表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美しい花には秘密がある  作者: 美月すず
第三章 三女 あおい編
34/38

葵3

週半ば。

あおいは、外回りを終え、会社のビル近くを歩いていた。

歩きやすいパンプスとはいえ、足が痛く、疲れが出ていた。

会社に戻ったら、事務作業が待っている。

甘い物でも、食べて癒されたいと思い、コンビニに向かった。


あおいは、がっつり甘い物を食べるか、ちょこっと食べるか、真剣に悩んでいた。

そこに、手が伸びてきて、一口サイズのスイーツを掴んだ。

なにげなく、手の主を見ると、上司が居た。

中大路なかおおじさんも、食べる?」

去年の秋から転勤してきたクールな上司だ。

以前のガツガツした体育系の上司とは違って、穏やかで優しく、仕事はクールな人だ。

180センチくらいの長身で眼鏡をかけている。

端正な顔立ち、いわゆるイケメン上司だ。

柿花直人かきはななおとは、キレイ系の美男子。

上司、名前を、香月聡かつきさとしは、大人の魅力を持ったイケメンだ。

どちらかというと男らしさがあるのが、香月聡かつきさとしである。

「お疲れ様です。香月かつき課長。うーん。がっつりかちょこっとか・・・迷い中です。」

香月聡かつきさとしは、微かに笑い、優しく声をかける。

「私が、これ、二つ買ったら、一つ食べてくれる?」

一口サイズのスイーツ。チーズケーキである。

「え!・・・でも・・・。」

嬉しいけど、おごってもらう訳もいかないので、口ごもる。

「いつも頑張っている中大路なかおおじさんんへのご褒美。内緒だけどね。」

と、言い、サッと二つ掴み、レジに持って行く。


結局、香月かつき課長のおごりで、一口スイーツを貰ったあおいは、ウキウキしながら、香月かつき課長と並んで、会社に向かう。


やった!

香月かつき課長、こうやって、内緒で甘い物くれるんだよね。

優しいな。

個人的には、前の上司の体育会系ノリが、好きだけど、こういうほんわかな感じも悪くないな。


あおいは、香月かつき課長と一緒に、会社に戻る。

「お疲れ様です。」

と、声をかけながら、自分の席に向かう。

数人から、「お疲れ様です。」と、返事が返ってくるが、そのあと何かヒソヒソ話している。

最近、よく見る光景だ。

心当たりがないあおいは、少し気になるが、そのまま忘れてしまう。

隣にいる、香月かつき課長の唇が、微かにほころんでいることは、知る由もなかった。




事務作業に、キリがついたのもあり、あおいは席を立つ。

事務所をでて、トイレに、向かう。

会議室の前を通りかかると、声がした。

ドアが、少し開いていた。

男女の声がするのだが、何やらめている感じだ。

どうも、仕事で会議しているわけではなく、個人的に話している気配だったので、そのまま通りすぎる予定だった。

しかし、聞き覚えある声だった為、あおいはその場に立ち尽くした。


「落ちついて。俺、付きうてん人がおるで。」

「知ってますよ!でも、結婚する訳ではないですよね?私のことも一度、考えて欲しいです!」

柿花直人かきはななおとと、後ろ姿からでも想像できる、かわいらしい女性だった。

ドアの隙間から、姿を確認する。

困った顔をした柿花直人かきはななおとが、そこに居た。

あおいは、何故か、その場を動けなかった。

柿花直人かきはななおとは、断るのはわかっている。

見守る必要もない。

わかっているのだ。

しかし、足を動かす気にはなれなかった。

苛立いらだちを覚えながら、隙間から覗いたままだ。


「かなんな。・・・あおいとは、結婚も視野に、付き合ているで。」

優しい口調で、柿花直人かきはななおとは、かわいらしい女性に告げた。

「でも・・・。」

引き下がらないかわいらしい女性の言葉をさえぎり、柿花直人かきはななおとは、きっぱりと告げた。

「本気で、あおいのこと好きなんや。他の女性の事なんて、考えられへんほどに・・・。」


ドキンッ

あおいの鼓動が高鳴る。

初めて見る柿花直人かきはななおとの、真剣な瞳と艶やかなボイスに、釘付けになる。

持っていた、化粧ポーチを、思わず落としそうになる。

わずかに、物音がする。

柿花直人かきはななおとと、私は目が合う。

慌てて、私は、その場から離れる。



なになになに?

今の?

直人って、あんなに色っぽい顔した?

きれいな顔で、かっこよくて、好きだけど、あの顔、見たことない!

しかも、あんな大人っぽい声出すの?

え?ええええ?

いやいやいや。

さっきの何?

一応付き合ってるけど、あんなに演技しなくてもいよね?

って、直人って、演技できるほど、器用なの?

知らない!

あんな直人知らないよ!


あおいは、真っ赤になりながら、早鐘を打つ心臓を抑えながら、トイレに向かったのである。



顔を、化粧で整え、幾分、落ち着いたあおいは、事務所に戻ろうとする。

給湯室から、さっきも聞いた声に、呼び止められる。

直人なおと・・・。」

やっと落ち着いた鼓動が、再び、高鳴る。

頬も、赤くなる。


このタイミングは、ヤバすぎる!

いやでも、さっきの直人の言葉を思い出してしまう。

嘘だってわかっているけど・・・。

衝撃が大きすぎる。


あおいは、柿花直人かきはななおとに、給湯室から呼ばれて、後ずさりした。

しかし、難なく、捕獲され、給湯室に、連れ込まれる。


逃げたい!


あおいは、強く、心の中で叫んだ。

読んで下さって、ありがとうございます!最後まで、頑張ります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