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死後世界触手譚  作者: 青風
魔王
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第69話     剣 と 軍

アブドラは自分の配下の戦闘の後始末をする為に戻っている。

俺もコウの班に終結宣言を出し移動する。


「あんちゃん、やっと取りに来たの?」


アイの解析待ちの時間を利用してカツの所に行くとカツからそんな言葉をかけられる。


「いあ、それとは別件だな。」


カツから「剣が出来た」とだいぶ前に言われていたのだが、剣技はあまり得意じゃなかったので取りに来ていなかったのである。

その為、俺の為の剣はカツの工場の奥に飾られ装飾のようになっていた。

「作ってくれ」と言っておいて取りに来ないとか、文句を言われて当たり前である。

1本はファイアーオブシディアンの一番良い部分を使って作られた刃の部分には、プリズムを通した光のような虹色が中心を通り波紋のように透けて見える。

そしてもう1本はブラックオパールを削り作った物で、全体的に刃の薄い部分は透明で向こうが透けて見え、太い部分に行くほど芯だけが黒のグラデーションになっておりその周りを青色の雷のような光を閉じ込めたかのような出来になっている。

この2口の剣はもはや芸術品と言っても良いほど美しく使うのが勿体無いと思うほどである。

一応この2口には4つの刻印を施しており、非損傷、切れ味UPを基本としてそれぞれに特殊効果として、

ファイアーオブシディアンの方には切った相手の魔力を利用しての爆発

ブラックオパールの方には切った相手から魔力吸収

という特殊効果を付けてある。なので刃の部分だけにしか鉱石を使っていない。

その刃を固定する為と刻印を隠す為に違う金属を使っている。自分が持つ柄の部分も勿論違う金属で出来ている。

あと1つの刻印は効果というよりも原理を知っている者しか使えないようにする工夫である。

ちなみに名前だが、ヘブンとヘルという名前が付けられている。


「別件って?」


作業を中断して手を拭きながらやってくる。


「カツ、どえらい武器をヴィンダーンに渡したらしいな?」

「いあー、あれは英雄に使ってもらうんだからって張り切っちゃったんだよ!常人には扱えないけどね。」

「常人には扱えない?」

「うん、あんちゃん、これ持てる?」


見せられたのは黒曜石の塊だ。

一人で持つのは厳しいがもて無い事もない。


「あの武器「地王」は、これと同じ重さなんだよね。」


と言う事はそれを軽々と振り回してるヴィンダーンがおかしいのだろう。

確かにそんな物は常人では扱えない、というかまず持ち上げるだけで精一杯だろう。振り回すなんて無理だ。

よほどヴィンダーンという英雄を尊敬しているのだろう。

そんな馬鹿げた武器を作るなんて・・・あとでヴィンダーンに使い心地を聞いてカツに教えてやろう。


「まぁ、あれがヴィンダーンにしか使えないのは判った。今は味方だし敵にならない事を祈っておくよ。それで次の用件だが・・・」


そう言ってアムドゥスの配下達の玩具を頼むのを忘れない。

報酬はキッチリ払っておくのが円滑な取引の第一歩だからだ。

ニルルにも念話で双子妖精とアムドゥス+モモの服を頼んでおいた。

モモの服は無くても良いのだが、アムドゥスの機嫌を取る為である。

これで次も協力してくれると思う。


カツへの用件を済ませヘブンとヘルを見る。

剣技は余り得意じゃないが今は剣技に精通しているアブドラが居る。

教えてもらうのも良いかも知れない。

そう思いアブドラ用の剣も注文しておいた。


解析は未だ進んでおりまだ完了しそうに無いので次の行動を考える。

次の目標である帝国との戦いの為に部隊を編成しておこうと思いカツを呼んで一緒に会議所へ向かった。

皆には念話で知らせ、ムズにはアブドラ、ニルルにはアムドゥスを呼んで来てもらう事にした。

