息をつく。

その幼女は肥太ったおっさんを追いかけているようだ。

おっさんの手には奴隷用の鎖が握られており、その先には裸の女モンスターが3人引きずられる様に一緒に走っていた。


「あっはははは!ほら~、私を奴隷にしたいんでしょ?早く捕まえて見せなさいよ?」


追いかけながら時折指からビームを出して追いかける魔王。

さすがだ・・・暴君過ぎる。


「ぶひぃぃ・・・」


肉を揺らし懸命に走るおっさん。

少し可愛そうになってくる。

シラタマとコウが前に進み出ておっさんの行く手を阻む。


「何だお前達は!どけっ!」


手で払うようにコウ達退かそうとする。

その手がコウに触れようとした瞬間腕が無くなった。


「へ?うぎゃあぁあぁああーーー」

「汚い手で触らないで欲しいですね。」

「そうだニャ、見てるだけで吐き気がする容姿ニャのに、触ろうとしないで欲しいニャ。」


ネコ族だと判らない様にする為のマスクだが、「ニャ」とか言ってたら台無しだな・・・


「あら?セン、探してたのよ?」


上空からそんな事を言いながら降りてくる。

探してた?おっさん追いかけてたのに?

疑問に思ったが言う訳が無い。

俺まで「ぶひぃ~!」って走る姿が容易に想像できる為だ。


「あら?その後ろの翼人は?この国の人?」


後ろを振り返るとダークが見るからにガクブルの状態でアムドゥスを見ている。


「ああ、この国のレジスタンスのダークって奴だ。

 なんでも愛する女モンスターの為にこの国を潰したいらしい。」

「へぇ~~!見込みあるじゃない、私も少し手伝ってあげるわ!」


そう言って軽く拳を突き出すポーズをする。

するとその拳から爆風が発生し拳の前100mほどが更地になった。

無茶苦茶すぎる・・・


「アムドゥス、その位にしてやってくれ・・・こいつの言ってるのはそう言う事じゃなくてだな・・・」

「わかってるわよ!ちゃんと人がいないの判ってたから少し遊んだだけじゃない。」


俺はため息をつく。

後ろのダークなんかガクブルがMAXになり、生まれたての小鹿のように震えている。


「まぁ丁度良かった、今からルーの所に向うつもりだったんだ、お前も来い。」

「そうねえ・・・もうちょっと遊んで居たかったけど、まっいいか。」


そう言って横で「ブヒブビ」言っているおっさんの顔を撫でる。

するとおっさんがそのまま事切れた。


「それじゃ、行きましょうか。」

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