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死後世界触手譚  作者: 青風
猫村
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第12話     最終兵器 と 秘密兵器

く・・・苦しい・・・


ガハッ!


起きるとムズに抱きしめられていた。

何故こうなったかと言うと、昨夜


「今日はムズさんと寝て下さい」


と有無を言わせぬ笑顔でコウに言われたからだ。

ムズは喜んで俺を抱えベットIN

そして現在である。

俺には男と寝て喜ぶ趣味は無いんだが昨日は色々な所で超回復を使いまくったためか疲れていてすぐに眠りに落ちた。

少し開けてある天窓を見ると空が白み始めた時間だ。

寝なおす事もできそうにないので起きたいのだがムズの腕が邪魔だ。


「気持ちよさそうな顔して寝やがって・・・」


触手を伸ばしムズ頭を撫でる。

世界がどの位の広さなのか知らないが死んだ知り合いと会える確率なんてかなり低いんじゃないだろうか?

この世界に来てよかったと初めて思ったわ。

触手で耳の中を撫でると耳がパタパタしてムズが起きた。


「あ兄ちゃん、おはよう・・・」

「おはようさん」


ん~~~とノビている。

俺もやっと解放される。

寝ぼけてるムズを放置して飛び跳ねリビングに向うとミルはもう起きて机を拭いていた。


「ミル、おはようさん」


ビクッとして振り返り俺を見るが恐れては居ないようだ。


「おはようございます」

「まぁ、なんだ、少しの間ムズを借りるが出来るだけ早くミルを呼べるようにしてやるよ」

「ありがとうございます」


少し気を利かせていってみたらそっけない返事が返ってきたが尻尾は揺れていたので思いは通じたようだ。

愛されてるなぁ~ムズめ・・・

俺はそのままポシェットを装備して明るくなってきた外に出る。

扉を開けたらコウが弓を空に向けて構えていた。


「おはようさん」

「あ、センさんおはようございます」

「何してたんだ?」

「強くなった弓の感触を確かめておこうと思ったのと朝錬みたいなものです」

「そかそか」


そう言って外を眺めると昼と変わらないくらいの人が居た。

こちらを伺うのも数名居たが俺が出てくるとそそくさと早足で立ち去ったり物陰に隠れたりした。

当然と言えば当然だが監視をつけられていた。

昨日ムズに抱かれて戻ってくる途中から監視の目があるようだ。

きっと集会場にいた誰かが俺に監視をつけたのだろう。全然いいけどな。

何故わかったかと言うと隅に表示してあるマッピングの中に不自然な動きをする反応があったので

それとなくアイにそれだけ色をつけておけと言って色をつけてあったのだ。

その隠れた反応を見つつ


「今からちょっと周りを見て回ろうかと思うんだが来るか?」

「はい、付いていきます」


俺を抱き上げ、どちらのほうに?と聞いてきたので触手で指示をする。

昨日ムズに聞いた時に基本的に自分達で何でもやると聞いていたが

鍛冶屋とも無いのだろうかと思い探してみる事にする

結果無かった。

この時間だからなのかもしれないが煙が上がっているところが無かった。

朝は狩りの時間らしく皆武装して川の方や村の裏手の森へと入っていった。

相変わらず奇異の視線を感じるが小1時間ほど歩いただろうか、そろそろ戻ろうと思いコウに指示を出す。

戻る最中にそれは起こった。

てててててと目の前をネコミミ幼女が走って通りすぎようとしてピタッと止まり俺のほうを見たのである。

何あの可愛い生物・・・そう思った時にはすでに触手は動いていた。

ポシェットに触手を突っ込んだらコウも立ち止まった。

その子の母親だろうか?その子に抱き覆いかぶさるように地に伏せる。

ポシェットの中の秘密兵器を装備した触手をその子の近くに下ろす。

親のほうは怖いのか目を瞑っている。

俺はかまわずウニョニョと触手の先を動かす。

その女の子は最初はキョトンとしていたが俺の触手の先に付いているものを見て目の色を変える。

母親を押しのけてその近くによる。

ジッと低姿勢で見ているが尻尾は正直だ。ゆっくり、だが確実にゆれている。

母親が起き上がり心配そうに見ているがさっきより警戒心は無いようだ。

そう、俺の触手の先についているのは秘密兵器のひとつネコジャラシである。

俺と子猫の無言の戦いが始まった。


ジリッジリッと近づく子猫

そのジリジリにあわせて逃げるように動かす俺の触手

そして触手を一気に逆サイドへ!