会議所には既にシラタマ、ブッチー、ルー、ジー、ネロル、ヴィンダーン、マルディそしてコウが居た。

俺が席に着き皆がそれぞれ席に着く。

遅れてやってきたムズ、アブドラ、ニルル、アムドゥスも席に着いた所で話始める。

アブドラはアムドゥスの方を見て驚いていたがアムドゥスは興味が無さそうに一瞥しただけだった。

皆に戦いの結果とアブドラの紹介などを済ます。


「というわけで、アブドラは軍ごとこっちに移住してもらう事になった。誰か意見は?」


ジーがすっと手を挙げた。


「ん?ジー何かあるのか?」

「はい、モンスターの軍勢がこちらに移住という形になりますと、住民が不安がったりすると思われるのですが?」

「その辺は徹底させるつもりで居る。アブドラ」

「ハッ!」


勢い良く立ち上がるアブドラに驚くジー。


「きつく言ってありますが、万が一、一般の住民の方に手を出した場合最上の罰を持って対処させていただきます。」

「最上といいますと?」


ジーがアブドラに聞く。


「先に、我々にそのような丁寧な言葉遣いをして頂かなくとも大丈夫です。そして、最上というのは磔にした上での処刑ですが被害者が望めば被害者に執行してもらう事も考えています。」


と平然とした顔で言い放ち。周りからどよめきが起こる。

少し謙り過ぎじゃないだろうか?と思ったので口を挟む。


「身分としては、同等と考えて置いてくれればいい。

 ジー達もモンスターの達を同胞と考えもし間違ってる事があればすぐに教えてやってくれ。

 今までと環境が一変するのは間違いないだろうからな。」


その言葉を聴きジーが頷き立ち上がる。


「それではこちらも、一般人がモンスターの人達を蔑んだり差別をした場合厳しめの処分を下すとします。」

「そう言って頂けると有難い。」


アブドラがジーの方へ歩いていき手を差し出す。


「これからよろしく頼みます。」


アブドラがそういうとジーも快くその手を取る。


「それで、これからだが・・・魔王軍の侵攻により話が有耶無耶になりかけたが、俺らの今の敵は帝国だ。」

「帝国、ですか?」


そうだった、アブドラは知らなかったんだった。

アブドラに今までの経緯を説明する。


「奴隷・・・ですか・・・少佐が一番嫌うタイプですね。」

「そうだ、だから助ける。こっちの世界では好きにする事に決めているからな。」

「判りました。」


ワザとらしく咳払いを1つして話を仕切りなおす。


「それで、軍を再編するので聞いてもらいたい。

 元帥、ムズ!」


そう言った瞬間全員が立ち上がり非難の言葉を口にする。

何故センじゃないのかとか、諦めが悪すぎるとかである。

思わず「ご、ごめん・・・」と謝ってしまうほどの剣幕だった。

折角ごり押しして悠々自適に暮らそうと思っていたのに、無理だった。


「じゃぁ改めて・・・元帥を俺として・・・」


そして、決まったのが


元帥:セン

軍事総大将:ムズ

第一軍大将:アブドラ

第二軍大将:ジー

第三軍大将:ルー

防衛顧問 :アムドゥス

親衛隊  :コウ、シラタマ、ブッチー

軍物資担当:カツ、ネロル、ニルル


である。

現在の戦力的にはアブドラの方がムズより強いが、進化すればムズの方が強くなると思ったからだ。

アブドラには今回の進化が落ち着いてからアイを移植しようと思っている。

防衛顧問というのはイザという時アムドゥスに守って貰おうと考えているからだ。

「私?何故?」と言われ断られそうになったが「ニルルに今、モモの服を頼んでるんだけどね~?」といったら快く引き受けてくれた・・・チョロイ。

軍の再編も終わり、議会も解散となった所で


『マスター、解析終わりました。』


と天之声が届いたのでコウを連れて(一人で進化したら殺されるから)家に急いで戻った。

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