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死後世界触手譚  作者: 青風
猫村
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第15話     デタラメな攻撃 と デタラメな体

(うん、無茶苦茶だな。)


しらたまの胸に抱かれながら俺もそう思う。

なんという空中コンボ・・・あれ生きてるのか?

でもまぁ、そろそろ止めないと流石にヤバイだろ。

実は俺はやられていない。

3つや4つに分かれた程度だと分裂と変わらないのである。

痛みはあり麻痺毒もあったが俺には元々耐性あるしあまり関係ない。

ただ、敵の思惑が判らない以上やられたフリをしようと思った。

コウがああなるとは予想外だったが、言う暇無かったしな。

融合により自分の体がくっついていくのを感じる。


(しらたまが集めてくれたから融合も早かった。だが泣かしてしまったな。後で撫でてやるか。)


自分の体や触手が動くのを確認しながらそんな事を思う。

しらたまの腕から飛び降り見ると唖然としていた。

そりゃそうだ、死んだと思ったのに生きてたんだからな。

そのまま跳ねてコウの所に向う。

コウの後ろに着いた時に


「な・・・」


ムズからそんな言葉が聞こえたが今はコウだ。


「コウ、もういいよ?俺はやられてないから」


コウはトドメを刺すべく魔力を練っていたのだろう手の形になった翼から膨大な魔力を感じるが俺の声を聴いた瞬間ピクリと魔法への魔力供給が止まる


(こんな物ブッパしたらここら一体更地になるんじゃね?)


そう思いながらコウを見るとまだ相手を見つめ敵意を向けている。

俺は触手で優しくコウを包む。


「もう、大丈夫だから」


魔力の塊と共に翼が霧散する。

そして、こちらを振り向くと目から流れていたのは血ではなく涙だった。

コウは俺の触手を引き上げ体を抱きしめる。

少し苦しいが心配かけたし仕方ないか。


「センさん、生きてたんですね・・・よかった・・・」


そう言って俺を抱いたまま膝から崩れ落ちる。

俺がクッションになり地面にキスをする羽目にはならなかった。俺は痛いがね!

俺はもぞもぞとコウのしたから這い出し一息つく。


「ふぅ・・・さて・・・」


コタに近づく、まだ生きているようだ。見事にボロ雑巾だが。

ムズも近づいて来る。

俺の触手を食ったからだろう麻痺も治っているようだ。


「コタと言ったか?生きてるか?」

「ま、さか・・・いき・・て?」


言葉を発するのも苦痛のようだ。


「うん、生きてるよ?あれ位じゃ俺はヤレないね。」


かなり痛かったのは確かだが武器が悪い。

俺を切るのではなく粉々にするくらいじゃないとな。


「デ・・タラメ・・・です・・ね」

「お前を治療してやりたいが、俺はあいにく回復魔法というのは使えないのでな。痛いだろうが俺を襲った罰として受け入れろ。」

「わた・・し・・を・・・ころさ・・・ないので?」

「うん殺さないよ?俺はお前とも友好を結びたいからな」

「はは・・・かないませんね・・・」


ま、こんだけ喋れれば死にはしないだろう。

ムズにコタの治療をと言って腰を抜かしているしらたまとルーを見る。

ルーは「驚くのは疲れた」と言わんばかりの顔をして、しらたまは涙をぽろぽろとこぼしている。

しらたまの頭を撫でてやると撫でている触手に頬ずりし目を細める。


「まぁ、なんだ。生きてるから心配するな。」


そう言ってルーにはギランの解体を頼んでしらたまにはコウを洞まで運んで寝かせてもらう事にした。

ルーに荷車をこっちに呼ぶからと俺はしらたまの頭の上に乗り一緒に戻る。


(アイ、何故コウに俺が生きてると言わなかったの?)

『NO:言いましたが、言った時にはショックを受けた後なのかリンクが希薄になり声が届いていたか定かではありません。現在解析中です。

 ムズは判ったと言っていましたので判っていたかと。』

(ムズがそこまで取り乱していなかったのはそういう事か。)

(さてアイ、クロ様とか言ってたな。それが黒幕か?)

『YES:その可能性が高いと思われます。おそらく集会場に誰かだとは思いますが情報不足です』

(コタに聞かないといけないな。尋問か・・・好きじゃないんだけどな)


洞に到着すると荷車は5台出来上がっていた。

こっちに残っている3人の内2人に荷車でギランを取ってきてもらう事にした。

その間残った1人とブッチーと俺で荷車製作を続ける。

製作しつつ気絶して戻ってきたコウや重傷のコタを見たブッチーが


「向こうで何かあったんですか?」

「刺客が1人俺を殺しに来たくらいかな」

「え?大丈夫だったんですか?」

「うん。4枚におろされたけどこの通り」

「何と言っていいのか判りませんよ・・・」

「なんか攻撃してきたのは前の警備隊長らしいけどな」

「「は?」」


この言葉に隣で作業していた隊員も一緒に驚いてる。

あ、やっぱ驚くよね?と思いつつも


「コウにフルボッコされてたけどな」


と言ったらさらに驚いていた。


「そのコウさんは何故気絶を?」

「力使いまくって疲れたのだろう」


ブッチーには悪いが流石に羽が生えてブチギレたっていう事を言うのもなぁ~

と思って適当に言っておいた。

後でしらたまから聞くだろうし。

あの力の事は謎だが今考えても仕方ない。

とりあえずコウが起きたら聞いてみるが望み薄だろうなぁ~

なんとか日暮れまでにさらに荷車を5台を作った。


次の日コウが起きた。

コウに念話で


(覚えているのか?)

(覚えて居ます、センさんが殺されたと思って目の前が真っ白になった後、全てを壊したいという衝動にかられた時に、すごい力が私に圧し掛かるような感覚がありました。

 その後私は後ろからその行動を見ているような感覚でセンさんが私を抱きしめてくれた時に抱きしめたいと思ったら元に戻った感じです。)

(なるほど、その力は何かわかるか?)

(そこまではちょっと・・・)

(アイはどうだ?解析できたか?)

『NO:まだ現在解析中です、理解明を使っても不明な点が多くしばらく時間が掛かります』

(そか、どんな些細な事でも判ったら教えてくれ)

『YES:マスター』


判らない事を今考えても仕方ない。


「コウ動けるか?」

「はい、問題ありません」

「よしよし、じゃぁキルク村いこうか」

「バーベキューですか?」

「そそ、折角捕ったのに腐らせても勿体だろし、イレギュラーとは言えヌシ級まで手に入ったし。」

「そうでしたね・・・じゃあ、いきましょうかー」


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