2 夢の話し
マリエールは夢の話しを書き綴った。一日の大半を夢の話しの書く事に費やした。まるで諦め切れない悔恨があるように。
2 夢の話し
マリエールは夢の話しを書き続けた。マリエールは1日の大半それに費やした。心配したテレサや母親が様子を見に来るが止めようとはしなかった。食事を伝えるくらいでマリエールもそれには従った、マリエールは読み書き計算は出来るが、特に強要されたのではなく母親やテレサが勧めたところ良く覚え本を良く読むようになった。5歳のマリエールは勉強や礼儀作法はまだ強制ではない。
マリエールはほぼ毎日木簡作りに森に通った。不思議と魔獣に出会う事もなかった。マリエールの通う森は森のほんの入口だ。
マリエールの夢の話しは香織が本だけで見るやりたかったことだ。図書館、旅行、紙漉き、本作り、スポーツ、観劇、作詞作曲、歌唱、楽器演奏、通学、天体観測、踊り、化石採集、ホタル狩り-------------。香織は身体に負担がかかる事はほとんど何も出来なかった。家で読書しているか手芸とか絵を書くとか母親が香織のために始めたアートとか習字とか料理とか-------------。家で出来ることなら無理のない範囲でやる事は可能だが外に出るのは病院くらいのものだ。マリエールは果てしなく書き綴った。書いても書いてもマリエールの心は満たされなかった。まるで諦め切れない悔恨であるような。マリエールはふぅ~とため息をついて、
「終わったわ。」
まるでライフワークを終了したように、山本香織の人生が終了したことを告げるように深いため息をついて数百の木簡を箱の中に仕舞った。丁度その時夕食を告げる声がかかった。
夕食の時、父親の伯爵から、
「随分長く書き物をしていたそうだな。」
とマリエールは言われた。マリエールは、
「はい。読んだ本のことを忘れたくなかったので書き留めていました。」
伯爵は感心したように、
「5歳のお前が随分と殊勝な事だな。良かったら儂も見たいものだ。」
マリエールは平然と、
「どうぞ御覧になって下さい。お父様にお役に立つのか判りかねますが、娘がどんな事に関心を持っているのか知る機会にはなるのかも知れません。私の部屋のベット脇の箱に入っています。何時でも御覧下さい。秘密でも何でもございません。」
と言い切った。
数日後父から呼び出しがあった。父は、
「紙漉きとはどのようなものか。」
と聞かれた。マリエールは和紙の作り方を出来るだけ詳細に告げ、
「もし、やれとおしゃるのであれば道具と人手が必要です。材料となるものも探す必要があります。領に利益をもたらすのかどうか判然としません。」
父はゆっくり頷き、
「若くて軟かい木が良いのであったな。それととろろ汁のような粘り気のあるのりと。作業に必要な道具もお前では用意出来まい。テレサお前が人手も道具も材料も用意してやれ。マリエールお前がテレサに色々指示しろ。お前だけが知っいる情報だ。」
2人は父に了承の意思表示をした。
2人は父の部屋を退室すると、マリエールは、
「大変な事になったわね。先ずそんな材料があるのか森に詳しい人に聞かないといけないわね。」
と嬉しそうに言った。
父に紙漉きについて聞かれた。マリエールは和紙の作り方を細く説明した。父はテレサに道具と材料と人手の手配を指示した。




