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死後世界触手譚  作者: 青風
町作り
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第31話     魔法陣 と 賢者

結果から言うとミーリエの要請をコウは断った。あの後もかなり食い下がられたけど。

話が進まなくなりそうだったので、俺の方から妥協案を出した。

もし魔王の情報が手に入ったらエルフ国、ドワーフ国、キルク村(俺達)で調査をし討伐できればすると言うものである。

それまでは俺達の好きにさせて貰う、そう言って出てきたのだ。

あと、魔法に関しても教えてもらえるようになった。

魔法陣を開発する機関には普通幹部クラスでも中々入れないのだが「始祖様であれば隠す必要も御座いません」とミーリエが許可をくれた。

三男坊に関して俺は禍根を残したくないので殺しておきたかったのだがミーリエ自身が「よく言って聞かせます」と懇願されたので余り強くは出れなかった。


早速俺達は魔方陣を開発する所を見せてもらう事になり、長女のアンダが案内として付いてくれる事になった。

城を出てグラニに乗り壁を潜る。アンダはグラニには乗らず自分用の馬に乗り先導してくれている。

魔方陣の形になっている町並みを抜けていき少し大きめの屋敷へと案内される。

一見普通の家なのだが中に入るまでに2回魔法的な開錠を必要として中に入るとメイドや執事達が居たのだが隙の少なさからかなりのて誰である事が伺える。

屋敷の中央の階段部分でアンダが手摺に隠れるように配置してある魔法陣に魔法を通すと階段が浮き上がり地下への階段が現れる。

流石に国の最重要施設だけはあるな、とそう思わざるを得なかった。

地下の扉でもう一度開錠の魔法を使い中へ入るとそこは楕円状で下へ3階ほどの広さを持つの図書館のような場所だった。

ただ1つ違うのは一番最下層の部分が大きなテーブルが1つと壁に沿うように並べられた机である。

壁沿いに配置された机では一人一人が様々な魔方陣の研究を行っているらしい。

今の俺達には何か模様を書いている程度にしか感じられなかった。


「始祖様、ここをお好きにお使いください。」


アンダがそう言って机を1つ貸してくれた。


「コウでいいですよ。」


コウがアンダにそういう。


「では、改めましてコウ様、此処には今まで作った魔方陣なども上の本棚に置いてありますのでご自由にお使いください。」


そう言って一礼するアンダに対し、「様も要らないんだけど・・・」と言うが「そんなわけには参りません。」と言われ諦めるコウ。


「ありがとう御座います。アンダさん」


と諦めながらコウが一礼する。

アンダは自分の研究の為に去り俺とコウは魔方陣について学んだ。いあ、俺じゃなく”アイ先生が”だな。

それから数日間、今まで作られた魔法陣を見たり自分で書いてみたりと色々やってみた。

コウは攻撃系の魔法陣やカウンターマジックを軸に読み漁っている。

俺は手当たり次第に目に付いた魔法書をパラパラとめくる。(こうやるだけでアイ先生が全て理解してくれて教えてくれる)

ただ見ているだけだったが、客観的に膨大な量の魔方陣を見ていると法則的な事があるのに思い至る。


(アイこの文字はどういう意味だ?)

『その部分は持続時間の部分になります』

(ふむ、ならこっちの文字って要らないんじゃね?)

『YES:マスター』


メアの国に来た時に祖父グランペに教えてもらった囲碁がだんだん判って来た時のような喜びを感じる。


(この陣の文字と、こっちの陣の文字同じだけどこれも要らないよな?)

『YES:前者は場所の部分を指しますが、後者は別の場所に’この場’とつけているのでその部分は必要ありません。習慣的にかセットでひとつの文字と解釈しているようです。』


真理解析を持つアイが居てくれるからこそ判る事だし、全てをわかる者から教えて貰うと判りやすい。

なるほど、判ってくると結構面白い。

ふらふらと何気なしに他の研究員の術式を見て回る。


(あ~そこはその文字じゃなくこっちのがいいよね?)

『YES:あれですと発動が限定的になります。』

(やっぱりそう言う事か。アイ先生は偉大だな!)

