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死後世界触手譚  作者: 青風
猫村
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第17話     家にいる血統 と 恨みの決闘

バーベキューの翌日コタに話を聞こうとコタの寝ている部屋を訪れる。

まぁ、しらたまを弱点攻撃で気絶させた後コウに「センさんも女買ってたんですか?」なんてちょっとした修羅場があったが「俺は紳士なので」とちゃんと説明(言い訳)した。


「コタ生きてるか?」

「はは、見事に生き恥晒しています」

「お前さんにしてもクロって奴にしてもどうしてそんなに人間を一括りにして目の敵にするんだ?」

「それは・・・」


少し思案したような顔をして


「私共は人間に飼われていたんですよ」

「私共?何人くらい居るんだ?」

「結構います。人を殺したいほど憎んでいるのは」

「どうして人間を殺そうとする?」

「裏切られ捨てられ殺されたからです」

「・・・それはどういう」


聞き終わる前にコタが続ける


「人間に飼われた後捨てられた時の落差が判りますか?」

「いや、判らんな」

「しかも私共はそれだけじゃない」

「「引っ越すから」「結婚するから」「お金がなくなったから」理由はそれぞれですが捨てられました。中には「大きくなったから」等もあります。」

「殺されたとは?」

「人間に飼われるのが長ければ長いほど捨てられた後温もりと食事を求め他の人間の住処に近づき捕まり保健所という所に連れて行かれ殺されました。

 過程は少し違いがありますが最後はほとんど同じなのです。人間を恨んで死にます。その部分は変わりません。」

「・・・」


言葉を発することが出来なかった。

そういう人間もいる事を知っていたから。


「私共は何か悪い事をしたのでしょうか!?大きくなったらダメなのですか!?ずっと子猫で居ろと!?」


悲痛に叫ぶコタ

なんと言ったらいいのだろうか・・・何が正解なのだろうか。

言える訳が無い。何も言い返せない。があえて言う。


「判るとは言わん。人間を信じられなくてもいい。俺らを信じろ!」

「俺ら、とは?」

「俺は戦場に居た頃からの習性もあるが同じ釜の飯を食った奴は仲間と見る。

 仲間は裏切らないし傷ついた所も見たくない。」


そう言って部屋を出る。

そのままキッチンへ行き暖めなおしてもらっていたギランを持ってコタの部屋へ。


「何処へ?」

「食え。お前の分だ。」


俺は答えずにギランを差し出す。


「は?え?」

「それは、お前がおびき寄せたヌシ級の身だ。

 いわば協力して捕ったような物だ。

 後で仕留めたコウにお礼言って置けよ?」

「やはり、あなたはデタラメですね。」

「デタラメかどうかは判らんがそれを食ったら俺らは仲間だ。」


そう言ってギランの乗った皿を受け取る。


「そうだ、せっかく死んでもここに来れたんだ。楽しまなきゃ損だろ?だからお前も手伝え。」

「元気になったらまたあなた方を狙うかもしれませんよ?」

「その時までには返り討ちに出来るようになっておくさ。コウに暴れられてもフォローする俺が大変だしな」

「あれはもう勘弁して頂きたいですな」

「だろ?俺もそう思うよ」


引きつった笑みを浮かべるコタに同意し笑う。


「後で、出かけるから用意しておけ」

「出かけるとは?この通り満足に歩く事もできませんが?」

「もちろんクロの所だ。後で迎えに来るからな」

「まさかクロ様も説得なさるおつもりで?」

「まだどうするかは決めてない。まずは話してからだな。んじゃちゃんと食って置けよ?」


そう言って部屋を後にする。

部屋を出てムズとコウを呼んでクロの所に行くと言った。


「判った。」


そう言ってムズは俺を抱こうとする。


「ん?ムズはコタを連れてって欲しいんだが?」

「え?」

「ん?俺がコタ担いでも良いけど行くのにかなり時間が掛かるよ?」

「兄ちゃんが担いで、俺が兄ちゃんを抱くんじゃ?」

「俺とコタ両方持つ事にならないか?それ。」

「・・・」

「私がセンさんを抱いていきますよ?」


コウが口を開く。序列の関係上かムズが固まる。


「んじゃ、用意しようか」


ムズが目に見えて落胆しているがこればかりは仕方ない。

早速用意してクロの家へ向う。

クロの家の前に着きドアをノックすると中からメイドが出てきた。


(む、この子は美人だなぁ~元は何だろ・・・これだけ美人で背が高いとするとメインクーン辺りか?

