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死後世界触手譚  作者: 青風
魔王
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第48話     功労 と 慰安

温泉地。

確かに温泉地だ。

後ろ(500m位後方)に溶岩垂れ流しの山があるけど。


「あの噴火口が気になるのか?」


ヴィンダーンがそんな当たり前の事を聞いてくる。


「当たり前だろ!いつ爆発するかハラハラしながら入浴とか怖すぎるだろ!」

「大丈夫じゃよ。あそこの溶岩はそんな大きな爆発はしないタイプなんじゃ。」


溶岩に爆発しないタイプとかあるのかよ。

なんかガスが溜まり難いからウンタラカンタラと言ってたが火山=爆発では無いらしいので後は聞き流した。

とりあえず入ろうとするとヴィンダーンに止められた。


「お前さん、そのまま入ると熱いぞ?」

「え?そうなん?」


そう言って手を入れてみる。

結果、熱すぎて悲鳴を上げた。


「ここら辺が良いかな。」


悲鳴を上げてる俺を無視してヴィンダーンが少し下の方を掘り出す。

そしてその掘った部分を少しずつ広げて温泉から水を引くようにつなげる。

そうすると温泉が少しずつ掘った所に流れ込みその間に入れる程度に冷めるという仕組みらしい。


早速出来上がった温泉に浸かる。

少し熱いが源泉掛け流しなんて贅沢をしてるんだ。

その位我慢するさ。欲を言えばこんなおっさんじゃなく綺麗所と入りたいもんだが。

グラニが入れる大きさの物は作れそうに無かったのですまないと声をかけると


「滅相もありません、主殿。自分はこの後子供達と水遊びの約束がありますので大丈夫です。」


と恐縮された。まぁ、子供に好かれてるようでなによりだ。


「センよ、お前さんこの世界をどうしたいんだ?」


ヴィンダーンがいきなり俺に問いかけてきた。勿論答えは決まっている。


「俺らってさ、死んでるんだぜ?」

「そうだな。」

「死んでまでモンスターだからどうだとか、戦争がどうだとか不毛じゃね?」

「というと?」

「楽しくしたいんだよ。死んでまであれこれ考えるのは面倒だし。」

「そうか。」


話はそれだけで終わった。

何を聞きたかったのか判らんし、思ってる事が伝わったかも判らんが、納得したのならそれで良い。

それから数十分のぼせそうになって上がって横に寝転んだり、また入ったりを繰り返す。

少し硫黄の成分が入ってるのか肌がつるっつるになった。

今度は皆と来たい物である。

皆で思い出した俺は近くに刻印プレートを設置する。

そして源泉の方には箱型を沈めた。


「んじゃ、ヴィンダーン、帰ろうか。」


そう言ってヴィンダーンを見たら、寝・て・た。

風呂の中で寝るとか自殺志願者かよ!

