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美しい花には秘密がある  作者: 美月すず
第二章 次女 すみれ編
31/38

菫15

大変遅くなりましたm(__)m

時は流れて、12月初旬。

本屋で、予約した本を受け取った。

夜更けまでかかり、読み終えた。

すみれは、怒りがこみあげてきた。


「すみれさん、ごめんなさい。だますつもりは、なかったんじゃ。」

世羅達也せらたつやは、今日、何度目になるかわからない謝罪を口にした。

すみれと世羅達也せらたつやは、付き合っている訳ではない。

卒業後、大学に合格したら、付き合う約束をしている仲だ。

しかし、二人の行動は、付き合っているのとさほど変わらない。

毎日、30分とを決めて、電話をしている。

日曜日に、数時間、一緒に過ごす。

これは、二人で取り決めしたものだ。

時間の制約は、すみれが(かたく)なに決めたのだが。

約束のあかし以来、手をにぎることすらしない。

お互い好き同士なのだから、合意のもとならいいのではと思うが、生徒と担任である立場である以上、一線をひいている。

真面目なすみれが、脅迫まがいに世羅達也せらたつやに、約束させた取り決めである。


ああ。

私って、本当に、大人げない!

世羅せら君に、あたるなんて!


すみれが、怒っているのには、訳がある。

12月頭に発売した、世羅達也せらたつやの二作目の小説だ。

この本の為、赤裸々なアンケートも答え、動物園にも行ったのだ。

しかし、動物園は、出てきたが、赤裸々なアンケートは、まったく活かされてない内容なのだ。

しかも、恋愛は、ほとんどでてこない推理小説だったのだ。

恥ずかしすぎて、本を読んでから、怒っているのだ。


しもうたな。

最終的にゃあ、小説に活かす為なんは、、間違うとらんのだけど・・・。

アンケートは、すみれさん自身を知りとうてお願いしたんじゃけど・・・。

素直に言うたら、更に、だましとる思われるかな。


世羅達也せらたつやは、初めて見るすみれの不機嫌な態度に、どうしたらいいのか困っていた。

のちのち小説に活かす為にお願いしたと伝えたが、「今回の作品だと思ってた」!と、怒りをあらわにしている。


二人は、最近、中国茶専門店 PANDAパンダで、お茶をしている。

今日も、同じく来ていたのだが、こんな調子なので、30分くらいで、店をでてきたのだ。


女性の機嫌の直し方って、どうやるんじゃ?


世羅達也せらたつやは、本気で悩んだ。

そして、あることを思い出した。


「すみれさん!」

階段近くにいるすみれを、呼ぶ。

腕をつかまれ、世羅達也せらたつやの胸の中に、すっぽりおさまる。


ええ?!


すみれは、困惑した。


-------------------------------------------------------------------------

◇アンケート◇


質問:恋人とケンカ。怒っている時は、どうしたら、機嫌が直る?


答え:謝ったあと、優しく抱きしめて、キスしてくれたら直るかも。


---------------------------------------------------------------------------


耳元で、世羅達也せらたつやの「ごめんね。」の声が、したと思ったら、優しいキスが、落された。


ええ???

なんで???


「ちょ・・・。誰かに見られたら・・・。」

言い終わる前に、再度、唇をふさがれる。


う・・・。

気持ちいいいかも・・・。


怒っていた心が、甘いキスで、浄化されていく。


いやいや。

ここは、騙されては、ダメ!


「・・・機嫌直った?すみれさんのこと、もっと知りとうて、アンケート頼んだ。僕のことも、知ってもらいたいけぇ、小説は言い訳に使うたけど・・・。最終的にゃあ、活かせる思うけぇ、だましとらん。」

まっすぐな瞳で、見つめられ、すみれは、言葉を失う。

「それでも・・・。恥ずかしい・・・アンケートは、私の本音を書いたから・・・。」

頬を染め、目線をそらすすみれ。

「すみれさん、かわいい!」

頬に手を置き、そのまま指で、顎をもちあげられる。

世羅達也せらたつやと、瞳が重なる。


どうしよう・・・。

こんなところ・・・誰かに見られたら・・・。

それに・・・卒業して、大学受かるまでは、こんなこと・・・しちゃダメなのに・・・。


そう思いながら、もっと甘いキスが欲しくなる。

すると、世羅達也せらたつやが、思いがけない言葉を発した。

「許してくれたの?アンケート道理、できとった?」


?!


ああ。なるほど。


すみれは、理解した。

自分が書いたアンケートの内容通り機嫌を直してくれたことに。

まあ、実践にも、活かしてくれたならいいか・・・と、すみれは、思った。


でも・・・、身体に宿った熱が、うずく。


ダメとわかっているのに、すみれは、本音を口にした。

「ちょっと・・・足りなかった・・・かも。」

言い終えて、ハッとする。

「今のは・・・・」

嘘!

と、言い終える前に、唇をふさがれた。

少し、不器用に、舌が、入ってくる。

探るように、動かされて、甘い声が漏れる。


もっと・・・。


すみれは、自分の欲望に忠実に、キスを深める。

自然と、すみれが、リードする側に変わる。


世羅達也せらたつやは、すみれの甘く深いキスに溺れていく。


すみれが、自分でとり決めた「手を握ることはしない。それ以上も、なし。」を、自ら破ったことに、後悔するのは、数分後である。


卒業まで、三ヶ月はある。

大学合格も考えると、四ヶ月弱もある。

それまで、我慢できるのか?

いやいや。

世羅せら君の為にも、これは、取り決めを再度、守らなくては、固く誓うのであった。


二人の付き合ってないけど、付き合っている行動は、今後も続きそうです。

甘い恋人同士になれるのか?

無事、大学合格できるのか?

バレずに、卒業できるのか?

気になることは、多々ありますが、かわいい二人の恋物語は、一旦、ここまで。



----すみれ編。完----

最後まで、読んで下さって、ありがとうございました。

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