ホントのホンキ
「先輩がルール説明してくれるからよーく聞けよ〜!」
「それ、先輩が自分で言うんすか?」
古谷、それはツッコんだらだめだぞ...
「とりあえずルールは、1ゴール1点で先に5点取った方が勝ちの5点マッチだ。デュースはなしの完全先取のストレートで行くぞ!」
「なるほど。じゃあ、俺がスリーを3回決めて終わりだな。」
ドヤ顔でそう言う古谷は、前回俺たちに負けたとは思えないほどにただならぬ雰囲気を放ち、明らかに『強者』という言葉が似合う選手だった。
ピーッ
今回は、ジャンケンでボールをどちらが先に持つか決めたため古谷が先になってしまった...これは、しょうがない!しょうがないのだ!そうやって俺がジャンケンに負けたことを1人で言い訳していると...
ザザッ
真横をまるでタカか何かが通ったように風が吹く。
嘘だろ⁉︎やばい!急がないと‼︎
ガコーン
「アイツ〜!」
俺は、思わず床に座り込んだ。それもそうだ。だって、あんな派手な"ダンクシュート"を見せられたら誰だってそうなってしまう
「お前、1on1でそこまで本気出して、怪我とかするなよ〜」
それに対して返してきた古谷の言葉は真剣な声色だった。それは、今までとは違う。バカではない、天才の声だった。
「ケガなんてしないし、俺はいつだってホンキで勝ちに行く。」
きっと俺がコイツに感じていたものは...
ピーーーッ
「ゲーム再開しまーす!」
次は俺から!絶対に決める‼︎
ダダッ っ!!!マズイ!
走った今井の前には必ず古谷という大きな大きな壁がある。超えたと思っていた壁はまだあったのだ。
キュキュッ
バッシュが擦れる音が鳴り響く騒がしい体育館を好きになったのは、今日が初めてだ。
...............
この前の県総体。俺らが勝って、古谷が負けた。
だけど、古谷はすぐに立ち直った。いつも笑顔で時々ウザいほどの絡みも、ヘラヘラしてるように見えるのも...1on1をしてるなかでわかった。いや、見えてきたんだ。さっき、古谷が俺を抜き去った時だ。
その瞬間、俺の目に飛び込んできたのは、古谷のボロボロにすり減ったバッシュの底だった。一違う。コイツは、ヘラヘラして手を抜いていたんじゃない。誰もいない夜のコートで、指から血が出るまで、吐くほどシャトルランを繰り返して、この一年の俺の進化にたった"7日"で『追いついて』いたんだ。周りに努力を見せないために、変人を演じて自分を律していただけ。
「....・・つ、あはは!」
「久しぶりに感じたよー。"負けそう"なんてさー。でもな!俺今サイッコーにたのしーよアハハハ変だよなー。だからさ..................ー。かかってこいよ。俺が本気のホンキで...相手してやるから。」
自分でも後で思えばずいぶんと大口を叩いたと思う。だけど、それくらいでヤツには丁度良いんだ。
床に転がったボールを拾い上げながら、俺の口元は自然と吊り上がっていくのを感じる。
「やっぱり・・・・・・お前は面白い。」
ここから天才達の"ホントのホンキ"が始まるー。
ー9話に続くー
8話も最後まで読んでいただき、本にありがとうございました‼︎
雪也と古谷のプライドをかけた1onl、ここからが本の勝負ですが・・・・・・本日の更新はここまでとなります!
気になる1on1の決着(第9話)
は、【明日の18時30分】に更新します!二人の天才の意地がぶつかり合う瞬間を、絶対にお見逃しなく!
もし「続きが気になって夜も眠れない!」「煽バス応援する!」と思ってくださったら、ぜひページ下部にあるブックマークや評価(星マーク)をポチッと押して、明日の決着をお待ちください‼︎




