努力と天才・過去と今
時は少し遡り、初戦開始時
この男、古谷 春芽には勝つ未来が見えていた。
ピーッ
ジャンプボールが去年倒した今井の元へ辿り着く。
これなら、奪える。俺が今井のマークマンになったのは、コイツがあれからどれだけ強くなったのか、確かめたかった!ただ、それだけだ。
スポッ!
気がつけば、今井はシュートを決めていた。
やばい!
スポッ!
やばい!
スポッ!
やばい!
スポッ!
スボポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポポ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
♢♢♢
焦った俺は走って、走って、ただひたすらに今井を追いかける事しか出来ず、結局一点も決めることはできなかった。
まだ!まだだ!まだ、一点も決めれてない。俺のせいで負ける!俺がディフェンスできてないせいで!俺がシュートできなかったせいで!負ける!
冷や汗が床に流れ落ち、視界はどんどん暗くなる。
今井は、しんどそうだが笑顔でシュートを決めて、こんな俺にも本気でディフェンスをしてきた。俺は、不甲斐にもそんな彼が1人のスポーツ選手としてかっこいいと思ってしまったんだ......
なぜアイツ(今井)は、あんなに変わってしまったんだ...
ピピーッ
試合が終わる笛がなる。
ピピーッ‼︎
俺は、劣等感に押し潰されながら深く!深く!お辞儀をした。そして、今持てるありったけの声を振り絞って俺は、
「ありがとうございましたー!」
そう、叫んでその場を去った。
♢♢♢
今は、ただ1人になりたかった。
なのに‼︎‼︎‼︎駆け寄るかのように俺が開けたトイレのドアの先には例の"最も会いたくない奴"がいた。
俺の頭は完全にフリーズし、ドアを閉めるか、気づいてないフリをするかの2択で迷っていたその時、彼はまるで追い討ちをかけるかのようにある事を問いかけてきた。
「お前!なんで本気出さなかった?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
その言葉は、俺の心に深く突き刺さると同時に今井は冷やかしではなく本心で聞いてきているのだと気づき、さらに俺は立ち尽くすことしか出来なくなった。
ギギッッッ‼︎‼︎‼︎
歯を食いしばり、涙を堪えながら叫んだのを俺は未だにハッキリと覚えている。
「お前!どうやった!何をした!なんで勝てた!なんで俺は負けた!どうしたらいい!どうすればよかった!なぁ!なぁぁぁぁぁあ!」
その時の俺は、自分でも言ってる意味を整理できないまま口にしてしまったと反省した。だが、そんな俺の言葉にもアイツは、きちんと答えてくれた。
「俺は、自分が憧れた人を超える努力をしただけだ。」
それを聞いて、俺は察した。きっと自分は弱いのだと。心も...それからバスケ選手としても...
溢れそうになる涙を下瞼で支えながら、俺は再び口を開く。
そう!この時吐いた言葉は俺の誓いであり、これからの俺たちの交わるはずのなかった未来を大きく変える一言であった。
「お前にできた事は俺にだってできる!いや、してみせる!」
少し、口を小さく開けてびっくりしたような顔をしながらも
「うん」
そう、優しく今井は返す。そして、俺は宣戦布告した。
「だから、俺はお前と同じ土俵で戦うためにお前たちの明彩高に転校する!」
「う、、、うん?え?」
さすがにこれには今井も戸惑っていた。
俺は、そんな様子に目もくれずに、
「お前は、今から俺のライバルだ」
そう続けたが、その後の今井の言葉は今でも思い返すほどの俺のいわば『原点』だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「お前、まだ俺をライバルと思ってんの?」
これを聞いた俺は、ニイッと笑いながら
『「まだ」じゃない!「これから」だ!お前が俺をライバルと思うのは‼️』
「フーン。そう。頑張って。」
悪びれもせず、当然のようにそう言い放つ今井。こいつは煽っているんじゃない。本気で、もう僕のことなんて視界に入っていないんだ。圧倒的な絶望。だけど、だからこそ絶対に追いついてみせる。
♢♢♢
ここが彼らのスタートラインだ。
ー第3話に続くー
【作者からのお願い】最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!雪也のキレッキレな煽りと、それに感情を剥き出しにして食らいつく春芽――。二人のバチバチな関係性を「おもしろい!」「続きが気になる!」と思ってくださった方は、ぜひ応援していただけると嬉しいです!ページの一番下にある、・【ブックマークに追加】・【評価の星(★★★★★)】をポチッと押して応援していただけると、執筆のめちゃくちゃ大きなエネルギーになります!特に評価の星は、この作品がより多くの読者様に届くための最大の力になります。「おもしろかった!」の代わりに、ぜひ星を最大まで光らせていただけると励みになります!(登校タロウ)




