第4章: 第2部
異邦人になったばかりの者にとって、仲間のグループができることは、たいていほぼ確実だった。
ごく自然なことだったのだ。
大半の者は、ムエルガルに来たときに一緒だった人たちと友達になっていく。何しろ、彼らは同じ世代に属する者たちであり、おそらく、自分たちが今どんな状況に置かれているのかを本当の意味で理解できる、数少ない人々なのだから。
そんな状況では、グループを作ることよりも、どこにも所属できないままでいることのほうが難しかった。
しかし……。
ルチアーノはどうだっただろうか?
彼は一人でやって来た。
しかも、イルサの話では、彼と同じ世代の異邦人たちは、すでにそれぞれ自分たちのチームを組んでしまっているらしい。
いきなり彼らの前に現れて、仲間に入れてくれと頼む自分の姿を想像すると、どうにも妙な気分になった。
少なくとも、ルチアーノはそういう人間ではなかった。
そんなことは絶対にしない。
それが悪いことだからではない。ただ、そうしたいという気持ちが湧いてこないのだ。
それに、彼は特別おしゃべりな人間でもなかった。
それでも、ほかにどうしようもない以上、以前の世代の異邦人たちのチームの中から、メンバーを失ったところを探すしかなかった。
あまり気分のいい話ではない。
だが、ギルド長の説明によれば、ムエルガルではそういうものらしい。
イルサとミカは彼をあまりにも不憫に思ったのか、彼を受け入れてくれるチームを探してみるとまで約束してくれた。
ルチアーノは、ほかの人たちにそんなふうに思われるのが、あまり好きではなかった。
少し考えてみると、そもそも妙な話にも思えてきた。
まるで、迷子の子犬でも見るような目で見られている気分だった。
まあ……あながち間違ってもいないか。
結局のところ、実際にそう見えるのだろう。
良くも悪くも、ルチアーノはこの世界で完全に道に迷っていた。
それでも、そんなふうに扱われるのは好きではなかった。
とはいえ、二人には感謝するしかなかった。
*イルサじゃなかったら、ここまで助けてくれなかっただろうな……。*
少し間を置いた。
*もちろん、ミカもだ。*
二人がどれだけ親切にしてくれようと、それはありがたいことだった。
だが、いつものように、また別の問題があった。
しかも、かなり重大な問題だ。
魔法を使えないということは、さまざまな戦闘クラスにおいて、まったく役に立たない人間だということだった。
大半の者は、魔粒子を必要とする何らかの能力に関連した技術を使っていた。
そのため、イルサとミカは、彼のためにチームを探すつもりではあるものの、あまり期待しすぎないようにと忠告していた。
ルチアーノは、ある意味で腹を立てていた。
二人に対してではない。
この状況そのものが気に入らなかったのだ。
誰かにチームへ入れてもらうことが、あまりにも難しかった。
*諦めるのが早すぎるのか?*
いや。
実際のところ、諦めているわけではなかった。
ただ、現実的に考えているだけだ。
*機会があれば、ありがたく受け入れればいい。*
だが、そんな機会が本当に訪れるとは、到底思えなかった。
そんなわけで、状況は相変わらずだった。
腹が立つとはいえ、彼らが自分をチームに入れたがらないことを責めるわけにもいかなかった。
何しろ、自分たちの足を引っ張るかもしれない人間を仲間に加えれば、事態が悪化したとき、取り返しのつかないことになりかねない。そのことは、ルチアーノ自身もよく分かっていた。
*たぶん、俺だって同じことをする。*
ルチアーノには、その気持ちが痛いほど理解できた。
そもそも、ほかの人たちの足手まといになる可能性があるのに、それでもチームを探し続けることが正しいのかどうかさえ、疑問に思い始めていた。
*自分勝手なんだろうか?*
疑問が多すぎた。
あまりにも多くて、一瞬、頭の中が疑問だらけになっていくような気さえした。
だが、そのとき……。
彼は顔を上げた。
目の前に、バザールが現れた。
その規模の大きさに、ルチアーノは驚いた。
しばらくの間、頭の中を占めていた疑問はすべて消え去った。
バザールは、遠くの彼方まで続いている巨大な通りだった。
終わりがないようにさえ見えた。
両側には、大小さまざまな店が並んでいた。木材や布で造られた店もあれば、いろいろな素材を使って急ごしらえしたような店もあった。
ルチアーノが口をあんぐりと開けることはなかった。
彼はそういう反応をする人間ではない。
それでも、驚いてはいた。
*へえ……。*
彼は迷うことなくバザールへ足を踏み入れ、店を見て回り始めた。
目的は、仕事を始めるために必要な最低限のものを手に入れることだった。
イルサの勧めによれば、比較的安い値段で質のいい装備を探すなら、ここが一番だった。
もっとも、値切り交渉ができれば、という条件つきだが。
*俺、交渉とか得意なのかな?*
さっぱり分からなかった。
だが、挑戦してみるつもりだった。
遅かれ早かれ、慣れなければならないのだから。
ミカは、そのことについて必要最低限の説明をしてくれていた。
また、見つけた最初の店で決めてしまわず、いくつかの店を回ってみるようにも勧められていた。
そして、彼はまさにそのとおりにしていた。
ついでに、探しているものとはまったく関係のない店を眺めながら、散策も楽しんでいた。
この場所には、本当に何でもあった。
回復薬。
衣服。
動物。
陶器。
食べ物。
そして、何なのかさえ分からないものが、ほかにもたくさんあった。
そう。
ポーションというものが存在していたのだ。
どれほど奇妙に思えようと、それは現実だった。
しかも、何よりすごいのは、実にさまざまな種類があることだった。
ルチアーノは、小さなガラス瓶の前で足を止めた。
中には、蜂蜜のような色をした液体が入っていた。
慎重に手に取り、じっくりと観察する。
「この場所について知れば知るほど、ファンタジーのテレビゲームに似てくるな」
そのとき、彼はあることに気づいた。
ほんの数時間前まで、テレビゲームとは何なのかさえ知らなかったのだ。
それなのに、今では分かる。
なぜだろう?
