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美しい花には秘密がある  作者: 美月すず
第三章 三女 あおい編
32/38

葵1

遅くなりました!週1~2回ペース更新を、目指します!

まだまだ寒さが続く2月の深夜。

月がきれいに輝く。

星もこたえるように、瞬く。


一人暮らしには、少し広めの一室で、男女は語らう。

夜更けなので、愛の語らい・・・?!


女性は、26歳。つばきより10歳下の三女。

名前を、あおい。美人姉妹と評されるだけあって、爽やか美人だ。

さらさら黒髪ショートボブ。

明るく元気で、健康美人とも、言われている。

恋愛が苦手な四姉妹の中で、一番器用な子だと思われている。

目の前にいる、男性との関係も、四年を過ぎている。

年齢的にも、結婚が近いのでは?!と思われている一番優秀な子である。


しかし、それは、表面的な評価である。

ふたをあけると、四姉妹の中で、一番不器用で、一番奥手である。

四年も交際している彼がいるのに、不器用で奥手だというのには、理由がある。

それは・・・。


「あおい、次、何飲みたい?」

あおいの目の前にいる男性が、あおいに、お酒のおかわりを聞く。

女性のようにきれいな顔立ちをした美男子。

あおいと同い年で、同じ会社の同期。

二人とも営業職で、成績を、1、2を争うライバルでもある。

名前を、柿花直人かきはななおとと、言う。


「うーん。マッコリかな。」

あおいは、返事をする。

柿花直人かきはななおとは、冷蔵庫に向かう。

その後ろ姿を見ながら、あおいは、考え事をする。

三ヶ月くらい前から、柿花直人かきはななおとに、伝えようとしていることがある。

それを言葉にしようとはするのだが、いざ、その時になると言えないのある。

こういう優柔不断なことは、あおいの恋愛の中では、いつもだ。

普段の人生は、サッパリしているが、恋愛だけは、ウジウジなのだ。

そして、姉妹の中で、誰よりも顔にでてしまうのがあおいである。


「どないした?調子が悪い?」

自分の殻に閉じこもってしまったあおいに、柿花直人かきはななおとが、声をかける。

「ううん。ちょっと考え事。あ、ありがとう。」

あおいは、柿花直人かきはななおとから、グラスを受け取り、マッコリをついでもらう。

こっそり、彼を見ると、少し真剣な瞳をしながら、マッコリを注いでいる。

整った顔立ちは、いつ見ても、かっこいい。吸い込まれるほどに。


私の彼氏・・・。そう、彼氏だけど、そろそろ終わりにしないとな・・・。


あおいは、心の中でつぶやき、ぼうっとして、柿花直人かきはななおとを、見つめていた。

いつのまにか、至近距離で、覗き込まれて、勢いよくのけぞる。


「こういうの苦手だって言ったよね・・・。」

あおいは、そっぽを向きながら、赤くなった頬を隠しながら、マッコリに、口をつけた。

柿花直人かきはななおとは、あおいの隣に座る。

一瞥したあと、ため息をつく。

「そろそろ、慣れてもええ思うけど?・・・ま、それも、かわいいけどな。」


か・・・。かわいい?!

直人は、最近、こうやって女性あつかいしてくる。

まわりに人が居るときはわかるが、二人っきりの時は、こういう恋人ごっこはしなくていいのに・・・。

だから・・・。

私は、勘違いしてしまう。

直人が、本物の恋人だって!

最近、自然と彼と言ってしまうし、手をつなぐのも自然になってきてるし・・・。

流されていると言うか・・・。

本物と偽物の境界線が分からない・・・。

このままいくと・・・。

よくわからないけど、このままではいけないと思うの!

だから・・・。

終わりにしなくては・・・。


そう、あおいと柿花直人かきはななおとは、ある理由で、偽カップルを演じているのだ。


あおいは、意を決して、柿花直人かきはななおとに、向き直る。

「な、直人、私たち・・・。」

あおいは、柿花直人かきはななおとの表情を見て、言葉を飲んだ。

さらっと言った『かわいい』は、柿花直人かきはななおとにも、勇気がいるものだったのだろう。

照れた顔は、艶やかさも帯びていて、あおいは、ときめきを覚えた。


本当に、無駄に、かっこいい!


結局、別れ話は切り出せず、いつもと同じ、始発で、あおいは、帰ったのである。


三女、あおい。

四年も交際している彼は、まさかの偽彼。

彼女も、恋は、不器用である。

しかも、一番の不器用かもしれない。

恋愛下手の称号を贈ろう。


読んで下さってありがとうございます!嬉しいです^-^

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