第52話 ローリ と 帝国
ニュアンスだけですが陵辱を仄めかす言葉が入っています。
もし、気分を害される方が多ければ削除しますので言って下さい。
ミルについでにアムドゥスを呼んで欲しいと伝えコウと共に部屋に入る。
そして念話でニルルとシラタマも呼んだ。
女の子が多いほうが話しやすいと思ったからだ。
ニルルとシラタマが同時に入ってくる。
「拾われたのはこの子かニャ?」
「へえ・・・綺麗な羽ね。」
二人は思い思いの感想を口にする。
顔はまだ包帯が巻かれており、片目しか見えないし、口元にはまだ青痣が残っておりまだ容姿が判らない部分があるのだろう。
そして少し遅れてアムドゥスが入ってきた。
「来てあげたわよ?」
「すまんな。同じ女性が多い方が安心できると思ってな。」
女の子と言わず、あえて女性と言う。
皆が席に着きハルピュイアは俺達を不思議そうに見るが恐怖の色は無い。
早速質問をしてみる事にした。
「名前は?」
「ローデ・サマラス・・・です」
え?本名?うそ~ん!
「い、いや、生前の名前じゃなくて今の名前だよ?」
「え?別の名前ってあるんですか?」
逆に質問された。
そう言えば自分達も勝手に自分達で名前を作ったんだった・・・
「アムドゥス、名前って自分で決めるものなのか?」
「そうよ?私の場合はつけて貰ったのだけどね。」
なるほど、確かにネコ族は親につけて貰っているのでモンスターのこの子は名前が無いのが普通なのか。
「じゃぁ、捕まってた時は何て呼ばれてたの?」
そう聞くとしばし考え込むローデそしてトンデモ無い事を口にする。
「・・・メス豚?」
「・・・・・」
「「・・・・・」」
俺も絶句、後ろの女性陣からは微かな殺気さえ漂ってくる。
ここに女性陣を集めたのは間違いだったのかもしれない。と早くも後悔し始める。
クソッ!誰だよ!女性を集めるとか言い出したのは!
「まぁ、それは名前じゃないから忘れろ。それと後で良い名前を付けてやる。」
後ろを見ていないのだがウンウンと頷く感じが伝わってくる。
「それで、どうして捕まってたんだ?」
「どうして?といわれても判らない・・・死んだはずなのに、気づいたらこの世界に居て・・・
周りは草原だったんだけど誰も居なくて・・・この姿だったから少しは飛べたんだけどすぐ疲れちゃって、お腹がすいたから木の実を食べたりして空から人を探したんだ。
そしたら村を見つけて、行ってみたんだけど、モンスターだからと警備の人に追いかけられて、その時は森に逃げ込んで逃げられたんだ・・・。
森の中の方が安全だと思って木の上で寝てたらいきなり捕まって・・・
袋の中に入ってたから外の様子とかは判らなかったんだけど、袋から出されたら牢屋だった・・・
そこで翼に鎖をつけられて飛べなくされて、そして男の人が入ってきてボクを・・・」
そこでハルピュイアの言葉が詰まり、翼で自分の体を抱きしめる。
その反応にアムドゥスが口を開く。
「それは言わなくても良いわ。そんな悪夢は忘れなさい。」
アムドゥスがそう言った後、ニルルがハリピュイアを抱きしめる。
「毎晩・・・毎晩・・・男の人が一杯来て・・・」
ハルピュイアが泣きながらニルルに抱きつく。
「セン、あなた外に出てなさい。」
アムドゥスに言われ「え?」と思った時にはコウとシラタマに両サイドを抱えられて外に連れて行かれた。
多分、男が聞いて良い話じゃないのだろう。と察し、話を聞くのは全て女性陣に任せた。
囲炉裏の間でお茶を飲んで待つ事にした。
少しするとアムドゥスが出てきた。そして俺が口を開くより前に話し出した。
「ねえ?イヌ族を皆殺しにしてもいいかしら?」
「ホントヤメテクダサイ、オネガイシマス」
俺はその殺気にビビリながらも抵抗してみる。
「じゃあ、このムシャクシャ気持ちは誰にぶつければ良いかしら?・・・・そうだわ、セン模擬戦して見ない?」
「ムリッす!」
「1対全員でも良いわよ?」
「ヤメテアゲテ!」
アムドゥスがここまで機嫌が悪くなると言う事は相当な話だったに違いない。
「で、アムドゥス、奴隷は何人位居るんだ?」
「あの子は牢屋で過ごしててその牢屋1部屋に1人それが見える限りあったらしいわ。」
「と言う事は少なくとも数十~と考えた方がよさそうだな。」
「それよりも大事な事があるでしょ?」
「ん?」
「あの子の名前よ!あんたが拾ってきたんでしょ!責任持って付けなさいよね。あ、可愛くなかったら殺すわよ。」
なんという死の宣告・・・
おまえ・・・俺の名前のセンスの悪さ知らんのか・・・
自分ですら’セン’だし、飼ってた猫は’ムズ’だぞ?