『何故、先生なのか理解に苦しみます。』


そのまま歩きつつアイに教えを請いながら歩を進める。


「持続時間の問題さえクリアできれば・・・」


そう聞こえ、横を見ると紙の上に書かれた魔方陣が見えた。

何気なしにそれに近寄りしげしげと見つめると無駄な場所が見えてきた。


「あ~結構複雑だな。けど、ココとココ要らないな。」

『付け足すならば右上の場所にこの文字を(頭なの中に見せてくれた)書くとこの魔方陣は完成します。』

「それじゃ、ココも要らなくならないか?」

『YES:マスター、私の美的感覚からすると右下の文字を最初抜いた所に収めその場所にこの文字を入れると尚良いです。』

「なるほど、見た目的にその方が綺麗だな。」


周りから見れば独り言を呟きながら紙に書き込んでいく。

存分に書き足し満足して前を見るとアンダと研究員3人が唖然とした表情でこちらを見ていた。

直感的に(やっちまった。)と悟った。

よく周りを見ると、そこは中央に置かれた大きなテーブルだった。

新魔法陣をここの責任者であるアンダが検証していた所みたいだ。

俺は慌てて


「あ、ごめ・・・」

「素晴らしいです!流石始祖様の従者だけの事はあります!」


謝ろうとしたら逆に褒められた。まぁ、従者じゃないんだけどな。

そう思いながら戻ろうとするとテーブルの反対側からアンダが駆けて来て手を握る。


「私達に少しでいいので英知をお授けください!」


研究員達も集まってきて期待の眼差しを向け懇願してくる。

頼られると俺も弱いので「じゃぁ少しだけ。」と言って教え始める。

つっても、俺じゃなくアイ先生だけどね!

囲碁でいう級持ちが有段者相手に教えられるわけが無い。

まぁランク付けするならアイ先生は最強プロというより神と言った所だろうから余裕みたいだが。

これはどうでしょうか?と聞いてくる研究員に頭の中でアイが言った事をそのまま口に出す。

だが、悪い事だけではなかった。色々教えたりしている内に俺も少しずつ理解できたからだ。

そこから更に数日かけて研究員にアイの指導を施していると従者様ではなく賢者様になった。ここは転職の神殿か?

有る程度教えた所で俺は町を見たいとアンダに言うともっと教えて欲しそうにしていたが、立派な騎士を護衛として紹介してくれ町に繰り出した。

その騎士はアムロドと言う名前でアンダの弟らしく騎士団長なのだとか。


(え?ロボットに乗ってる?)


と一瞬思ったが


『マスター名前が違います。』


とアイに指摘された。判ってたけどボケただけやん!と言いたかったが言わなかった。

案内されて高級住宅地っぽい所を歩いてみたりして家を観察するとイギリス式の一戸建てっぽい雰囲気を感じた。

隊で色々な所に行っていたので家の感じの違いと言うものが少なからず判る。

武器防具屋では魔法刻印の入った魔法武器が多かった。強度を上げている物が殆どで切れ味は二の次なのかもしれない。

魔法武器防具は高いみたいだからそうなるのかもしれない。


合計で1ヶ月も滞在した頃には欲しい陣はほぼ把握していたし家などの情報も揃っていたのでそろそろ帰還する事にした。

俺は借りていた机に少し細工をしてコウにも帰ることを伝えるとコウに至っては陣に宿す精霊の行使も出来るようにしていたようだ。

ミーリエとアンダに礼を言った。持ってきた土産はミーリエに上げたら喜んでいて早速その布でドレスを作ってもらったようだ。着て来ており、「始祖様の温もりを感じます。」とか言っていたが、残念それはニルル作なのでありえない。

アンダには魔法陣の研究がかなり進んだと逆に礼を言われ「これからも良き教えをお願いいたします。」と言って居た。

よほど魔法陣の研究が良い方向に進んだのだろう。

アイにどんな事教えたんだ?と聞いたら


『この国の進歩率からして時間換算で500年程度進めたでしょうか。』


と言って居たので聞かなかったことにする。

進んだと言うよりむしろ技術革新に近いんじゃないだろうか?

馬鹿王子ことマルディは城の塔の上層にある牢で謹慎中との事だった。

もう馬鹿な事を考えないでくれるとありがたいんだがな。

そう言ってコウを抱き上げグラニに乗り別れを告げた。

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