にしても、メイドとかの非戦闘員の方が血統種多くないか?)


等と考える。

出てきたメイドは俺の姿を見ると怯えさらにその後ろで包帯だらけのコタを見て倒れた。

いきなり俺はハードルが高かったか?

倒れた時地面にぶつからない様触手で支えつつ


「勝手に入るよ~」


と中に入っていく。

バタバタと中から足音が聞こえ


「な、何だ貴様は!モンスター風情が我が屋敷に何の用だ!?メルはどうした!」


メルというのはメイド猫の事だろうか?


「え?コタ返しに着たんだが」

「は?」


そう言って後ろのムズがおぶっているコタを見て目を剥く。


「コ、コタ!」

「申し訳ありませんクロ様」

「どうしたその姿は・・・」

「見事に返り討ちにされました」

「まさかお前が手も足も出ないほどなのか?」

「いあいあ、俺は4枚おろしにされたよ?」

「な!え?それでは何故生きてる!」

「え?その程度じゃ死なないから生きてるんだけど?」

「は?」

「それよりも、襲わせた事を認めるんだな?結構素直じゃないか。」

「我等は人間みたいに嘘はつかん!」


確かにそうだな。と思う。

しらたまとかムズとか見てると嘘を付く事がないというか自分の欲望に素直というか。

裏表がないんだよな。


「まぁ、別に襲われた事はどうでもいいや。俺も良いって言ったしな。んで、企みが潰えた訳だが、どうする?」

「企みが潰えたのだから俺に言う事を聞けというつもりか?我等は人間など信用はしない!」

「うん、まぁ、その辺の事情とかも一通り聞いたからいうけど、別に人間を信用しろとはいわんよ?」

「では何しにきた!」

「いあね?まずは最後まで話を聞け。人間を信用しなくても良いけど俺らを信用しろ」

「ハッ!何を言うかとおも・・・」

「仲間にならんか?いあ、仲間ってより家族だな。」


クロが言い終わる前、かぶせるように告げた。


「な!」


家族という言葉にうろたえるクロ

俺はコタに言った事を説明する。


「ふざけるな!今更すぎるわ!我等はもう殺されてるんだぞ!?」

「うん、そうだな。集会場でも言ったが死んでここに来たからこそお前達は生前の分まで幸せになるべきじゃないのか?」

「クッ・・・わかったような事を・・・」

「判らんよ?保健所で殺されるなんて無いからな。その楽しめなかった分を今取り戻す事が来出るんだぞ?何故それをせず復讐なんて事やってんだ?もっと楽しめよ。」

「復讐の何が悪い!」

「悪くは無い。俺もレンジャー部隊で人を殺した理由が父親ころされたからってのもあったしな。でも、やり遂げた後やることなくなるぞ?」

「それでも、あの苦しみを少しでも味あわせてやりたいと思うのだ・・・」

「それなら、こう考えろよ。苦しめた奴ら以上に楽しみたいってな。他の人間とかがどうなろうと自分が一番楽しめれば相手に勝ったことにならんか?」

「・・・」


歯を食いしばり俺の目を見つめるクロ


「それにな、俺らはお前ら裏切らんよ?裏切ったならいつでも殺しに来来ればいい。」

「・・・俺と決闘しろ。勝ったら言う事を聞いてやる。」


あ~やっぱりそうなる?動物の本能なのかねぇ?弱肉強食って。


「別に言う事を聞かせるつもりは無いがいいよ?いつにするんだ?いつでもいいよ?」

「では今から、この場でだ!」


そう言って殴りかかってくるクロ

でも、コタより遅いし丸判りのテレホンパンチだ。

触手で絡め取った後クロの頭の上に飛び移り軽く帯電する。

それで決着が付いた。

クロとメルを並べて寝かせ起きるのを待つ事にした。


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