表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死後世界触手譚  作者: 青風
国家誕生
100/138

第97話     遅れて来た者 と アメーリア

「さて、誰から行く?」


センがそう言うとグラニとアブドラが1歩前に出る。


「グラニ殿はその背中の女が邪魔でしょうしここが私が。」

「ぬぅ・・・あい判った。」


渋々後ろに下がるグラニ、そのまま少し離れた所まで歩いていき蜘蛛女を降ろす。


「ここで見ているといい。」

「へ・・・?」


ポイッと女を降ろす。


「いたっ・・・ちょっともう少し優しく下ろしなさいよ!」


グラニは無視してセンの元へ戻ろうとすると隣の魔法陣が光る。


「では・・・」


アブドラが地を蹴り走り出す。

その隣を高速で駆け抜けるアービー。


「一番槍は俺が貰った!」

「な!アービー今まで何処にいた!」


ヘカテーは迫り来る二人に危機を感じたのか光の柱が降り注ぐ。


「アービーってあの光を見てたと思うか?」

「さっきまで居なかったので知らないと思いますよ?」


センの言葉に後ろから声が掛かり振り向く。


「遅れて申し訳ないです。」

「すみません!」


そこにはブッチーとローリそれから眠そうに目を擦っているシラタマが居た。


「どうせ、そこのシラタマが寝てただけだろ。」


センがそう言うとシラタマが目を見開き講義する。


「ニャ!わ、ワタシのせいじゃないニャ!」


そう言ってローリを見る。


「ボ、ボクが悪いんです!全部ボクが・・・」


そう言って恐縮するローリ。


『マスター、シラタマは嘘をついています、先輩風を吹かせてローリに被るように言ってました。』

「ほぅ・・・」


センは目を細めると触手を伸ばし久々にシラタマを簀巻きにする。


「ニャんで~!」

「嘘を付いた罰だ。」

「ニャんでバレた!・・・あ、アイかニャ!裏切りもの~!」


シラタマの言葉を無視して触手攻めを開始しつつセンは話を進める。


「2人共アイから今までの情報を聞いておけ。」

「「はい!」」


ローリは親衛隊には居る時に触手を食べた為アイを獲得済みである。

センはそのまま戦いに目を戻すとアービーが光の柱に弾かれた所だった。


「なんだよこれ!・・・絶対防壁だと、クソッ!」


アービーは今アイから情報を引き出したのだろう。

光の柱が消えていく。

そこを狙ってアブドラが走り出し、剣を叩き付けた。

鱗を少し傷つけ、飛来する尻尾を避け離れるとアービーの方を見てニヤリと笑う。


「初手は私だったようですね?いやいや、余りにも遅いものでつい・・ね?」

「・・・じょーとーじゃねえか!」


アービーが飛ぶ。

ヘカテーはもう一度光の柱を降らそうとするがアービーの速度はそれ以上だ。


「らぁっ!デスピア!」


ヘカテーの脇腹が抉れ血が噴出する。

そのままヘカテーの体を壁にして蹴り戻るとアブドラの方を向くとニヤリと笑う。


「こ・れ・が!攻撃ってもんだぜ?」


血に濡れた手をかざしてアブドラを挑発する。

光の柱が無くなり、ヘカテーが驚きを隠せず動揺しながら口を開いた。


「マサカ、マオウ・・・?」

「ちょっと前まで魔王だったぜ?今はセンの旦那の’1’の家臣だがな!」

「な!・・・誰が1の家臣だ!それは私だ!」

「こんなのはな、先に言ったモン勝ちなんだよ!」


アービーとアブドラが言い合いを始める。

その横でヘカテーが動揺しているのが見て取れたので畳み掛けさせる。


「次!グラニ、ネロル行け!」

「御意!」

「はい!」


グラニが走り出し、ネロルがその背中に飛び乗った。

ヘカテーはその様子を見て素早く卵を吐き出しラミアを展開させる。


龍顎ドラグーンファング!」


走る勢いをそのままにラミアを一蹴し槍を地に突き刺した。

急にグラニが止まり、それと同時にネロルがグラニの背を蹴りヘカテーに攻撃する。

予め回転させてたドリルナックルを先ほどアービーが傷つけていた脇腹に突き立てる。


「ゴァァアア!」


尻尾でネロルを弾き飛ばす、が飛ばされたネロルをグラニが受け止めた。


「よし、次!シラタマとローリ!」

「はい!」

「・・・・もう・・・ワタシのHPは0ニャ・・・」


触手攻めの直後だからかシラタマがグッタリして使い物にならなかった。


「ルー、ブッチー!」

「「はい」」


2人が走り出す。

そうしたヘカテーとの戦闘を蜘蛛女はジッと見つめる。

いや、今も言い合いを続けるアブドラとアービーを見ている。


(今確かに魔王と言った・・・あれが?)


アブドラとアービー2人の戦闘能力は確かに凄かった。

個人では手も足も出ないと思っていた神獣を手玉に取っているのだから。

それを言うなら今戦っているネコ族や他の者もそうだ。

しかし、そこまで差が有るようには思えない。

しかも、魔王2人もその他もセンというあの触手の臣下だという。

いつしか戦いを見るのでは無く、センだけを見つめていた。


「そろそろ仕上げか。」


立て続けに攻撃された神獣は満身創痍で立っているのがやっとのようだ。

それを見たセンがポツリと呟いた。


「それじゃ私が行きますね、ムズさん一緒にどうですか?」

「わかった。」


ムズ頷き走り出した。

コウはその場から魔法の弓を引き絞る。

一陣の光が弓から発射される。


ヘカテーはそれを防ごうと尻尾を体の前に盾のように立てる。

もう光の柱を使う余裕すらないようだ。

その尻尾に矢が刺さったかと思うとヘカテー全体を雷と伴った竜巻が包み込む。


「ワ、ワレハ ツミブカキモノヲ ジョウカスルノガ シメイ」


ヘカテーが竜巻から這い出て来る。

そのヘカテーの心臓をムズの爪が貫く。

ヘカテーはムズに鎌を振るう。

ムズが飛び退き、戦闘体勢を維持する。


コウが悠然と歩きながらヘカテーの前に行き剣を抜く。

その剣を高らかに上げるとヘカテーを包み込むように光が収束し始めた。

その時ヘカテーが何かを呟きそのまま光に飲み込まれた。


光が天まで伸び轟音と共に消えていくと、そこには空洞が出来ていた。

5mほど地下にヘカテーの息絶えた姿があった。


「よし、皆ご苦労だった、予定通り被害を最小限にする事ができた。」


センは皆を見回し功績を称えていく。

そして、最後にコウの前に行く。


「何か言われたのか?」

「いえ、何も。」

「そうか。」


コウの頭をポンポンと撫で、センは変身を解いて穴の中へ飛び降りる。

皆が撤収し始めコウとルー、それと蜘蛛女だけが残る。

捕食を終えたセンが穴から出てくると蜘蛛女の前に降りてきた。


「待たせたな、俺の名前は知ってると思うがセンだ。

 君の名前は?」

「アメーリア」

「それは前世の名前か?」

「いいえ、違うわ。」

「そうかアメーリア、それでこれからどうする?」

「私は強くならないといけないの、でも今の私じゃあの村は守れない。

 だから、助けて欲しい。」

「なるほど、何か訳がありそうだな、とりあえず俺達の町へ招待しよう。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