それまでは気づかなかった。
だが、目の前の世界と関われば関わるほど、さまざまなことが戻ってくるようだった。
正確には、記憶そのものではない。
何かが違う。
まるで、言葉の意味を取り戻しているかのようだった。
テレビゲームが何なのかは分かる。
ポーションが何なのかも分かる。
お金が何なのかも分かる。
だが、そうした知識がどこから来たのかは思い出せなかった。
奇妙だった。
いつ、どのようにして学んだのかは覚えていないのに、知識だけは持っているような感覚だった。
*意味は分かる……でも、それに関係する記憶は何もない。*
ルチアーノにとって、それは理解するのがあまりにも難しいことだった。
だからこそ、言葉で説明するのはさらに難しかった。
*俺、イルサみたいになってきたな。*
その考えが、少しおかしかった。
バザールを歩き回るのは興味深かった。
いや、正確には……。
楽しかった。
目に入るものの多くは、特別に興味を引くわけではなかった。それでも、あちこちを歩き回り、見知らぬ品物に次々と出会うことには、何とも言えない面白さがあった。
まるで、新しい世界を探索しているようだった。
そして、厳密に言えば、実際にそうしているのだった。
とはいえ、気をつける必要もあった。
人が多すぎて、ときには歩くのも難しいほどだった。
誰もが、ほとんど互いに体をくっつけるようにして進んでいた。
あるときなど、人混みの中を走りながら、盗まれたと叫んでいる人を見かけた。
その後ろには、どうやら泥棒らしき人物を追いかけている別の人間がいた。
ルチアーノは、その光景を数秒間眺めた。
*こういう場所なら、これも普通なのか。*
用心しなければならない。
イルサから渡された金だけは、何があっても失うわけにはいかなかった。
散策を楽しむこと数分、ルチアーノはようやく探していた店を見つけた。
少なくとも、本人はそう思っていた。
そこには、あらゆる種類の装備が並んでいた。
武器。
鎧。
盾。
中には、かなり良さそうに見える品物もあった。
ルチアーノは、目を離すことができなかった。
もう全部見たと思うたびに、また新たな驚きを与えてくれるものが見つかった。
装備については何一つ分からなかったが、それでも見るのが楽しくて仕方なかった。
そして、それこそが問題だった。
何も分からないというのは、深刻なことになりかねない。
どれほど武器や鎧が美しく見えようと、この店の装備がまったくの粗悪品である可能性も、十分に理解していた。
*見た目がいいからって、それだけで判断するわけにはいかない。*
それでも……。
ほかにも気になることがあった。
値段だ。
安かった。
少なくとも、これまでに見てきたほかの店より、少し安いように思えた。
どうして安いと分かるのか?
ギルドを出る前に、イルサからある程度の金を渡されていたからだ。
正確に言えば、
銅貨が三十五枚。
そして、銀貨が二枚。
銅貨は小さく、かなり軽かった。
お金にしては、どこか頼りない見た目さえしていた。
曲がっているものもあった。
焦げたものもあった。
それでも使えるのかとルチアーノが尋ねると、イルサとミカは何の問題もないと説明してくれた。
それには、彼も少し驚いた。
一方、銀貨はもっと大きく、丈夫だった。
保存状態も、より良かった。
もっとも、縁がすり減っているものもあれば、小さな焦げ跡がついているものもあった。
要するに、ルチアーノはムエルガルの貨幣制度について、少なくとも基本的な仕組みを理解できたということだ。
そのおかげで、どうにかこうにか、何が安くて何が高いのかを見分けられるようになっていた。
さらに奇妙なこともあった。
使われている数字が、彼の知っているものとまったく同じだったのだ。
1、2、3、4、5、6……。
違うのは、その呼び方だけだった。
*俺の知っているお金とは、まったく違う。*
*俺がいた場所では、お金は紙でできていた……。*
彼はわずかに眉をひそめた。
ある言葉が頭に浮かんだ。
*何て呼ぶんだっけ?*
思い出すまでに、数秒かかった。
*紙幣。*
そう。
それだ。
*それに、確か硬貨もあったはずだ。*
さらに何かを思い出そうとした。
*銀と銅でできていたんだっけ……? たぶん。*
だが、それ以上は何も出てこなかった。
どれだけその糸口をたぐり寄せようとしても、つかみどころのある記憶は見つからなかった。
あるのは、言葉だけ。
概念だけ。
意味は分かる。
だが、その先には何もなかった。




