椿10
時は、さかのぼる。
青西優人とつばきの熱いキスの時間へ。
「優人!」
つばきのとびっきりの笑顔をみた瞬間、青西優人は、自分の衝動を止めれなかった。
居酒屋でも、触れたくて、手のマッサージを提案した。
作戦は成功したが、更に、欲が深まった。
つばきの手は、柔らかい。
少し荒れてはいるが、手入れはされている手だ。
そして、自分のマッサージがよく効いているらしく、頬を赤くして、甘い吐息と声を我慢しているところが、男性の欲に拍車がかかった。
つばきの気持ちよいところを探しながら、甘い吐息と甘い声を漏らさせたい。
その一心だった。
やっと、その望みを叶えると、更に、更に、欲が深まる。
抱きたい!
ただ、抱きしめるだけではない。
大人の男女だ。
このあと、誘うてまおか?
いや・・・。
友達になったんや。
焦ってはあかん。
青西優人は、この上なくつばきが欲しくてたまらないが、理性で何とか、欲望を抑え込んだ。
今まで、こんなにも欲しいと思ったことはない。
若い男性でもない。
何故、こんなにも欲しいのか・・・。
好きというには、まだ、お互いを知らないし、時間も早すぎる。
ただ、強く惹かれているのは、認めざるを得ない。
そう、そこまでは、良かった。
お酒も入っていて、帰りたくもなかったから、ついつい名前で呼んで欲しいと求めてしまった。
それが、いけなかった。
彼女の口から、発せられた言葉と笑顔で、青西優人は、欲望のまま、突き進んだ。
つばきの唇に、軽くキスを落とした。
甘い。
つばきの唇の甘さに、奥の方の甘さを知りたくなり、彼女の口内に舌を入れた。
彼女の甘い舌を見つけると、絡めた。
「あっ・・・。」
つばきの色っぽい声がして、青西優人は、欲情した。
彼女を引き寄せ、彼女の甘い舌やもっと敏感なところを探す。
次第に、つばきから、首に手をまわされ、熱いキスにこたえてくれる。
それが、青西優人の欲情を煽った。
抱きたい!
このまま、ホテルに、誘おう!
熱く深いキスに溺れながら、青西優人は、決意した。
同時に、彼女のスマホのバイブが、激しく鳴った。
密着してたゆえに、バイブの振動で、二人は、ビクッとなる。
それと、同時に、我に返る二人。
気まずそうな表情を見せながら、「ごめんなさい・・・。」と、言って、電話に、でる。
そのでる前、青西優人は、相手の名前を、しっかり見た。
『高矢 勇』
少し離れたところで、楽しそうに話しているつばき。
仕事中は、いたってクールなつばき。
その面影がなく話すつばきを見て、あの噂が、確信に変わった。
この大物に、自分は勝てる気がしない。
人柄は、申し分ない。
むしろ、青西優人の尊敬する医師である。
だから、今の病院に、勤務しているのだ。
そないな相手から、奪うてええのやろうか?
いや、そら、良かないやろう。
青西優人は、思う。
思うのだが、生まれてしまった自分の熱い気持ちを消すことはできない気がする。
無謀だが、口説き落そか?
大物に勝つとしたら、大物があげれへん彼女のほしいものをあげればええ。
そう、たとえば・・・。
「え?今から?・・・うーん。行きたいけど・・・。あ、うん。そう。・・・アハハ。友達ですよ。」
つばきの電話の声がきこえてきた。
今から、会おうと誘われているようだ。
『友達』と、言い切りつばきに、分かっていても、落ち込みを隠せない青西優人。
そのあと、立ち直れず、駅まで送って、別れた。
読んでくだって、ありがとうございます。
青西優人目線、次回も続きます。




