菫15
大変遅くなりましたm(__)m
時は流れて、12月初旬。
本屋で、予約した本を受け取った。
夜更けまでかかり、読み終えた。
すみれは、怒りがこみあげてきた。
「すみれさん、ごめんなさい。騙すつもりは、なかったんじゃ。」
世羅達也は、今日、何度目になるかわからない謝罪を口にした。
すみれと世羅達也は、付き合っている訳ではない。
卒業後、大学に合格したら、付き合う約束をしている仲だ。
しかし、二人の行動は、付き合っているのとさほど変わらない。
毎日、30分とを決めて、電話をしている。
日曜日に、数時間、一緒に過ごす。
これは、二人で取り決めしたものだ。
時間の制約は、すみれが頑なに決めたのだが。
約束の証以来、手をにぎることすらしない。
お互い好き同士なのだから、合意のもとならいいのではと思うが、生徒と担任である立場である以上、一線をひいている。
真面目なすみれが、脅迫まがいに世羅達也に、約束させた取り決めである。
ああ。
私って、本当に、大人げない!
世羅君に、あたるなんて!
すみれが、怒っているのには、訳がある。
12月頭に発売した、世羅達也の二作目の小説だ。
この本の為、赤裸々なアンケートも答え、動物園にも行ったのだ。
しかし、動物園は、出てきたが、赤裸々なアンケートは、まったく活かされてない内容なのだ。
しかも、恋愛は、ほとんどでてこない推理小説だったのだ。
恥ずかしすぎて、本を読んでから、怒っているのだ。
しもうたな。
最終的にゃあ、小説に活かす為なんは、、間違うとらんのだけど・・・。
アンケートは、すみれさん自身を知りとうてお願いしたんじゃけど・・・。
素直に言うたら、更に、騙しとる思われるかな。
世羅達也は、初めて見るすみれの不機嫌な態度に、どうしたらいいのか困っていた。
のちのち小説に活かす為にお願いしたと伝えたが、「今回の作品だと思ってた」!と、怒りをあらわにしている。
二人は、最近、中国茶専門店 PANDAで、お茶をしている。
今日も、同じく来ていたのだが、こんな調子なので、30分くらいで、店をでてきたのだ。
女性の機嫌の直し方って、どうやるんじゃ?
世羅達也は、本気で悩んだ。
そして、あることを思い出した。
「すみれさん!」
階段近くにいるすみれを、呼ぶ。
腕をつかまれ、世羅達也の胸の中に、すっぽりおさまる。
ええ?!
すみれは、困惑した。
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◇アンケート◇
質問:恋人とケンカ。怒っている時は、どうしたら、機嫌が直る?
答え:謝ったあと、優しく抱きしめて、キスしてくれたら直るかも。
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耳元で、世羅達也の「ごめんね。」の声が、したと思ったら、優しいキスが、落された。
ええ???
なんで???
「ちょ・・・。誰かに見られたら・・・。」
言い終わる前に、再度、唇をふさがれる。
う・・・。
気持ちいいいかも・・・。
怒っていた心が、甘いキスで、浄化されていく。
いやいや。
ここは、騙されては、ダメ!
「・・・機嫌直った?すみれさんのこと、もっと知りとうて、アンケート頼んだ。僕のことも、知ってもらいたいけぇ、小説は言い訳に使うたけど・・・。最終的にゃあ、活かせる思うけぇ、騙しとらん。」
まっすぐな瞳で、見つめられ、すみれは、言葉を失う。
「それでも・・・。恥ずかしい・・・アンケートは、私の本音を書いたから・・・。」
頬を染め、目線をそらすすみれ。
「すみれさん、かわいい!」
頬に手を置き、そのまま指で、顎をもちあげられる。
世羅達也と、瞳が重なる。
どうしよう・・・。
こんなところ・・・誰かに見られたら・・・。
それに・・・卒業して、大学受かるまでは、こんなこと・・・しちゃダメなのに・・・。
そう思いながら、もっと甘いキスが欲しくなる。
すると、世羅達也が、思いがけない言葉を発した。
「許してくれたの?アンケート道理、できとった?」
?!
ああ。なるほど。
すみれは、理解した。
自分が書いたアンケートの内容通り機嫌を直してくれたことに。
まあ、実践にも、活かしてくれたならいいか・・・と、すみれは、思った。
でも・・・、身体に宿った熱が、うずく。
ダメとわかっているのに、すみれは、本音を口にした。
「ちょっと・・・足りなかった・・・かも。」
言い終えて、ハッとする。
「今のは・・・・」
嘘!
と、言い終える前に、唇をふさがれた。
少し、不器用に、舌が、入ってくる。
探るように、動かされて、甘い声が漏れる。
もっと・・・。
すみれは、自分の欲望に忠実に、キスを深める。
自然と、すみれが、リードする側に変わる。
世羅達也は、すみれの甘く深いキスに溺れていく。
すみれが、自分でとり決めた「手を握ることはしない。それ以上も、なし。」を、自ら破ったことに、後悔するのは、数分後である。
卒業まで、三ヶ月はある。
大学合格も考えると、四ヶ月弱もある。
それまで、我慢できるのか?
いやいや。
世羅君の為にも、これは、取り決めを再度、守らなくては、固く誓うのであった。
二人の付き合ってないけど、付き合っている行動は、今後も続きそうです。
甘い恋人同士になれるのか?
無事、大学合格できるのか?
バレずに、卒業できるのか?
気になることは、多々ありますが、かわいい二人の恋物語は、一旦、ここまで。
----すみれ編。完----
最後まで、読んで下さって、ありがとうございました。