しかもムズってホームズって長いと思ったからムズになっただけだぞ?
その俺に名前を付けろと?しかも可愛いのを?どうやって・・・?
アムドゥスの「あ、可愛くなかったら殺すわよ」が頭の中で木霊する。
ヤバイ、俺死んだかも。
「ハルピュイア・・・ハルピュイア・・・」
そこから必死に考えた。
「ろ、ローリ・・・なんてどうでしょうか?」
何故か敬語になりつつアムドゥスに聞く。
「ローリ・・・か・・・ま、良いわ。」
お許しが出た。ホッと胸をなでおろす。
何故、月桂樹かというと昔部隊の仲間が月桂樹の誕生花の人は男勝りな子が多いと言って居たのを思い出したのだ。
俺の高速思考でボクっ子<男勝り<月桂樹<ローリエ<ローリと変換されローリにしたのだ。
決してロリっ子<ローリではない。
こうしてローリという名前が付けられた。
さて問題はここからだ。
イヌ族を操ってる奴を突き止めそいつから奴隷を解放して移住できる奴はここに移住してもらう。
そして、もっとも大事な事だが、黒幕はアムドゥスに引き渡す。(じゃないと俺がストレス解消の的になるから)
そうと決まれば膳は急げと念話で皆に呼びかける。
久々に全員集合してもらうのだがブッチーにより町の中央に会議所を作ったと聞いているのでそこを使う事にする。
ローリはミルに見てもらっているので心配は要らない。
会議所に入るとその内側にもう1枚扉があった。
防音大作の為に大げさと言うほどの壁の厚さにしているのだ。
しかもそこら中に結界の刻印を入れているので万が一にも外に話し声が漏れることは無い。
ブッチーに進められるまま議長の席に座らされる。
円卓には20の席と壁側に幹部以外の席を置いてあるがそんなに人は居ないので円卓でも十分である。
コウ、ムズ、シラタマ、ブッチー、ルー、ジー、カツ、ネロルそして俺。
これが現在の幹部戦力である。ニルルは非戦闘員だし、グラニはここには入れないので俺が直接指揮を取る。
それにアムドゥス、ヴィンダーン、マルディがそれぞれの陣営の代表として参加する。
俺は今までの経緯を説明し、意見を求める。
すると、ヴィンダーンが
「あんちゃん、こらぁドワーフの国としては協力は出来ないと思うぞ?」
などと言い出した。
「奴隷ってのは聞いた事は無いが、ドルグが軍需物資を取引していた国で、帝国と呼ばれる所がモンスターを捕まえていると聞いた事がある。」
ドルグの名前が出てカツとネロルの顔がこわばる。
しかし懐かしい名前が出たもんだ。
そのヴィンダーンの意見に乗っかるようにマルディも口を開く。
「ヴィンダーン様が仰られた帝国ですがエルフの国でも同様の噂を聞いています。」
なんかビンゴっぽいなぁ。
「そこがイヌ族を使ってモンスターを集めてるって事か。」
「あんちゃん、そこと戦争するなら気をつけろよ。あそこは得体の知れない国だ。」
国か・・・相当大きいんだろうな。
「国というからにはそれなりに大きいのか?」
「ああ、デカイぞ。」
「そうですね、エルフの国よりも大きいです。」
ヴィンダーンを補足するかのようにマルディが付け足す。
しかし、奴隷は助けると決めたんだ。
帝国だろうがデカイ国だろうが関係は無い。




