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美しい花には秘密がある  作者: 美月すず
第二章 次女 すみれ編
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菫8

世羅達也せらたつや目線です。今回までです。

「ありがとう。でも、ごめんね。・・・大事な生徒としか見れないから・・・。」

引き下がらない男子生徒には--------。

「卒業しても、先生のこと想ってくれるなら、今度は、一人の女性として、答えるね。」


これが、中大路なかおおじ先生の断り文句らしい。

実際に、卒業後、告白に来た生徒もいるらしい。

落ちついて考えると、先生に、彼氏はいるのだろうか?という疑問に行き着いた。

仲良くなった同級生に聞くと、「今はいないらしい。」少し前は居た可能性があるけど、さだかではないとのこと。


うーん。

11歳差は、男より弟みたいなもんか・・・?


世羅達也せらたつやは、何とか、自分を見てもらえる位置に立てないかと考える。

中学の時の初恋は、結局、何も伝えれなくて、悔いが残った。

次の恋は、後悔ないようにするって強く決めている。


断り文句からいくと、高校生でいる限り、一人の男性としちゃ見てくれんってことじゃな。

でも、卒業したら、会える機会減るけぇ、自分を知ってもらえるチャンスなんかないよな・・・。

今、自分を知ってもらうにゃあ・・・どがぁしたら、いいんじゃ?


考える。


告白か?

いや・・・。

まずは、自分を知ってもらうことが大事だ。

よし、修学旅行で、隙を見て、声をかけよう。


中大路なかおおじ先生。」

修学旅行の最中、勇気をふりしぼって声をかけた。

驚いた顔をしていたが、緊張のあまり、世良達也せらたつやは、すみれの表情には気づいていない。


写真を撮ろう!

それが、自然じゃ!

って、誰に撮って貰うんじゃ。


何を言おうか頭の中で格闘していると、すみれは、先生の顔しながら、心配そうに聞く。

「体調悪い?ちょっと暑いよね。」

「あ・・・。はい。体調は、悪うない。えっと・・・。」

世羅達也せらたつやは、何とか言葉を続けようとしたが、別の生徒が、すみれを呼んだ。

「み・・・水あるか?じゃのうて、大丈夫です。」


何言いよるんだ。僕は。


世羅達也せらたつやは、後悔した。

声をかけたのはいいが、話す内容をもっと練っておくべきだったと。


すみれは、世羅達也せらたつやを見て、リュックから、ペットボトルを出す。

「内緒ね。」

と、言って、ペットボトルを渡す。

烏龍茶だった。


世羅達也せらたつやは、頭を下げるのが精一杯だった。

下をむいたまま、真っ赤な顔を隠すのに、徹した。


今度は、国語で、わからないところを、質問しようと考えた。

実際、わからないところはないので、わからないフリをしようとした。

声をかける場所とタイミングに悩む。

授業終わって、廊下が一番無難だと思い、決意する。

国語の授業が終わり、すみれが廊下に出るタイミングを見計らって、世羅達也せらたつやも、廊下に出る。

「な・・・。」

声をかけようとしたが、一歩遅く、隣のクラスの女子に声をかけられる。

世羅達也せらたつやは、別の機会にしようと決めるが、どうもタイミングが合わない。

声をかける勇気がでないと言った方が、正しいのかもしれない。


世羅達也せらたつやは、質問を諦め、自分が、本を出すことを伝えようと決意する。

なかなかそういう生徒はいないはずだ。

先生の中で、少し特別な生徒として、印象づけれるかもしれない。

感想も聞きたいといえば、先生なら、応えてくれるかもしれない。


よし、これだ!


世羅達也せらたつやは、勇気を振り絞るが、呼び止める勇気がでない。


好きだと自覚した今、とにかく緊張する。

本を出すのは、決まったが、内容は、結構、恥ずかしい。

自分の初恋を題材にしている。

自分の裸を見られるよりも、もっと恥ずかしい。

赤裸々な内容だ。

でも、そんな自分を、先生に知ってもらいたい!とも、思う。

そんな思いを抱えながら、発売日は、近づいてきた。

夏休み前、世羅達也せらたつやは、最後の勇気を振り絞る。

すでに、すみれは、教室を出て行ってしまった。

初恋の後悔は、二度としたくない。

世羅達也せらたつやは、足早に、今日を出た。

急いで、すみれを追った。




やっぱり、あの勇気が、今、先生との距離が縮まったんじゃな。



朝ごはんを食べながら、自分の行動に、満足した。


今日のテストを乗り切れば、初デートじゃ。

電話もできる。

とにかく、責めるんじゃ。

後悔ないように!


世羅達也せらたつやは、最後の一口を食べ終え、学校へ行く準備を始めた。



読んで下さって、ありがとうございます。よろしければ、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

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