子猫も遅れまいとすかさず目で追い体勢を整えなおす。

ちょうど子猫が届くか届かないかの所をこれまた反応できるギリギリの速度で通す。

子猫の手がピクッと動くがまだこない。

少し遠くでジャラシをピクピクと動かしタイミングを計る。

子猫も狙いを定めたのか更に体勢を低くする。

3,2,1・・・GO!

シュッという音と共に逆サイドへ走らせる!

子猫の手が伸びる。両手だ!

俺の触手が唸りをあげてその手に収まらないよう移動する。

子猫の手が空を切る!勝った!チョロイな・・・

そう思った次の瞬間触手に痛みが走る!


ぐお・・・なん・・・だと・・・


子猫は何も入ってない両手を地面につけたままその様子を見る。

そこには俺の触手に噛み付くしらたまの姿があった。

何も言わずに触手でしらたまをぐるぐる巻きにする。


「ニャんで~!」


吊るされるしらたま。

コウも少し呆れている。

その後、子猫には侘びとしてブラシをあげた。

母親はお辞儀をし子猫は「またあそんでにゃ~」と帰っていった。

さて、こいつをどう処分しようか・・・

とりあえずコウから降りてムズの家までしらたまを引きずって歩いた。

ムズは庭にいて俺が戻ってくるのを補足すると走ってきた。


「さがしましたよ!何処行ってたんですか?」

「ん?ちょっとな。労働力の確保だ。」


ボロ雑巾のようになったしらたまを持ち上げる。


「また、何かしたんですか?」

「いあ、ちょっとな」


しらたまを解放してコウにブラシ渡してしらたまを洗ってきてくれと頼む

コウは「いいですよ」としらたまを連れて行った。

風呂場から「いやニャー」と時たま聞こえるが無視する。

ムズとリビングで向かい合う。


「いくつか気になったんだが」

「はい」

「皆、武器を持ってるよな?」

「ええ、持ってますよ」

「そういう鉄製品は何処で手に入れるんだ?」

「ドワーフたちと物々交換をして手に入れてるよ」


やっぱり居たかドワーフ。いよいよゲームじみてきたなぁ~


「この近くにはどんな種族が居るんだ?」

「どのくらいまでが近くなのかが判らないけど、物々交換をしにいくのはドワーフ、コロポックル、エルフなどかな?」

「人間は?」

「人間というか亜人、今言ったドワーフやエルフやコロポックルなどの元人間だった者の事を指すだけで完全な人間は居ません。」

「そうなのか、それでどんなものを交換するんだ?」

「ドワーフ達とは鉱石、コロポックルは鉄製品、エルフは食料ですね」

「そか、その鉄鉱石は俺らでも取れる?」

「モンスターが居るので危ないですよ?」

「ふむ、入るのに許可とかいらんの?」

「そういうのは無いですね。死んでも自己責任ってだけかな。」


なら今度取りに行くか。

それから、この家に

ある斧やらノコギリやらの鉄製品を出しといてとムズに指示を出していたらコウたちが入ってきた。

何故かブッチーやルーも一緒に入ってき。

聞いたら


「しらたまを探していたらモンスターに連れ去られたのでもしやと思って・・・」


なるほど、それ正解。


「ブッチー、ルー親兄弟にギランあげたか?」

「はい、弟たちもかなり喜んでいました」


ルーも同じようでうんうんと首を縦に振り同意していた。

これからの事をしらたま、ブッチー、ルーに話すと俺を手伝いたいという事で同じく斧やノコギリが有れば貸して欲しいと取りに行ってもらった。

しらたま達が出て行くと入れ違いにジーが駆け込んできた。


「隊長お迎えにあがりました!」

「うん?俺隊長やめるよ?」

「は?」

「主人見つかったのに隊長とかもう無理だ、センさんの力になる事にした。」

「は?い、いきなり辞めるといわれましても・・・」

「ジー、後は任せた」

「え・・・」

「それと、少しの間ルミの面倒見てくれないか?」

「定住先が決まったら引き取りに行くから」


え?もしかしてムズ、言ってなかったのか?

全て決まってたんじゃないのか?

ジーが打ちひしがれて「隊長~・・・」と言っている。ちょっと可哀相。


「ムズ、引継ぎくらいちゃんとしてやれ。俺らだけでやっとくからさ。お前ならいつでも大歓迎だ。」


ムズは渋々頷く

俺はしらたま達が来るのを待って一旦住処に戻る事にした。

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