つか結構熱めのお湯なのに良くのぼせないのな。

と思いながら起こす。


「お、おお!なんじゃ?飯か?」

「今風呂入ってるだろうが!」


そう言って突っ込みを入れる。


「おお、そうだったそうだった。」

「そろそろ帰るぞ~」

「判った判った。」


町に戻ると早速カツの所に向かい置いてきた刻印プレートの対になる物を作る。

そしてそのプレートを持ってムズの家に行き今回参戦した者で功労順に10名ずつ呼んでもらった。


「このプレートは転移の刻印を掘ってある。10名ずつ向こうに行って貰うから。俺からの褒美だ。」


そう言って転移させていく。勿論源泉は熱いから入るな、とも言ってある。

この転移魔法陣は持続型なので魔力を数時間おきに注入してやるとずっと使えるのである。

その注入係はムズに任せて、俺はニルルの所に向った。


「ニルル、ちょっとこい。」


そう言って手でおいでおいですると「なんなのよ!忙しいんだからね!」と言いながらも来た。

そして耳元で内緒話をする。


「・・・・というのはどうだ?出来るか?」

「出来るわよ?」

「んじゃ、女用5つと男用7つ作っておいてくれ。何日くらい掛かる?」

「簡単なのなら2日あれば出来るわよ。」

「判った。」


そう言って家に戻る。そしてノコギリや金槌などを持ち出して日曜大工を始める。

その日はすぐに夕暮れで余り作れなかった。

次の日の午前中には家の外に流しそうめんの竹で作った流し台のような物を完成させた。

流し口にはもちろん箱型刻印である。

魔力を入れるとお湯が流れ出てくる。

竹の流し台を通って風呂場に向う。流し台の上で冷めるという寸法だ。

あとは温度を調節しながら流し台の長さを決めていき完成である。

しかし、まだこれは使わない。コウにも内緒である。


昼からムズの所に行くと丁度最後の兵士が温泉から戻ってきた所だった。

そして、おれはムズを伴って温泉地に向い作業を始めた。

戻って来ると辺りは薄暗くなっていた。

その夜、少し寝不足気味のニルルが例の物を持ってきた。

出来るのは明日だと言ったのに寝る間を惜しんで作ってくれたようだ。可愛い奴である。

ニルルから渡された袋の中身を確認する。


「これは・・・いい物だ!」


そして、ニルルを家まで送り届けまた明日と別れる。

次の日、コウに12人分のお弁当を頼んだ。

そしてまずはモモの家に行く。

案の定アムドゥスも居た。

二人にピクニックに行くから。と言うと快く了承をもらえた。

モモはコウのお弁当を手伝ってくれるみたいでコウと合流してくれた。

あとはシラタマ、ブッチー、ルー、カツ、ネロル、ニルル、ムズ、ジー、グラニを呼んで回る。

そして家に戻ると丁度お弁当も完成していたので皆で出かける事にした。

ムズの家に行き転移陣の上に乗る。


「ほう、転移の陣か。」


アムドゥスはすぐに判ったようだが何処に飛ばされるかは判るまい。

飛んだ先で皆が感嘆の声を出す。

そこには昨日まで無かった広々とした温泉があった。

グラニが入っても全然問題無いほど大きなものだ。

深さはそこまで無いが座ればグラニでも十分入れる。

俺は皆の方を向き


「皆で入ろうぜ!」


というと、女性陣から殺気の篭った声が飛んでくる。


「センさん、皆でって得するのは男性陣だけでは?」


そう言ったのはコウだ。顔は笑ってるが声が笑ってない。

アムドゥスも俺を殺さんばかりに殺気を放つ。

だが大丈夫!ここで例の物の登場だ。


「こ、これを見ろ!」


ちょっと女性陣の殺気にピピリながら袋を上げる。

その中にはニルルに作ってもらった水着が入っていたのだった。


「みんなのサイズが合う様にニルルに頼んでるから向こうの岩陰で着替えてきなさい。」


そう言って袋ごとコウに渡す。

女性陣もそれならばと岩陰に消えていく。

さて、男性陣もマッパって訳には行かないので水着に着替え入る。

女性陣の方からは「ワニャー!」という声が聞こえるが無視である。

風呂に入り暫くするとモモとアムドゥスがやってきた。


「なかなか良い仕事をしてるじゃない?」


モモは大人しめのワンピースタイプの水着だ、モモの感じに良く似合っている。

アムドゥスは心は大人で元々お水って事もありビキニにしたのだが、幼女のビキニって・・・サレオが見たら喜びそうだな。

次に来たのがニルルとコウだ。

ニルルは上がビキニタイプだが下がショートパンツになった物だ。元気っ子っぽさが出ていて良いと思う。

コウはビキニにパレオという物だった。海じゃないんだからパレオって・・・とも思ったが海に行くのもいいかもしれない。

有るのかは知らないがな!

そして最後はシラタマだ。


「ニャんでワタシだけ・・・」


そう言って出てきたのはスク水姿のシラタマだった。

胸にはひらがなで「しらたま」と書いてある。

胸が大きいので文字も膨らんで見える。ナイスである。


「ワタシも皆みたいな可愛いのが良かったニャ・・・」


と言ってるが、俺が「似合ってるぞ?」と言ったら機嫌を直した。

そうして皆で温泉を満喫したのである。

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